一攫千金を謳う投資広告の多くは詐欺。かく言う私もなりすましの対象に
「株で元手7万円を1億円にした裏技を限定公開」
「この3銘柄は必ず900%急騰する」
「あなたも簡単に月利10%のリターンを得る投資家に」
SNS上で日々踊っている投資広告。皆さんも目にしたことがあるだろう。もちろん、嘘八百の文言だ。にもかかわらず、このようなインチキ広告に釣られる人たちは絶えないようだ。投資詐欺が社会問題化して久しいが、いまだに日々報道されるのが「儲け話」に乗せられて怪しげな口座にお金を振り込むケースが多い。10回ほど振り込んで「あなたの投資額は急増しています」との知らせに浮かれて引き出そうとしたその時、「お金を引き出すには追加手数料が必要です」と言われてようやく「詐欺だ」と気づく。おバカな人たちである。
私もこうした投資詐欺の偽装的当事者になった経験がある。太田忠を語る「ニセモノ太田忠」によるなりすましである。被害を受けた人の中には、私の元へ直接、苦情を言いに来る女性までいた。まずは実話を紹介しておきたい。
言われるがまま高値で香港株を購入し、元手1000万円が200万円に減った
「投資の無料アドバイス」を謳い文句に太田忠を名乗るLINEのアカウントに登録。言われるがまま高値で香港株を購入。その後すぐに暴落して大損した。60代の女性だが「1000万円を2000万円に増やしたかった」との思いから、たまたま見かけた私の広告を見て登録したとのこと。
実はこの女性は「途中で何だか怪しい」と思い、X(旧ツイッター)でわざわざ私に問い合わせてきた。私が「それは詐欺ですよ、気をつけて下さい」と言ったにも関わらず、得体のしれない香港株に1000万円を投資し手元に残ったのは200万円。「損したお金を取り返しましょう。こちらに200万円を振り込んでください」と言われて初めて我に返った。警察に相談したそうだ。「それは自己責任ですよね」「全額失わなかったのだからそれで良し、と考えてはどうですか?」と言われ、結局、なすすべもなく私のところに相談に来たのだ。
どうしようもない。私が「詐欺ですよ」とわざわざ教えてあげたにも関わらず、怪しげな儲け話に乗ってしまう方がどうかしている。「変な日本語のLINEだった」そうだ。どうして「おかしいからヤメよう」と思わなかったのだろうか?
「株価大暴落の日が判明」と不安を煽る広告を鵜呑みにするのも愚の骨頂
直接相談に来なくても不愉快なメールはいくつも受け取った。「太田忠の名前を語る投資詐欺に引っ掛かった。お前は責任を取らないのか?」「被害者の会を結成しろ」などだ。そもそも、LINEで「無料で儲けさせますよ~」という口車に乗せられること自体、不注意極まりないと思うが、自分の軽率な行動でダマされたくせに自らを棚に上げ、ホンモノの太田忠にクレームをつけるのは筋違いも甚だしい。日本ではいまだに「なりすまし」を規制する法律はない。なので、勝手に太田忠を名乗り太田忠のアカウントを作っても、それ自体は犯罪行為にはあたらない。カモを騙してしまえば即、トンズラする。それを私に愚痴られても困るのだ。
こうした儲け話をエサにした広告がある一方、「株価大暴落の日がついに判明!」という人々の不安を煽る広告も目にする。株価大暴落の日など事前に予測するのは不可能だ。明らかに程度の低い内容だが、こうした広告を見て騙される人たちもいるのだろう。驚きだ。
資産運用は長期の時間を味方にして初めて成功する。一攫千金は無理な話
資産運用の現場からコメントさせていただくと、一般的な日本人が求めるのは「一攫千金」である。しかも「今すぐ、短期で、お金をドカンと増やしたい」である。所詮、無理な話だ。資産運用は長期の時間を味方につけて、コツコツとお金を増やしていく以外に成功する道はない。なぜ長期なのか? それは、経済や企業業績は長期的に伸びていくからであり、その成長力を土台にすることで運用成果を享受できるからである。
とは言え、実際の株式投資において個人投資家が求めるのは「値動きの激しい株」である。「値動きの大きい銘柄の方が儲かりやすい」というのは錯覚であり、間違った考え方だ。値動きが大きいと誤った投資行動を犯しがちなので注意が必要だ。「急激な下落では怖くなって売る」(安値売りで損失)、「急激な上昇では焦って買う」(高値づかみで損失)になってしまいやすいからだ。一方、値動きが小さいと株価は安定的な動きとなり、安値売りをしたり、高値づかみをしたりする投資行動は減る。
ともに2年で株価2倍のサンバイオとトヨタ自動車。どっちに投資すべき?
