「勝者のゲーム」と資産運用入門

日経平均は6万円突破で史上最速の大台替わり。
一方で年初来安値銘柄は急増中太田忠の勝者のポートフォリオ 第239回

2026年5月5日公開
太田 忠
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4月27日、日経平均株価は初の6万円を達成!

 中東情勢の緊迫が継続する中、期待先行で日経平均株価は初の6万円を達成―。

 4月27日(月)の東京市場。日経平均は861円高となり終値で6万537円と初の6万円台に乗せて取引を終えた。4月24日(金)のNY市場では半導体やAI関連が買われてSOX指数は18連騰と連日で最高値を更新。ナスダックとS&P500も最高値を更新した。個別ではインテルが好決算で23%高と急伸、エヌビディアも半年ぶりの高値となり時価総額は5兆ドルを回復した。週明けの東京市場はこうした流れを受けたわけだが、「イランが米国にホルムズ海峡開放と戦闘終結の合意に向けての新たな提案を提示」と報じられたことで海外短期筋による先物主導買いで一時は1187円高となる急騰ぶり。アドバンテスト(6857)、東京エレクトロン(8035)、フジクラ(5803)といった日経平均への影響度の高い銘柄が上昇に寄与しただけでなく、好決算のファナック(6954)とキーエンス(6861)がストップ高。非常に象徴的な動きとなった。

 もちろんまだ中東情勢による地政学リスクが解決したわけではない。米国、イランの双方が停戦交渉の主導権を取ろうと連日発信するコメントや声明はコロコロ変わり、株も債券も原油も金も売り買いが交錯。目先の儲けに特化した短期投資家たちによる宴が繰り広げられている。日中のボラティリティの高さをみればその様子が垣間見える。しかしながら、今回の地政学リスクにおける株式市場での終焉はすでに4月16日(木)にて決着した。

3月23日の場中に安値5万686円をつけた後、セオリー通りの展開で回復

 最近の一連のコラムで私が述べてきたように、中東情勢を巡る日経平均の底値は3月23日(月)のザラバ中の安値5万686円で確定。2月28日(土)に起きた米国とイスラエルによるイランへの攻撃からちょうど15営業日目だった。下落幅は8164円、下落率13.9%。そして、4月16日(木)に5万9518円まで上昇し、有事前の2月27日(金)の5万8850円の水準を回復しつつ過去最高値を大きく更新。わずか1ヶ月半の出来事だった。地政学リスクの株価形成パターンにおける3つのポイント、①有事発生から底値までの期間は15日程度、②株価下落率は大きくても15%、③株価の回復は3か月以内に元の水準を回復、を全て満たすセオリー通りの展開となった。

 メディアによる報道は「まだ中東情勢が解決していないのに株価だけが先行」「期待だけで日経平均6万円は危険」というニュアンスが多かったが、株式市場は常に期待先行で動いていくのが普通だ。期待に常に遅れて事実が伴う。これはポジティブな現象もネガティブな現象も同じであり、株式市場の方が先行して「事実」を映し出す。したがって、事実の進行と同じペースで行動していたら株式市場ではあっという間に「負け組投資家」に転落する。「売り」も「買い」もワンテンポ、ツーテンポ遅れでは惨めな結果しかない。

半導体やAI関連銘柄への集中投資が継続し、NT倍率は過去最高を更新

 前回のコラムでは『FOMO!FOMO!FOMO!株式市場で一体何が? ついにNT倍率は過去最高を記録』と題して株式市場の現状を解説した。半導体やAI関連銘柄への一極集中の投資行動が異常なNT倍率を生み出している。NT倍率とは、日経平均(N)を東証株価指数のTOPIX(T)で割った数値である。4月21日(火)に15.74倍とこれまでの最高である2025年10月31日(金)の15.73倍を上回り、4月23日(木)には一時16.00倍とさらに拡大。そして4月27日(月)には一気に16.21倍まで上昇して過去最高値を更新。日経平均における構成比率の上位がアドバンテスト(6857)、東京エレクトロン(8035)、SBG(9984)など半導体関連が占める一方、TOPIXの上位は自動車、銀行、商社などの企業群が並ぶ。

 「半導体株を持っていないと指数に勝てない」との焦り、すなわちFOMO(Fear of Missing Out:マーケットに取り残される恐怖)がファンドマネジャーたちの間で起こっており、慌てて買いに走っている。短期の個人投資家ももちろん、目先の利益確保のためにこうした企業への投資に躍起だ。それがNT倍率16.21倍という状況を生み出している。日経平均がわずか半年という史上最速の期間で5万円から6万円へ大台替わりをして最高値を付ける中、実は一方で年初来安値銘柄が続出しているのだ。

日経平均は急騰も、4月に年初来安値を更新した銘柄は多数

 3月の暴落相場vs4月の急騰相場、どちらの方が年初来安値銘柄は多いか?

