今日の注目株&相場見通し

今週は米5月CPI・米オラクル決算/キオクシアはまだ上がる?/日経平均急落【今日の注目株&日本株市場見通し】「デイリーZAi」6月8日号

2026年6月8日公開
ザイ編集部
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◆今日の内容を10秒でチェック!
・日経平均は3日続落で一時3100円安…AI関連株に利益確定売り
・キオクシアは下落も押し目買いも、不二製油・武田薬などに逃避資金
・米5月CPIや米オラクル決算など、注目株は安定感のあるニッスイ

【1】今日の株式相場&話題株 早わかり!
3日続落で一時3100円安…AI関連株に利益確定売り

【今日の相場】

 日経平均株価は大幅に3日続落! 5日の米国市場では主要株価指数が大きく下落、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は-10.30%と急落した。短期的な過熱感がくすぶる中、5月雇用統計の雇用者数の伸びが予想を大きく上回り、連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測が利益確定売りの口実とされた。AI(人工知能)関連株に売りが広がり、週明けの日経平均株価も下落して始まると、一時6万3406.66円(-3181.46円安)まで下げ幅を広げた。取引開始後に下げ渋る動きも見られたが、今晩の米国市場を見極めたいとの思惑もあり、午後には再び売りが優勢となった。イラン・イスラエル間で戦闘が再発したとの報道も投資家心理を悪化させた。一方、保険や食料品、小売などは逃避資金が向かい上昇した。

 さて、今週は波乱の幕開けとなったが、AI関連株に対する強気な見方は依然として多いようだ。中でも何かと話題のキオクシアホールディングスについては、「まだまだ買い」という声が多い一方、「もうピークでは? 」といった声もちらほら。キオクシアはまだ上がるのか(2分18秒頃から)? 今週の注意すべきイベントは何か? 気になるテーマについては、今日のX(旧ツイッター)の音声チャット「スペース」配信を参考にしてほしい。
【※Xスペース配信(6月8日)はコチラから】
https://x.com/ZAiClub/status/2063834404288602133

日経平均】64024.60円↓↓(-2563.52円)
グロース250】748.04↓↓(-17.41)
NYダウ】50866.78ドル↓↓(-695.15ドル、5日)
ナスダック】25709.432↓↓(-1121.526、5日)

■日経平均株価チャート/日足・6カ月

日経平均株価チャート(出典:SBI証券公式サイト)

 

【今日の話題株】

キオクシアホールディングス(285A)
7万1880円(-6260円)
 AI関連株に利益確定売りが広がる中、抜群の株価パフォーマンスを誇ってきたテーマ筆頭格のキオクシアも、さすがに今日は売られた。ただ、今日の株価は値を付けたと同時に下げ渋るなど、押し目買い意欲の強さも窺えた。一方、半導体株の恩恵を最も受けてきた韓国の株価指数KOSPIが、先週末に続き今日も急落するなど荒い動きもみられる。半導体関連では、直近の株価が好調だったシリコンウエハーのSUMCOも-12.84%と急落した。

不二製油(2607)
3935円(+273円)
 先週4日に開かれたアナリスト向け説明会の内容を評価する動きが続いた。大森達司CEO(最高経営責任者)は、2028年3月期の事業利益目標(450億円)に達成の自信を示したほか、CBE(チョコレート用油脂)などの植物性油脂事業の好調を背景に、今期の業績計画は保守的との姿勢を示した。また、AI関連株が売られる中、ディフェンシブ性の高い食料品セクターに資金が向かいやすいといった追い風もあったようだ。

武田薬品工業(4502)
5050円(+124円)
 前期・2026年3月期の最終損益が1523億円の赤字になったと発表した。便秘薬の反トラスト法違反に関する訴訟を巡り、訴訟引当金4025億円を計上したことが背景。ただ、一過性要因であり、会社側も「基本的な成長モメンタムを損なうものではない」と説明。今期の業績・配当予想が据え置かれていることもあり、ネガティブに捉えられず、むしろ、AI関連株からの逃避資金の受け皿として上昇した。