あなたが「株価が2倍になる銘柄に投資したい」「1年は無理だとしても2年で達成したい」と考えているとしよう。「2年で株価が2倍」というのは個別銘柄投資ならば目指したい目標である。以前、私は「勝者のポートフォリオ」の会員向けに提供するスペシャル講義において、実例を挙げてデモンストレーションをしたことがある。
新興市場のA社。2000円の株価が2年後に4000円になるが、凄まじい値動きだった。最初の半年で株価は半分の1000円まで下がり、その後10か月間で急騰して4.5倍の4500円。そして5割近く下落して2400円まで売られ、最後の3カ月で7割近く上昇して4000円になった。一方のB社は1200円からスタートしたが、これと言った大きな下落はなくジリジリ上昇して2年で2400円となった。
A社は万年赤字で利益の裏付けのない投機的な動きに支配されるサンバイオ(4592)、B社は日本一時価総額が大きいトヨタ自動車(7203)である。いずれも結果的には2年で2倍を達成したが、銘柄を保有する投資家の行動は似て非なるものだったことが容易に想像できる。個別銘柄投資に取り組むなら値動きの大きな企業は避け、値動きの小さい企業を選ぶ。これが鉄則である。とても重要な投資スキルだ。
推奨ポートフォリオは累計+93.8%と絶好調。銘柄選択力で市場に圧勝!
さて、太田忠投資評価研究所とダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(DFR)がコラボレーションして投資助言を行っている「勝者のポートフォリオ」。おかげさまで、このところ連日で最高値を更新して快進撃を続けている。2021年10月のサービス開始以来、6月18日時点で累計パフォーマンス+93.8%、昨年来+51.6%、年初来+14.8%となっておりマーケットに圧勝している。引き続きご期待いただきたい。

毎週のメルマガ配信による運用指南に加えて、2大特典として毎月のWebセミナー開催とスペシャル講義を提供している。次回のWebセミナーは7月9日水曜20時より開催する。テーマは未定だが、決まり次第お知らせしたい。投資戦略や個別銘柄の話、そして皆さまからのすべての質問にお答えする。投資のヒントが満載である。10日間の無料お試し期間でも参加可能である。毎回300名を超える参加者で盛り上がるセミナーだ。ぜひ奮って、お申し込み&ご参加願いたい。
スペシャル講義は株式投資スキルを磨く内容で、すでに62本もの講義を行った。有料会員はアーカイブ動画をいつでも視聴可能だ。「勝者のポートフォリオ」の会員においては「銘柄だけ教えて」という姿勢はほとんど見られない。もちろん、モデルポートフォリオの採用銘柄は各自が投資して大きな成果をあげているが、「投資家としてのレベルアップがしたい」「投資スキルを身につけて自分で個別銘柄を発掘したい」という意欲に満ちた方々ばかりである。読者の皆さまも、こうした正しい方向を目指してはいかがだろうか。
●太田 忠 DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもDFRへのレポート提供による「勝者のポートフォリオ」メルマガ配信などで活躍。
※この連載は、ワンランク上の投資家を目指す個人のための資産運用メルマガ『勝者のポートフォリオ』で配信された内容の一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガに登録すると、メルマガ配信の他、無料期間終了後には会員専用ページで「勝者のポートフォリオ」や「ウオッチすべき銘柄」など、具体的なポートフォリオの提案や銘柄の売買アドバイスなどがご覧いただけます。原則毎月第一木曜夜は、生配信セミナーを開催。
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