 通常なら暴落相場だ。3月のプライム市場における1日平均の年初来安値は22銘柄。一番多いのが3月23日(月)の87銘柄だった。それに対して、4月の1日平均の年初来安値は64銘柄。一番多いのが4月23日(木)の252銘柄である。この日から4月27日(月)までの3日間と4月30日(木)の4日にわたって200銘柄以上が新安値を更新した。

 象徴的なのが時価総額トップのトヨタ自動車(7203)だ。トヨタは昨年4月に導入されたトランプ関税の影響で2026年3月期の営業利益を1Q時点で期初予想3.80兆円(前期比-20.8%)から3.20兆円(同-33.3%)へ下方修正する厳しい数字を出していたが、2Qで3.40兆円(同-29.0%)、3Qで3.80兆円に上方修正。株価は昨年4月に2226.5円という直近安値の状況から今年2月には4000円まで上昇するという回復ぶりを見せた。だが、4月に入って急落し30日(木)には3023円まで下落して終えた。

株価上昇の恩恵を受けていない有望銘柄も中長期で見れば心配無用

 今のマーケットでは一番大事なのが「値動き」だ。下がる株はもちろん売る、そして上がらない株も売る。買うのは上がる人気株だ。4月のパフォーマンスを見るとTOPIXが+6.6%に対して日経平均は+16.1%と2.4倍の格差。年初来ではTOPIが+9.3%に対して日経平均は+17.8%とほぼダブルスコアの格差となっている。これがすなわちNT倍率の上昇をもたらしている。昨年末のNT倍率は14.77倍、今や16.21倍である。

 「日経平均は大きく上がっているのに、自分の運用資産は増えていない」
「日経平均が上がっている日に限って、自分の持っている株は下がっている」

 こうした悩みはあくまでも短期のこと。目先の株価の動きに神経質になり過ぎると間違った投資行動をとりやすく、良い結果は得られない。留意していただきたい。

助言銘柄の4月30日の累計成績は+171.5%。2月の最高値をうかがう展開

 さて、太田忠投資評価研究所とダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(DFR)がコラボレーションして投資助言を行う「勝者のポートフォリオ」。2021年10月にサービスを開始して以来5年目に突入し、2026年4月30日時点の累計パフォーマンスは+171.5%。3月はマーケット全体の下落の影響を受けたが4月は大きく反発。2月に記録した最高値+186.1%を再びうかがう展開となってきた。1昨年来+112.4%、昨年来+60.8%といずれの期間でもマーケットを圧倒している。私が運用する「勝者のポートフォリオ」連動型個人ファンドも6億5764万円(昨年来+3億741万円、+88%)となり、年初来でもすでに1億600万円増(+19%)という凄まじさだ。「高市政権下で日経平均は7万円を達成する」というのが私の見方だが、目標の自由億(10億円)はすでに射程圏内に入ってきた。

「勝者のポートフォリオ」の設定来パフォーマンスの推移と主要指数との比較

 「勝者のポートフォリオ」は日本株を中心とした個人投資家向けの投資助言サービスであり、毎週のマーケット解説・投資戦略のメルマガ配信に加えて、毎月恒例のWebセミナーの開催とスキルアップを目的とするスペシャル講義を提供している。

次回のWebセミナーは5月20日に開催。今年後半の運用戦略を解説

 4月15日(水)20時より開催したWebセミナーのテーマは『3月は歴史的急落、中東情勢を巡る投機的動きに惑わされるな』。今年に入って上下の激しい株式市場で資産運用がうまくいっていない個人投資家が多いとの印象を受ける。「どうすれば資産運用がうまくいくのか」を知りたい方々にもたくさんご参加いただいた。4月のセミナー動画は会員ページのアーカイブに公開済みである。

 次回のWebセミナー開催は5月20日(水)20時から行う。テーマは決まり次第、皆さまにお知らせしたい。10日間の無料お試し期間を使えば誰でも参加可能だ。毎回参加者は300名近くのビッグイベントとなっており、奮ってご参加願いたい。

 スペシャル講義は投資スキルを身につける場として62本もの講義動画をリリースしている。個人投資家にとって必須のリスク管理、運用力を上げるためのマーケットサイクル投資法、恐怖指数の活用、システマティックリスクの対処法、ヘッジファンドの実態などを詳しく解説している。ぜひとも参考にしていただきたい。

●太田 忠 DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもDFRへのレポート提供による「勝者のポートフォリオ」メルマガ配信などで活躍。

 

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