「勝者のゲーム」と資産運用入門

地政学リスクによる急落から底入れを探る兆し。
過去の経験則から今後の株価を読み解く太田忠の勝者のポートフォリオ 第232回

2026年3月17日公開
太田 忠
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米国とイスラエルによるイラン攻撃で市場は急落。株価はどうなる?

 前回のコラムでは『米国・イスラエルがイランを攻撃、地政学リスクで今後の株価はどうなる?』と題して解説した。マーケットは日々目まぐるしく動いているが、ちょうど1週間(※本稿執筆時点)が経ち、今回はさらに一歩進めて「今後の株価を読み解く」というテーマでお話したい。

 2月28日(土)に始まった米国とイスラエルによるイランへの攻撃。イランの最高指導者であるハメネイ師が殺害されたことでイラン側は報復。エネルギー輸送の要所であるホルムズ海峡を封鎖した。今回のイラン攻撃の目的は単に独裁政権を潰すことだけにあるのではない。それはイランに対する中国の影響力を完全に断ち切り、中国の無謀な野望を叩きのめす強い意図がある。イランと中国は2021年3月、25年間にも及ぶ経済・軍事両面の戦略協定を結んだ。中国はイランの産業エネルギー・プロジェクトなどに1000億ドル以上もの巨額投資をおこなう一方、イランから安価な石油の提供を受けている。全く同じ構図がベネズエラと中国との間であったのはご存じの通りである。

 米国はマドゥロ政権を崩壊させて中国とベネズエラとの関係をズタズタにし、次はハメネイ政権も崩壊させて中国とイランとの関係もズタズタにした。中国の狙いはこうだ。米国の制裁対象のベネズエラやイランと手を組むことで彼らとは人民元でやり取りし、人民元を広めると同時に安価な原油の調達をすること。だが、トランプ大統領は中国への原油供給の20%を占めるルートを寸断し、中国製品を売りつける貿易国も叩きのめした。

日経平均は9日に一時5万1407万円まで急落。恐怖指数も66.65まで上昇

 この有事にマーケットはすぐさま反応した。週明け月曜日の日経平均株価は一時1565円安の5万7285円をつけたものの、海外短期筋の断続的な先物買いで下げ渋り793円安の5万8057円。かろうじて5万8000円台を維持したが、ハメネイ師亡き後もイランへの攻撃が続き、中東情勢長期化を懸念した売りが出て3月3日(火)は1778円安、そして翌日4日(水)は2033円安と急落した。一時は2661円安の5万3618円まで売られてマーケットの恐怖度合いを測る日経平均VI指数は64.21とトランプ関税ショック時と同水準にまで上昇した。

 ここまでが前回コラムまでの経緯だ。その後、5日(木)1032円高、6日(金)342円高の5万5620円で地政学リスク発生から5営業日目の取引を終えた。だが、9日(月)は2892円安と急落。一時は4213円安の5万1407円まで売られVI指数は66.65まで跳ね上がった。そして翌日10日(火)1519円高、11日(水)は776円高の5万5025円にまで戻っている。とりわけ今回の急落局面では原油価格が大きく影響している。開戦前のWTI原油先物価格は1バレル70ドルの水準にあったが、9日(月)には119ドルまで急騰。トランプ大統領が「イランへの攻撃は早期に終結するだろう」と言及すると76ドルまで急落する投機的な値動きが続いている。

地政学リスクが起きた後の株価動向を3つのポイントに整理

 過去において株式市場は何度も地政学リスクを経験してきた。古くは1929年の暗黒の木曜日、忘れられない2011年の9.11同時多発テロ、そして4年前のウクライナ侵攻。10を超える大きなイベントリスクを経験してきたわけだが、株式市場において地政学リスクが起きた後の株価動向を整理すると次のようになる。

① 有事発生から底値までの期間は短い
・15日程度で底値を付ける習性がある
・株価低迷は長期化しない
② 株価の下落も限定的
・株価の下落率は1ケタ、大きくても15%程度
③ 株価の回復も早い
・ほぼ3カ月以内に元の水準を回復することが多い