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【2】月曜コーナー「ザイアナリスト仲村幸浩『今週の焦点』」
米5月CPI・米オラクル決算など、注目株は安定感のあるニッスイ

 先週の日経平均株価は+258.62円(+0.39%)。3日には終値で6万8000円台に載せるなど最高値更新トレンドが続いたが、決算で市場の期待を超えられなかった米半導体大手ブロードコムの急落が引き金となり、週末にかけて大きく下落した。

 10日(水)に集中するイベントに注目だ。まず、米国では5月の消費者物価指数(CPI)が発表される。先週末に発表された5月の雇用統計では非農業部門雇用者数が予想を大きく上回った上、3月・4月分も大きく上方修正された。連邦準備理事会(FRB)の次の一手が利下げでなく“利上げ”との懸念が強まる中、CPIも予想を大きく上振れるようだと、金利がさらに上昇し、足元のAI関連株の売りに拍車をかけかねない。

 次に、欧州中央銀行(ECB)の定例理事会。欧州では早くからインフレ懸念を背景に、利上げ観測が高まっていたが、今会合では利上げの決定が予想されている。また、物価見通しは引き上げられる可能性が高い。この先も利上げを躊躇しないといったタカ派的な姿勢が示される場合には、グローバルな金利上昇につながり得るため注意しておきたい。

 最後に、米IT大手オラクルの決算。ソフトバンクグループが主導する次世代AIインフラ計画「スターゲート」に参画しており、AI関連株として注目度が高い。先週は、米ブロードコムが高い期待を超えられずに、決算を契機に株価が急落した。ブロードコムに続くような結果となると、これもAI関連株の売りに拍車をかけかねない。

 その他、AI関連株の増資にも注意しておこう。米アルファベット傘下のグーグルに続き、米メタ・プラットフォームズも増資を発表するなど、大型テック企業で増資の発表が相次いでいる。アルファベットは現金・キャッシュに比較的余裕のある企業で、キャッシュフローを重視する著名投資家ウォーレン・バフェット氏が以前率いていた米バークシャー・ハザウェイが直近買い増したくらいの企業だ。他のテック企業にも同様の動きが広がってくると、AIへの過剰投資懸念が再燃するリスクがある。

 一方、AI産業革命に対する見方が大きく変わったわけではない。株価の重石になっているFRBの利上げ観測も、背景はあくまで好調な雇用であって、景気悪化には程遠い。短期的には資金の逆回転が続いても、中長期では押し目買いの好機となりそうだ。

【仲村の今週の注目銘柄・テーマ】
ニッスイ(1332)
「好業績」「インフレ耐性」「ディフェンシブ」「ハイテクからの逃避資金期待」
1269円(+12円)
 大手水産・食品会社。5月に発表した本決算では、前期・2026年3月期の営業利益が前の期比27.2%増と計画を大きく上回った上、2027年3月期も5.1%増益と過去最高を更新する見通し。実績・計画ともに市場予想を上回った。

 サプライチェーンの川上に当たる水産事業をもち、他の食品会社と異なり、インフレに強いビジネスモデルをもつ。また、水産事業だけでなく、インフレによる各種コストの増加で環境が厳しいはずの食品事業も増益基調を維持するなど、食品業界の中では相対的な強さが際立つ。

 9月1日からは、家庭用冷凍食品の一部・加工食品について、2〜17%値上げを、業務用冷凍食品も一部で2~30%の値上げを行うと発表。今後の採算改善が期待される中、PERなど株価指標の割安感がまだ残っており、堅調な株価推移が予想される。

国内では1~3月期GDP2次速報・5月景気ウォッチャー調査・4~6月期法人企業景気予測調査・神戸物産の決算など、海外では米アップル年次開発者会議・米5月消費者物価指数(CPI)・欧州中央銀行(ECB)定例理事会など、今週の経済スケジュール一覧はこちら!

仲村幸浩
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
立教大学経済学部卒業。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。証券会社や金融情報サービス会社を経て2023年10月より現職。マーケットアナリストとして各種メディアで活動中。

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