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先週末の日経平均株価は歴代5位の下げ幅で大幅下落!
キオクシアもストップ安で6月22日の最高値の半値以下に
7月21日の日経平均株価は、終値で前営業日比2091.07円(3.26%)高の6万6232.19円でした。
日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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まずは、先週末の日本市場の動向から振り返っていきましょう。先週末7月17日の日経平均株価は大幅に続落し、終値は前日比2694.42円(4.03%)安の6万4141.12円でした。1日の下げ幅としては歴代5位で、1週間の下げ幅は4416.61円と過去最大を記録しました。終値は6月11日以来、約1カ月ぶりに6万5000円を割り込み、6月8日につけた6万4024.60円以来の安値水準に沈みました。
7月17日は、AI・半導体関連株のリーディングストック(セクターを牽引する銘柄)であるキオクシアホールディングス(285A)が急落したことも話題となりました。急落のきっかけは、子会社のキオクシアと米国のKioxia Americaに対して米国の衛星通信大手のViasat(ビアサット)が起こしていた特許侵害訴訟について、原告の主張を認める陪審評決が下されたと伝わったことです。
損害賠償金は暫定的に約2億2900万ドル、日本円でおよそ371億円です。キオクシアホールディングスは2027年3月期の第1四半期だけで1兆2980億円の営業利益を予想しており、それと比較すると損害賠償金の371億円は極めて小さな金額ですが、投資家のマインドが悪化していたことで売り圧力が強まり、結局、キオクシアホールディングスは前日比1万円(16.10%)安の5万2110円のストップ安水準で売り気配のまま終えました。
キオクシアホールディングス(285A)チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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キオクシアホールディングスの上場来高値は6月22日につけた11万2700円なので、高値から7月17日の終値(最終気配)を引くと、値幅は6万590円(=11万2700円-5万2110円)、下落率は53.76%です。つまり、あっという間に半値以下になったということです。
それにもかかわらず、直近の信用買い残(7月10日現在)は1312万9000株と高水準で積み上がったままです。レバレッジを効かせて(借金して)キオクシアホールディングスを買っている多くの個人投資家の信用維持率は大幅に低下し、多額の追加証拠金(追い証)が発生していると推察されます。ただし、17日までの急落で、信用買い方の投げ売りも相当量出たはずで、需給はやや改善したとも見ています。
なお、週明け7月21日のキオクシアホールディングスは大幅に反発し、終値で前営業日比8950円(17.18%)高の6万1060円で終えました。
TSMCが好決算を発表したにもかかわらず売られたことが
SOX指数の下落につながり、日経平均株価を押し下げる
7月17日の日経平均採用銘柄を見ていくと、東京エレクトロン(8035)が582.28円、アドバンテスト(6857)が515.30円、ソフトバンクグループ(9984)が432.03円、キオクシアホールディングスが234.65円、イビデン(4062)が115.32円、ファナック(6954)が64.19円、村田製作所(6981)が61.79円、SCREENホールディングス(7735)が60.61円、レーザーテック(6920)が60.07円、TDK(6762)が58.83円、それぞれ日経平均株価を押し下げました。このようにAI・半導体関連株が総崩れとなり、日経平均株価の足を引っ張った形です。
AI・半導体関連株が急落したきっかけは、前日7月16日にフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が大幅に続落し、前日比(4.29%)安の1万1867.50ポイントで取引を終えたことでした。
SOX指数が大幅安となった主な要因は、半導体受託製造のTSMC(TSM、台湾積体電路製造股分有限公司)が好決算を発表したにもかかわらず下落したことに加え、メモリを手掛けるサンディスク(SNDK)やマイクロン・テクノロジー(MU)が売られたことでした。
TSMCに関しては、7月16日発表の2026年4〜6月期決算で売上高と純利益がともに四半期として過去最高を更新し、12月期通期の増収率見通しや設備投資額を引き上げました。また、米国のアリゾナ州の工場に1000億米ドルの追加投資をすることを発表しました。つまり、AI向け先端半導体の好調が確認できる最高の内容と言えます。しかしながら、TSMCの米預託証券(ADR)は、前日比9.74ドル(2.32%)安の409.74ドルと冴えない値動きを見せました。この値動きが失望されました。
サンディスクなどのメモリ関連株の下落については、中国半導体メモリ大手の長鑫科技集団が7月14日、上海証券取引所のハイテク新興企業向け市場「科創板」への新規株式公開(IPO)で最大666億元(約1.6兆円)を調達すると明らかにしたことが悪材料視されました。調達した資金で生産能力を強化することが予想されるため、日米韓のメモリメーカーと中国勢との競争が激化するとの懸念が、あらためて意識されました。
アップルが、商取引を規制する「エンティティー・リスト」に
中国のDRAMメモリメーカーを入れないよう求めていることが話題に
