3月の日経平均株価は7786円安。下落率はリーマンショック並みの衝撃
日経平均株価は7786円安、下落率は13.2%とリーマンショック並みに―。
3月の株式市場は急落で終わった。日経平均の月間パフォーマンスは7786円安、下落率は13.2%という惨憺たる結果である。下落値幅はもちろん過去最大、下落率の13.2%は2008年9月に記録した13.9%にほぼ匹敵する。この時の下落幅は1813円だった。そして翌月の10月に23.8%安の2683円を記録。私みたいに1980年代終わりから株式市場にいるプレーヤーならば、リーマンショックの激震は忘れられない。月間1813円安、月間2683円安という数字は胸に突き刺さる衝撃だった。が、今や時代は変わって月間7786円安。隔世の感がある。それだけ日本企業と株式市場が成長してきたことの裏返しだ。
2026年3月の歴史的急落は中東情勢緊迫化という地政学リスクがもたらしたものだ。少し遡れば2025年4月のトランプ関税ショック、2024年8月の令和のブラックマンデーという急落局面があったが、月間パフォーマンスで見れば前者が1.2%の上昇、後者が1.2%の下落であり急落を感じさせない数字である。これは月末までに急速に底入れしたためだ。トランプ関税ショックでは一時12.6%の下落、令和のブラックマンデーでは19.5%の下落と大きく急落した。今回の地政学リスクは月初から月末にかけてほぼ一直線で下落しての着地となった。中東情勢を巡る不透明要素が解消されず底入れ感は見られない。
終戦期待で反発するも、トランプ演説で失望売りが広がるなど乱高下続く
ところが、4月1日(水)の日経平均は2675円高と株価は急反発した。しかも「寄付き安値、高値引け」という力強い上昇となった。過去4番目の上げ幅だ。トランプ大統領が「ホルムズ海峡を閉鎖させたままでも戦争を終結させる用意がある」「イランでの軍事作戦は2~3週間以内に終わる」との態度を示し、イスラエルのネタニヤフ首相も戦果をアピール。一方、イランのペゼシュキアン大統領が「米国・イスラエルが侵略を再開しないといった条件が満たされれば、戦闘を終わらせる意思がある」とコメント。各国の前向きな発言が出揃い中東情勢が終結に向けて動き出したと捉えられた。しかも「トランプ大統領が米国民に向けて演説をする」とアナウンスされたため期待はさらに高まった。日経平均VI指数は前日の48.09という高水準から一気に26.43まで低下。苦しめられた3月がウソのようだ。4月はまさに「ロケットスタート」で始まった。
しかしながら、我々の期待を裏切られることになる。4月2日(木)の東京市場。寄り付き直後の日経平均は519円高の5万4258円まで買われていたが、午前10時から始まったトランプ大統領の演説で空気は一変。失望売りが広がり、1466円安の5万2273円まで下落した。「2~3週間はイランを激しく攻撃する」「彼らにふさわしい石器時代に戻す」と発言したため、再び中東情勢の長期化を懸念するムードに包まれた。その後、イランとオマーンがホルムズ海峡を巡る協定案を策定しているとの報道が流れて期待感を持たされている状況だ。中東情勢に目まぐるしくマーケットが振り回されている。しばらくはこうした展開が続くと見られる。
中東情勢を利用し投機的売買を繰り返すヘッジファンドに惑わされるな
中東情勢を利用してマーケットを振り回しているのは誰か? 海外の短期筋たち、すなわちヘッジファンドである。私が「うぜぇ★やつら」と言っている連中だ。最も分かりやすい事例が月曜日の株価動向である。週末に「ごたごたイベント」が起こると真っ先にマーケットが始まる東京市場は大きな影響を受ける。世界中の投機家たちが日経先物を売買して投機的動きが起こる。3月初めに始まった中東の地政学リスクという「格好のイベント」を利用した「うぜぇ★やつら」の動きを見ると、月曜日の日経平均は3月2日が793円安、9日が2892円安、16日が68円安、23日が1857円安、30日が1487円安。3月16日を除いてリスク回避の行動が顕著だ。もちろん、原油先物市場でも「うぜぇ★やつら」は株式市場以上に大暴れしており、地政学リスクをネタに大儲けしようとハッスルしている。
このところ中東情勢に絡む地政学リスクをテーマにコラムを書いている。現在進行形で進展するマーケット解説はなかなかスリリングだ。投資家としては、このようなネガティブ・イベントを単に「怖い」とか、「苦痛だ」といった精神状態で打ちひしがれていてはいけない。ここから何かを読み取り、適切な投資行動をし、将来につながる前向きな取り組みが必要だ。株式市場における地政学リスクはすでに何度も経験してきたことであり、イベント発生後にマーケットはどう織り込むかはパターン化されている。過去の有事の検証結果を整理すると、次のようになる。
日経平均の安値は地政学リスクのセオリー通り。6月に最高値回復を期待
① 有事発生から底値までの期間は短い
・15日程度で底値を付ける習性がある
② 株価の下落も限定的
・株価の下落率は1ケタ、大きくても15%程度
③ 株価の回復も早い
・ほぼ3カ月以内に元の水準を回復することが多い
地政学リスクのセオリーを用いて現状を認識すると、今回の日経平均の安値は3月31日(火)に付けた5万558円(有事発生から21日目、下落率14.1%)となるが、その前日に権利落ちが349円発生している。これを考慮すれば5万907円となる。そうすると、3月23日(月)の5万686円(有事発生15日目、下落率13.9%)が実質的な安値となる。有事発生前の2月27日(金)の最高値5万8850円から15%下落した5万22円はいまだに一度も下回っていない。3か月後の6月1日(月)に5万8850円を回復しているというのが現時点でのシナリオになる。引き続き、イラン情勢に注視していきたい。
ファンダメンタルズ的には、原油価格高騰を受けて2027年3月期の業績予想が保守的になる可能性がある。ちょうど1年前に「トランプ関税ショック」で2026年3月期の業績予想が極めて保守的だったことを彷彿とさせられる。この点には留意する必要がある。
4月セミナーに備え、分かりやすいと好評の3月セミナー録画で復習しよう
さて、太田忠投資評価研究所とダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(DFR)がコラボレーションして投資助言を行う「勝者のポートフォリオ」は日本株を中心とした個人投資家向けの投資助言サービスで、毎週のマーケット解説・投資戦略のメルマガ配信に加え、毎月恒例のWebセミナーの開催とスキルアップを目的とするスペシャル講義を提供している。
3月18日(水)開催のWebセミナーでは『中東情勢緊迫化でマーケット急落、地政学リスクにどう対処すべきか?』をテーマに取り上げた。すでにセミナー動画は会員ページで公開。とても分かりやすい解説だと好評である。次回は4月15日(水)20時より開催。テーマは『3月は歴史的急落、中東情勢を巡る投機的動きに惑わされるな』を予定している。毎回300名近くの参加者で盛況である。今年に入って上下動の激しい株式市場で資産運用がうまくいっていない個人投資家が多いとの印象を受ける。「どういうすれば資産運用がうまくいくのか」を知りたい方々は奮ってご参加願いたい。10日間の無料お試し期間を使えば誰でも参加が可能だ。投資のヒントが満載である。
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●太田 忠 DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもDFRへのレポート提供による「勝者のポートフォリオ」メルマガ配信などで活躍。
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