中東情勢の緊迫化でマーケットは急落。その時、投資家はどう対応した?
これは職場の同僚の話―。
久々のシステマティックリスクで日経平均株価の大幅下落により、NISA(少額投資非課税制度)で購入した銀行株を狼狽売り。さらなる下落を予想し日経ダブルインバースを購入するも、翌日には日経平均が大幅上昇して損切り。「もう負けてばっかり(泣)」と嘆いていました。太田先生のおっしゃる通り、地政学リスクが起こった時に「慌てたり」「おどおどしたり」「方向を見失ったり」しない投資家が真の勝ち組投資家であると同僚の滅茶苦茶な投資行動を見て改めて実感しました。
「勝者のポートフォリオ」の会員から寄せられたメッセージである。突然の株価急落でパニックになって感情に流されてドツボにはまる投資家の姿がよく伝わってくる。これとは対照的に、今回のイラン情勢緊迫化による株価暴落で「勝ち組投資家はこう動いた」事例を同じく別の会員からのメッセージでご紹介しよう。
狼狽売りした負け組投資家に対し、勝ち組投資家がとった投資行動とは?
久しぶりのシステマティックリスクがきましたね。私は本日(3月9日)、1回目の買い増しを実行。温存していたキャッシュの20%分を買付けました。今週はメジャーSQであることも鑑みて暴落の予兆が出ていた先週から5万2700円を下回ったら1回目の追加買いを入れると決めていました。本日その瞬間がやってきました。令和のブラックマンデー、トランプ関税ショックを経験していたことが生きています。株価が暴落しても仕事はあるし、日常生活は何もかわりません。明日も明後日も普通にやってきます。夜もぐっすり眠れるし、ご飯も美味しいし、朝は気持ちいい。自分のリスク許容範囲内で投資することの重要性が分かります。このメンタル、知識は太田先生の今までの講義のおかげです。感謝しています。次のラインまで下がればさらに買い増します。
「負け組投資家vs勝ち組投資家の違いは一体どこから?」というのが3月18日に開催したWebセミナーのテーマ『中東情勢緊迫化でマーケット急落、地政学リスクにどう対処すべきか?』だった。本コラムでもこのところ地政学リスクを現在進行形で取り上げているが、投資スキルのありなしで投資行動に雲泥の差が出ているとの印象だ。株式市場における地政学リスクはすでに何度も経験してきたことであり、有事発生後にマーケットはどう織り込むか? はパターン化されている。過去の有事イベントを検証した結果を整理すると、次のようになる。
有事発生後の底値や下落幅、戻り期間を理解していれば冷静に対応できる
① 有事発生から底値までの期間は短い
・15日程度で底値を付ける習性がある
② 株価の下落も限定的
・株価の下落率は1ケタ、大きくても15%程度
③ 株価の回復も早い
・ほぼ3カ月以内に元の水準を回復することが多い
これらのポイントを知っていれば、「地政学リスクが起こった時にはどうしたらいいのか?」という疑問はなくなる。過去の経験値を実践に生かせる投資スキルとなる。私がいつも口にしている「賢者は歴史に学ぶ」との観点で備えがあれば、地政学リスクが起こった時に「慌てたり」「おどおどしたり」「方向を見失ったり」しない投資家でいられる。経験則に従って今回の地政学リスクを①②③のポイントで検証すると次のようになる。
① 有事発生から底値までの期間
・15日で底値を付けるなら→3月23日(月)までに株価は底入れする
② 株価の下落も限定的
・大きくても15%の下落→5万0022円(2月27日終値5万8850円から15%下落)
③ 株価の回復も早い
・3か月後に元の水準を回復→6月1日(月)には5万8850円を回復
この原稿を書いているのが地政学リスクの発生から14日目の3月19日(木)。これまでの安値は3月9日(月)に記録した5万1407円である。イラン情勢前の2月27日(金)の5万8850円からは7443円安、下落率は12.6%。これが今回の底値になる可能性が高い、と私は考えている。理由は次の2つだ。
有事発生による日経平均の底値が5万円程度になる可能性が高い理由
1つめが恐怖指数である日経平均VI指数が60以上を記録したこと。コロナショック、令和のブラックマンデー、トランプ関税ショックという2020年以降にわずか3回しか発生しなかった高水準を付けた。もうひとつが3月13日(金)のメジャーSQにて「幻の安値」が出現したことである。3月13日の日経平均の日中安値は9時0分につけた5万3286円。それに対してすべての銘柄が寄り付いた価格を元に算定されるSQ値は5万2909円だ。ザラバ中の取引価格に比べて377円も安い「幻の安値」。地政学リスク回避が極まった瞬間であり、売りが一巡した瞬間でもある。
地政学リスク発生前の水準を回復するのは3ヶ月以内という経験則でいけば6月1日(月)には5万8850円を上回ることになる。もちろんシナリオ通りにならない可能性もあるが、ホルムズ海峡問題が解消すれば原油価格が落ち着き株式市場も平常に戻る。「チャンスはピンチの顔をしてやって来る」というのも私の口癖だが「今回のピンチでは、ピンチになった投資家とチャンスになった投資家がくっきり分かれたなぁ」というのが私の感想である。いろいろな経験値が総合的に試された相場展開であると思う。
今回の地政学リスク発生後、皆さんはどう動いただろうか?
次回セミナーは4月15日開催。地政学リスク後の投資戦略を徹底解説!
さて、太田忠投資評価研究所とダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(DFR)がコラボレーションして投資助言を行う「勝者のポートフォリオ」は日本株を中心とした個人投資家向けの投資助言サービスであり、毎週のマーケット解説・投資戦略のメルマガ配信に加え、毎月恒例のWebセミナーの開催とスキルアップを目的とするスペシャル講義を提供している。
次回のWebセミナー開催は4月15日(水)20時より開催。テーマは未定だが決まり次第、皆さまにお伝えしたい。毎回300名近くの参加者で盛況である。今年に入って株式市場は上昇しているのに資産運用がうまくいっていない個人投資家が多いとの印象を受ける。「どうすれば資産運用がうまくいくのか」を知りたい方々は奮ってご参加願いたい。10日間の無料お試し期間を使えば誰でも参加が可能。投資のヒントが満載である。
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●太田 忠 DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもDFRへのレポート提供による「勝者のポートフォリオ」メルマガ配信などで活躍。
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