なお、長鑫科技集団の傘下に、長鑫存儲技術(CXMT)という中国最大のDRAMメーカーがあります。米国のアップル(AAPL)は、深刻なメモリ不足と価格の高騰を受け、新たな調達先の確保を迫られていることから、商取引を厳しく制限する米商務省の「エンティティー・リスト」に、この先CXMTを追加しない保証を米国政府に求めていると伝わっています。
「エンティティー・リスト」に掲載された企業に対して物品やソフトウエア、生産・開発に必要な技術を輸出する場合、商務省の許可が必要となりますが、申請は原則却下されるからです。
米国は、中国が先端半導体技術を軍事の近代化やAI兵器や大量破壊兵器の開発、監視技術などに転用するリスクを防ぐために、2022年10月以降、段階的に輸出規制を強化しています。つまり、経済的利益より国家安全と技術優位を優先した地政学的措置です。このため、米国の政府や議会は、アップルのような大手ハイテク企業が中国の軍関連企業と組むことを、そう簡単には許さないと思います。
たしかに、ここ最近、中国のメモリメーカーの資金調達と増産による、メモリ価格の下落が意識されています。しかし、それでも供給スピードは追いつかず、2027年には過去最悪レベルのメモリ不足が発生するとの見方もあります。こうした見方を踏まえると、AIブームが続く限り、消費者向けメモリ価格は高止まりしやすいと見ています。
日本のAI・半導体関連株を激しく上下させていた韓国市場が、
レバレッジETFへの規制など市場安定化に向けた施策を実施
また、日本のAI・半導体関連株を激しく上下させる要因のひとつだった韓国では7月16日、韓国金融当局が市場安定化のための対応策を打ち出しました。
具体的には、レバレッジETFの新規発行の一時的な停止、個人投資家への過剰な宣伝の制限、ETF価格と基準価額の乖離抑制、基本預託金の引き上げ(3000万ウォン〈約330万円〉に設定)、売買数量単位の拡大(最低取引単位を20口に変更)、そして投資家教育プログラムの拡大・義務化などです。
これらの措置によってKOSPI(韓国総合株価指数)のボラティリティが下がることに期待したいものです。
週明けの米国市場は、イランとの対立激化への懸念から
原油価格が上昇し、NYダウ、ナスダックともに下落!
週明け7月20日は、日本市場が海の日の祝日で休場でした。同日のNYダウは、イラン情勢悪化への懸念が強まった結果、3日続落し、終値で前営業日比307.16ドル(0.58%)安の5万1839.26ドルでした。また、ナスダック総合株価指数も3日続落し、終値で同12.17ポイント(0.05%)安の2万5508.07ポイントでした。
NYダウチャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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ナスダック総合株価指数チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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一方、AI・半導体関連株については“見直し買い”が入ったことでSOX指数が反発し、終値で同69.97ポイント(0.60%)高の1万1743.85ポイントとなりました。
7月20日は、米国とイランの戦闘終結に向けた協議の仲介国が、10日間の攻撃停止を提案したとの報道がありました。しかしながら、米国の国防総省は20日、ヨルダンの米空軍基地で17日に発生したイランの攻撃で死亡した米兵2人が、陸軍所属の19歳と25歳の兵士だったと明らかにしました。これを受け、トランプ大統領は20日、自身のSNSに「イランが米兵を殺害するたびに、その代償を何倍にもして支払わせる」と投稿しました。また、イエメンの親イラン武装組織フーシ派は20日、サウジアラビアに対して海上封鎖を発表しました。
これらのことから、市場では米国とイランの対立激化が意識されました。その影響で、米国時間7月20日のWTI原油先物の期近8月物は上昇し、前週末比0.74ドル(0.9%)高の1バレル83.23ドルで取引を終えました。この原油高が米国株の下落要因のひとつとなりました。
原油(WTI原油先物)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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日経平均株価はテクニカル的に短期・中期の調整が継続中で、
下値メドは75日移動平均線、上値メドは25日移動平均線!
現在の日経平均株価については、7月21日の終値が前営業日比2091.07円(3.26%)高の6万6232.19円で、5日移動平均線(21日時点で6万6740.77円)、25日移動平均線(同6万9007.97円)をどちらも下回っています。一方、75日移動平均線(同6万3821.24円)は上回っています。よって、長期の上昇トレンドは継続中ですが、短期・中期では調整が続いていると見ています。
現時点での下値メドは75日移動平均線、上値メドは25日移動平均線です。もし75日移動平均線を終値で割り込むようだと、押しは相当深くなるリスクが高まるでしょう。
今後の投資戦略については、引き続き「日経平均株価が25日移動平均線を上回り、かつ25日移動平均線自体が上向くまでは調整が続く」ことを前提に行動するべきです。
調整中はAI・半導体関連株を避け、メガバンクなどの内需系バリュー株を狙うべきと考えています。そして、無理をせず、資金管理を厳格化して、絶好の押し目買いチャンスをじっくりと待つことをおすすめします。
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