再び戦闘状態には戻らないとの思惑で、米国の主要株式指数は最高値更新
SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)は連日の最高値更新、S&P500とナスダックもついに最高値を記録―。
4月15日(水)の米国市場は実に象徴的な動きを見せた。中東情勢を巡る地政学リスクで一時は「調整局面入り」と揶揄されていた状況から「大いなる復活」を果たした日となったからだ。半導体銘柄を中心に構成されるSOX指数が6日連続での最高値を更新して9239ポイント、機関投資家がベンチマークとして使用しているS&P500指数は1月27日以来の最高値7022を付けて初の7000ポイント乗せ、さらにナスダック指数は11連騰の2万4016ポイントと2025年10月29日以来の最高値を更新した。まだ米国とイランの対立が続き正式な停戦に至っていない中で動き。まさに「株式市場は先読みする」に相応しい出来事だった。
この背景には3つの要因がある。1つ目は「もはや戦闘状態には戻らない」という見方が株式市場に急速に広まったことだ。4月11日(土)から12日(日)にパキスタンの首都イスラマバードで開催された米国とイランによる和平協議。イランの核開発やホルムズ海峡封鎖を巡って20時間超にもおよぶ両国の代表団による話し合いが持たれたが、合意に至らず物別れに終わった。だが、引き続き和平交渉が継続するとの報道により収束に向けた結末に市場の関心は向いている。当初の武力行使には戻らない、との読みだ。
米企業の2026年1~3月期の業績が概ね好調に推移しているのも株高要因
2つ目は「FOMO」である。FOMO(Fear of Missing Out)とは「マーケットに取り残される恐怖」を表す株式用語。中東情勢を受けて「リスク回避してやれやれ」と思っていた投資家たちが、昨今のあまりにも早い株式市場の戻りに焦りを感じ始めて「また買わなきゃ」と投資行動を起こしている。4月第3週にはマーケットトレンド追随型のCTA(商品投資顧問)と呼ばれるヘッジファンドたちが約7兆円もの機械的な買いを入れた、との観測も出ており、焦る心に拍車がかかっている。
そして3つ目は堅調な企業業績だ。2026年1~3月期の決算発表が本格化し始めているが、米国企業の業績は概ね好調であり、先行きの見通しも強含みとなっている。S&P500銘柄を対象にした、今後1年間の利益予想を見ると2025年度と比べて1株当たり利益(EPS)は8%増と拡大基調は崩れていない。一方、株価指数は3%高にとどまっており、バリュエーションが低下したことで投資への安心感がある。
株高の流れは日本市場にも波及し、日経平均株価も最高値を更新
こうした流れは日本市場にも波及している。4月16日(木)の日経平均株価は米国の動きに触発されて急騰し1384円高の5万9518円まで上昇した。2月27日(金)の最高値5万8850円を軽々と上回った。日米市場とも「地政学リスクへの懸念」からいきなりFOMOに変化している。まさにFOMO!FOMO!FOMO!の大合唱だ。
2月28日(土)に起きた米国とイスラエルによるイランへの攻撃。3月の株式市場は急落して日経平均の月間パフォーマンスは7786円安、下落率は13.2%という惨憺たる結果となった。下落値幅はもちろん過去最大、13.2%の下落は2008年9月に記録した13.9%にほぼ匹敵する。2008年9月といえばリーマンショックが起きた時だ。翌月の10月には23.8%安を記録し、世界中が投げ売り状態となり阿鼻叫喚を経験したのは忘れられない。
過去に学ぶ地政学リスク発生後の株価シナリオは今回もドンピシャで正解
今回の地政学リスクが起きた時、私は「過去の地政学リスクの経験値を生かそう」「賢者は歴史に学ぶ」と述べた。株式市場における地政学リスクは過去に何度も経験してきたことであり、イベント発生後にマーケットはどう織り込むかはパターン化されている。過去の検証結果に当てはめて3月2日(月)の東京市場が始まるまでに次の仮説を立てておくのがマーケット参加者には求められていた。
① 有事発生から底値までの期間
・15日程度で底値を付ける習性→3月23日(月)までに株価は底入れする
② 株価の下落も限定的
・大きくても15%の下落→5万22円(2月27日終値5万8850円から15%下落)
③ 株価の回復も早い
・3カ月以内に元の水準を回復→6月1日(月)には5万8850円を回復
要するにこのシナリオに対する結果がズバリ出たのだ。
① 有事発生から底値までの期間
・15日間程度で底値を付ける習性→3月23日(月)に底入れ(ちょうど15日目)
② 株価の下落も限定的
・大きくても15%の下落→5万686円(3月23日安値、13.9%下落)
③ 株価の回復も早い
・3カ月以内に元の水準を回復→4月16日(木)に5万8850円を回復(1カ月半)
今後の懸念シナリオはインフレ加速による中央銀行の利上げ機運の高まり
地政学リスクの底値が確定すると同時に、早々に株価は回復し、過去最高値をつけたマーケット。もちろんこれで万々歳というわけにはいかない。なぜならひとつの難問が待ち受けているからだ。それは中央銀行の金融政策である。欧州中銀ECBのラガルド総裁が昨今のインフレ懸念に触れて「利上げを躊躇せず」と発言。4月29日(水)~30日(木)に金融会合が開催されるが、現在2.00%の政策金利を2.25%へと引き上げる可能性が出ている。この流れを受けて米連邦準備理事会(FRB)もインフレ対策で利上げに走らないか、という点だ。
FRBはご存知の通り、2024年9月から利下げを続けており、株式市場は金融相場入りしている。「今後も利下げ継続」との見方がマーケットのコンセンサスだが、覆されて利上げされたらどうなるのか? 投資家としては考えておくべき課題だ。①何相場になる? ②マーケットはどうなる? ③あなたはどうする?。この3点を皆さんにも考えていただきたいと思う。
中東情勢発生後に狼狽売りした個人投資家はセミナー録画を見て学ぼう
太田忠投資評価研究所とダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(DFR)がコラボレーションして投資助言を行う「勝者のポートフォリオ」は日本株を中心とした個人投資家向けの投資助言サービスである。毎週のマーケット解説・投資戦略のメルマガ配信に加え、毎月恒例のWebセミナーの開催とスキルアップを目的とするスペシャル講義を提供している。
4月15日(水)20時より開催したWebセミナーのテーマは『3月は歴史的急落、中東情勢を巡る投機的動きに惑わされるな』。今年に入って上下の激しい株式市場で資産運用がうまくいっていない個人投資家が多いとの印象を受ける。「どうすれば資産運用がうまくいくのか」を知りたい方々にもたくさんご参加いただいた。すでにセミナーの録画動画を会員ページのアーカイブに公開済みである。
次回のセミナー開催は5月20日開催。年後半の投資戦略構築の参考に
次回のWebセミナー開催は5月20日(水)20時から行う。テーマは決まり次第、皆さまにお知らせしたい。10日間の無料お試し期間を使えば誰でも参加可能だ。毎回参加者は300名近くのビッグイベントとなっており、奮ってご参加願いたい。
また、スペシャル講義は投資スキルを身につける場として62本もの講義動画をリリースしている。個人投資家にとって必須のリスク管理、運用力を上げるためのマーケットサイクル投資法、恐怖指数の活用、システマティックリスクの対処法、ヘッジファンドの実態など詳しく解説している。ぜひとも参考にしていただきたい。
●太田 忠 DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもDFRへのレポート提供による「勝者のポートフォリオ」メルマガ配信などで活躍。
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