東京市場まとめ
1.概況
前日の米国市場では、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が最高値を更新し、その流れを引き継いだ日経平均は263円高の43,907円と続伸して寄付きました。朝方から買いが優勢で推移した日経平均は9時55分には541円高の44,185円を付け、取引時間中の最高値を付けました。その後は利益確定の売りが出て伸び悩み、前場の後半は上げ幅を縮小する展開となった日経平均は88円高の43,732円で前引けとなりました。
後場も上値は重く、序盤は前場終値近辺で一進一退の推移となりました。中ごろにはドル円が円高に振れていることなどから下げに転じ、後半は43,500円近辺での推移となり、最終的には184円安の43,459円で大引けとなりました。
新興市場では東証グロース250指数が4日ぶりに反落、0.4%安で取引を終えました。
2.個別銘柄等
アドバンテスト(6857)は一時8.4%高の12,945円を付け株式分割考慮後の上場来高値を更新しました。前日のナスダック総合株価指数は最高値を更新するなど、米ハイテク株高の流れを受けた買いが集まりました。
電子部品のTDK(6762)は4.1%安の1,995円をつけ4日ぶりに反落となりました。米アップル[AAPL]が新型iPhoneを発表すると見込まれる米国時間9日を前に、関連銘柄である同社に期待先行の買いが入り、寄付きでは1.2%高の2,105.5円を付け年初来高値を更新するも、高値警戒感から次第に売りが優勢となりました。
武田薬品工業(4502)は3.0%安の4,513円をつけ4日ぶりに反落となりました。8日、開発する睡眠障害の治療薬候補「TAK-861」の治験結果を学会で報告し、同結果について改めて有効性や安全性を示すも、結果の概要は織り込み済みとの受け止めに加え、株価は前日に年初来高値である4,670円を付けていたこともあり、利益確定目的の売りが出ました。
コンクリートの補修などを手掛けるショーボンドホールディングス(1414)は2.7%安の5,005円をつけ続落となりました。国内証券は8日付の投資家向けリポートで、同社の投資判断を3段階評価で最上位の「Buy」から真ん中の「Neutral」に、目標株価は前回の7,040円から5,290円に引き下げたことが売り材料となりました。
バドミントンやテニス用品を中心としたスポーツ用品のヨネックス(7906)は1.9%高の4,085円をつけ3日続伸となりました。国内証券が8日付で同社の目標株価を従来の3,000円から足元の株価水準を上回る4,600円に引き上げ、株価の先行きに強気な見方が広がったとの受け止めから買いが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は前場に取引時間中の最高値を更新するも、高値では利益確定の売りが出る展開となりました。明日の材料には、米国時間9日に発表される米雇用統計の年次改定があげられます。
年次改定が下方修正され、労働市場の弱さが浮き彫りとなった際には、来週のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げ幅が0.5%となる可能性が考えられるでしょう。またTDK(6762)の株価材料となったアップル[AAPL]の製品イベントも開催される予定です。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
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