中東情勢激化で乱高下する株価。短期トレーダーの投げ売りが散見
48時間以内にホルムズ海峡を開放しなければ、イランの発電所を攻撃する―。
日本時間の3月22日(日)午前8時45分。米トランプ大統領が自身のSNSに投稿した。イラン側は「もし攻撃されればホルムズ海峡を完全に封鎖する」と応酬。不透明感極まる状態で3月23日(月)の東京市場が始まった。日経平均株価は904円安の5万2468円で寄付き、急速に下げ足を早めながら10時1分には2686円安の5万686円まで売られた。日経平均VIは53.61まで急騰。その後は徐々に下げ幅を縮小し、終値は5万1515円まで戻した。
一直線の下げは海外短期筋による先物主導の売りが演出したが、これまで耐えてきた短期トレードの個人投資家たちも投げ売り状態となった。個別銘柄で人気の高いソフトバンクグループ(SBG、9984)や東洋エンジニアリング(6330)が10%を超える下げとなり、信用買いの投資家たちは追証やロスカットに伴う売りに迫られた。私が言うところの「追証祭り&ロスカット祭り」で白旗を上げて降参した個人投資家がたくさん出た日となった。
過去の有事を検証し、地政学リスクに対処することは賢明な投資家への道
このところ中東情勢に絡む地政学リスクをテーマにコラムを書いている。現在進行形で進展するマーケット解説はなかなかスリリングだ。投資家としては、このようなネガティブ・イベントを単に「怖い」とか、「苦痛だ」といった精神状態で打ちひしがれていてはいけない。ここから何かを読み取り、適切な投資行動をし、将来につなげていく前向きな取り組みが必要である。前回のコラムでは『地政学リスクであなたはどう動いた?負け組投資家vs勝ち組投資家の大きな違いとは』と題して大事なポイントを解説した。株式市場における地政学リスクはすでに何度も経験してきたことであり、イベント発生後にマーケットがそれをどう織り込むかはパターン化されている。過去の有事を検証した結果を整理すると、次のようになる。
① 有事発生から底値までの期間は短い
・15日程度で底値を付ける習性がある
② 株価の下落も限定的
・株価の下落率は1ケタ、大きくても15%程度
③ 株価の回復も早い
・ほぼ3カ月以内に元の水準を回復することが多い
過去のパターンからすると底値は日経平均5万円前後の可能性が高い
上記のポイントを理解していれば、「地政学リスクが起きた時にどうしたらいいのか?」という疑問はなくなる。過去の経験値を実践に生かせる投資スキルとなる。私がいつも口にしている「賢者は歴史に学ぶ」という観点で備えがあれば、地政学リスクが起きた時に「慌てたり」「おどおどしたり」「方向を見失ったり」しない投資家でいられる。経験値に従って今回の地政学リスクを①②③で検証すると次のようになると指摘した。
① 有事発生から底値までの期間
・15日で底値を付けるなら→3月23日(月)までに株価は底入れする
② 株価の下落も限定的
・大きくても15%の下落→50022円(2月27日終値5万8850円から15%下落)
③ 株価の回復も早い
・3か月後に元の水準を回復→6月1日(月)には5万8850円を回復
「3月23日(月)が有事発生からちょうど15日目に該当」「2686円安となった5万686円が今回の底値になる可能性が高い」というシナリオを即座に思い浮かべなければならない。これが暴落の最中で大事な投資スキルである。
トランプのTACO発言に翻弄される相場。早期の事態収束に期待
「48時間以内にホルムズ海峡を開放しなければ、イランの発電所を攻撃する」のタイムリミットは3月24日(火)午前8時45分。だが、23日の夕方にトランプ大統領が「イランの発電所への攻撃を5日間延期する」と投稿。お得意のTACO(Trump Always Chickens Out:トランプはいつも腰抜けだ)が出て、夜間取引で日経先物価格は5万4000円ちょうどを付ける急騰ぶりを見せつけた。まさにトランプ発言に振り回される相場だ。
さらに事態は進展。「米国がイランに対して15項目の和平計画を送付」「イランと1カ月の停戦を探っている」との報道がなされた。米国の15項目の停戦案の中には「既存の核能力の解体」「核兵器を追求しない確約」「濃縮物質の国際原子力機関への引き渡し」「ホルムズ海峡の開放」などが含まれる一方、イラン側の利益として「すべての制裁の解除」「イラン南部ブシェールの原子力発電所プロジェクトの支援」を掲げている。一方、イランは停戦に向けて5つの条件を出した。「侵略と暗殺の完全な停止」「戦闘再発防止の仕組みの確立」「賠償金の支払い」「親イラン組織を含めた地域全体での戦闘の終了」「ホルムズ海峡におけるイランの主権を認めること」。
ホルムズ海峡問題が解消し原油価格が落ち着けば、株式市場も平時に戻る
停戦交渉はパキスタンが仲介するようだ。パキスタンのシャリフ首相は24日にSNS「X」で停戦交渉の「ホストとなる準備ができており、光栄に思う」と投稿。早ければ26日にも交渉が始まる模様である。この原稿を書いているのがちょうど3月26日(木)正午。今後の事態の収束に向けて話し合いが進むことを期待したい。
地政学リスク発生前の水準を回復するのは3カ月以内という経験則でいけば6月1日(月)には2月27日(金)の終値5万8850円を上回っていることになる。5万8850円は終値ベースでの最高値だ。今回の地政学リスクを引き起こしている最大の焦点、ホルムズ海峡問題が解消すれば原油価格が落ち着き株式市場も平常に戻る。それに向けて動き出したのが現在の状況だ。引き続き注意深く見守っていきたい。
地政学リスクの対処法を体系的に学びたい方はセミナー録画動画を見よう
さて、太田忠投資評価研究所とダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(DFR)がコラボレーションして投資助言を行う「勝者のポートフォリオ」は日本株を中心とした個人投資家向けの投資助言サービスであり、毎週のマーケット解説・投資戦略のメルマガ配信に加え、毎月恒例のWebセミナーの開催とスキルアップを目的とするスペシャル講義を提供している。
3月18日(水)開催のWebセミナーでは『中東情勢緊迫化でマーケット急落、地政学リスクにどう対処すべきか?』を取り上げた。すでにセミナーの録画動画は会員ページに公開。とても分かりやすく解説したため好評である。次回は4月15日(水)20時より開催する。テーマは未定だが決まり次第、皆さまにお伝えしたい。毎回300名近くの参加者で盛況である。株式市場は好調なのに資産運用がうまくいっていない個人投資家が多いとの印象を受ける。「どうすれば資産運用がうまくいくのか」を知りたい方々は奮ってご参加願いたい。10日間の無料お試し期間を使えば誰でも参加が可能。投資のヒントが満載である。
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●太田 忠 DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもDFRへのレポート提供による「勝者のポートフォリオ」メルマガ配信などで活躍。
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