3つのポイントに従い、イラン攻撃後の急落から株価の戻りを探る

 このポイントを知っていれば、「地政学リスクが起きた時にどうしたらいいのか?」という疑問はなくなり、過去の経験値を実践に生かせる投資スキルとなる。私がいつも口にする「賢者は歴史に学ぶ」という観点で備えがあれば、地政学リスクが起きた時に「慌てたり」「おどおどしたり」「方向を見失ったり」しない投資家でいられる。では、経験値に従って今回の地政学リスクにおいて①②③を検証してみよう。

① 有事発生から底値までの期間
・15日で底値を付けるなら→3月23日(月)までに株価は底入れする
② 株価の下落も限定的
・大きくても15%の下落→50022円(2月27日終値58850円から15%下落)
③ 株価の回復も早い
・3か月後に元の水準を回復→6月1日(月)には58850円を回復

二番底を探っても日経平均の下値は5万円ぐらいと認識しておこう

 上記のようなシナリオが描ける。この原稿を書いているのが3月13日の午前9時。すなわち、営業日ベースで10日目にあたる。この間の安値は3月9日(月)の瞬間風速で付けた5万1407円で下落率は12.6%だ。これが底値かどうかはまだ断定できないが、さらに底値を探っても「5万円ちょうどのレベル」と認識しておけばよい。

 最後に前回の地政学リスクである2022年のロシアによるウクライナ侵攻を振り返ってみよう。

① 有事発生から底値までの期間
・2月24日(木)発生→3月9日(月)に底値を付けて10日間
② 株価の下落も限定的
・2月23日(水)2万6449円→3月9日(月)2万4717円で6.5%の下落率
③ 株価の回復も早い
・3月17日(月)に2万6652円、開戦前の水準を16日目で回復

 あれから4年が経過。いまだ停戦がなされていないのは残念だが、ロシアによるウクライナ侵攻による地政学リスクの株価への影響は軽微だったことがわかる。次回も引き続きイラン情勢についてレポートしてみたい。

勝者のポートフォリオは2月末時点で設定来+185%と月間最高値を更新

 さて、太田忠投資評価研究所とダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(DFR)がコラボレーションして投資助言を行う「勝者のポートフォリオ」は年初からロケットスタートが続いている。まさに私が年初に申し上げた「午尻上がり」だ。2月末時点の年初来パフォーマンスは+19.8%で終了し、TOPIX+15.5%、日経平均+16.9%、グロース+15.2%をアウトパフォーム。累計パフォーマンスは+185.0%となり月間最高値を更新した。当面の目標であった+150%を1月に達成し、次のターゲットは+200%の早期達成である。我々は圧倒的な勝ち組投資家であり、今後もマーケットに勝ち続ける采配をしていく。

「勝者のポートフォリオ」の設定来パフォーマンスの推移と主要指数との比較

 私が運用する「勝者のポートフォリオ」連動型個人ファンドも7億351万円(昨年来+3億5328万円、+101%)となり、年初来でもすでに1億5187万円増(+28%)という凄まじさだ。目標の自由億(10億円)はすでに射程圏内にある。本格的な金融相場を楽しみつつ、資産運用に全力で取り組んでいきたい。

Webセミナーは3月18日20時開催。地政学リスクへの対処法を徹底解説

 「勝者のポートフォリオ」は日本株を中心とした個人投資家向けの投資助言サービスであり、毎週のマーケット解説・投資戦略のメルマガ配信に加え、毎月恒例のWebセミナー開催とスキルアップを目的とするスペシャル講義を提供している。

 次回のWebセミナー開催は3月18日(水)20時より開催。テーマは『中東情勢緊迫化でマーケット急落、地政学リスクにどう対処すべきか?』を予定している。株式市場は上昇しているのに資産運用がうまくいっていない個人投資家が多いとの印象を受ける。「どうすれば資産運用がうまくいくのか」を知りたい方々は奮ってご参加願いたい。10日間の無料お試し期間を使えば誰でも参加が可能だ。投資のヒントが満載である。

 また、スペシャル講義は投資スキルを身につける場として62本もの講義動画をリリースしている。個人投資家に必須のリスク管理、運用力を上げるためのマーケットサイクル投資法、恐怖指数の活用、システマティックリスクの対処法、ヘッジファンドの実態などを詳しく解説。ぜひとも参考にしていただきたい。

●太田 忠 DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもDFRへのレポート提供による「勝者のポートフォリオ」メルマガ配信などで活躍。

 

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