ファイナンシャル・プランナー(FP)の花輪陽子です。
子どもの英語教育に熱心な家庭では、インターナショナルスクール(以下、インター校)への関心も高いでしょう。日本でも、インター校が開催するサマースクールに、子どもを通わせている親御さんが増えているようです。そこで、今回は気になるシンガポールのインター校事情についてお伝えします。
シンガポールは東京23区と同じくらいの国土面積ですが、その中に20校以上のインター校があります。ほとんどの学校からスクールバスが出ているので、多少遠くても通うことができ、選択肢はとても多いです。

シンガポールではさまざまな国の駐在員が生活しているため、米国、オーストラリア、カナダ、インド(最近日本のメディアでも話題になっている、インドのインター校「GIIS(グローバルインディアンインターナショナルスクール)」は、シンガポールにもあります)など、多くの国の学校があります。とはいえ、かつて英国領だったこともあって、英国系インター校が目立ちます。
英国の教育というと、ハリー・ポッターに出てくるような古めかしい校舎で、寄宿制のエリート教育が行われているようなイメージを持つ人もいるかもしれませんね。
実際はどうかというと、シンガポールの英国系インター校の場合、校舎には特別古めかしいイメージはありません。教育内容も、旧態依然としたエリート教育という雰囲気ではなく、のびのびとした雰囲気はありつつも、勉強はしっかりさせる方針のところが大半です。そのため、日本人ママからの人気も高くなっています。中学校くらいからは寮が用意されている学校もあるので、日本から子供だけ留学させることも可能です。
親子ともに英語が苦手なのにシンガポールに移住……
インター校でやっていけるか不安な人はどうする?
さて、数多くあるシンガポールのインター校から、わが子を通わせる学校を絞っていくには、どうすればよいのでしょうか? 基本的には、「その学校に長くいるのか」「一時的に行かせるのか」「親と子供の英語力がどれくらいあるのか」――など、家庭の事情に合わせて絞っていけばよいと思います。
日本から来たばかりで、親子共に英語が苦手という場合、最初は日本人の多い学校を選ぶのが得策かもしれません。インター校同士では、編入も比較的容易なので、後から学校を変えていくこともできるからです。
例えば、日本人も比較的多い「オーバーシーズ・ファミリー・スクール」という学校では、日本語母語プログラムがあります。「カナディアンインターナショナルスクール」「ドーバーコート・インターナショナルスクール」なども、日本人が多めです。多くの学校が英語の補講などを用意しているので、それを活用すると、英語の授業に早期にキャッチアップできる(追いつける)でしょう。
シンガポールで「御三家」と言われる伝統的なインター校は、「UWC SOUTH EAST ASIA」「シンガポールアメリカンスクール(SAS)」「タングリントラストスクール(英国系)」だそうです。
それぞれ歴史があり、欧米の有名大などに進学する卒業生を多数輩出しています。「UWC(ユナイテッド・ワールド・カレッジ)」は日本の軽井沢にも学校ができた(※)ので、名前をご存知の人も多いでしょう。シンガポールでは2つのキャンパスがあり、一番の人気校です。
(※2016年10月31日にインターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢(ISAK)が日本初のUWC加盟校として正式に承認された)
加えて、新しくできた「Dulwich(ダルヴィッチ)」という英国系のインター校も、欧米人に人気があるようです。元々は歴史のある男子校でしたが、シンガポール校は共学です。
日本の一般的な学校と比較してインター校はどう違う?
「個性」を伸ばすインター校の教育を見学してみると……
実際にこの4校(UWCは2つのキャンパスとも)を含めて、多くのシンガポールのインター校の見学に行ってきましたが、日本の教育とは次の3つの点で大きく違うと感じました。
(1)個性を伸ばす教育
学校見学に行って驚いたのは、幼稚園では子どもたちがそれぞれ違うことに打ち込んでいることです。日本でも幼児教育として話題になった、子どもの個性を活かす「レッジョ・エミリア・アプローチ」を取り入れるスクールも多いのですが、そのとき子どもにとって興味があることを、タイミングよく取り組ませてくれるというスタイルです。

アスファルトにチョークで絵を描く子がいれば、三輪車やキックボードに乗って体を動かしている子もいて、日本の一般的な幼稚園よりも圧倒的に「自由」な雰囲気でした。
また、3歳程度の早期から、ヴァイオリンなど本格的な楽器に触れる機会があったり、図書館で英語の読み聞かせがあったりと、多様な体験ができる印象を持ちました。
インター校の小学校では、机の配置さえ日本とまったく違う学校がありました。ただ机が並んでいるのではなく、いくつものブロックが作られていて、そこでグループでPCを共有して調べ物をしていたり、円になってみんなでペーパーバックの朗読をしていたり。とにかく、並んだ机と椅子にみんなが一斉に座って授業を受けている姿をあまり見ませんでした。
1クラスのサイズも、講師1人につき、子ども20人弱のところが多かったです。日本人が少ない学校だと、1クラスに日本人は1人いるかいないかという感じです。生徒は多国籍で、それぞれの両親の国籍も出生地も違うという子どもも多いです。まさにダイバーシティー(多様性)だなと感じました。
(2)一貫した環境を提供

多くのインター校では、2〜4歳くらいから受け入れており、18歳まで一貫して同じ環境で教育を受けることができます。その後は、海外の大学に進学をするのが一般的です。
18歳までは受験もなく、のびのびと好きなスポーツや音楽、アートなどに打ち込むことができます。どの学校も放課後のアクティビティーが充実し、多い学校では数百のアクティビティーから自由に選択できるそうです。夏休みも長く、その間にキャンプや自然体験を提供する学校もたくさんあります。
インター校の学費は日本では考えられないほど高額!
よっぽどお金持ちでなければ倹約生活の覚悟が必要
(3)費用
ここまでインター校の良いところに触れてきましたが、費用に関しては驚くほど高額になります。放課後アクティビティー抜きの授業料で、年間200万~300万円程度かかるのが一般的です。
幼稚園は8時〜13時くらいまでと、滞在時間は5時間程度なのに、年間200万円前後かかります。その後、学年が上がれば、授業料はどんどん高くなります。平均すると、年間250万円程度、15年間で4000万円近くの学費になってしまうのです。
海外の大学では返還不要の奨学金も多いですが、高校までの学費だけでもとんでもないことになってしまいます。これが日本であれば、幼稚園から大学まですべて私立だとしても2500万円程度なので、15年間で4000万円というのがいかに高額かおわかりいただけるでしょう。
シンガポールでさまざまな学校を見学していた際に、日本人の家族にお話を伺う機会が何度かありましたが、一人っ子が多いなと感じました。日本企業のシンガポール支社に赴任している会社員の場合、一般的な尺度で見れば比較的裕福な方も多いと思うのですが、インター校に入れるとなると、相当な倹約をする必要が出てきそうです。
最後に、日本から親子でシンガポールに移住し、インター校への入学を考えている場合ですが、学校によっては日本で説明会を行うところもあるので、必ずチェックしておきましょう。シンガポールの教育雑誌「Spring(https://spring-js.com/singapore/)」で情報収集をすることもできます。
次回はインター校のお受験事情などをお伝えしたいと思います。
※クレジットカードの専門家2人が選んだ、2023年の最強カードは?
⇒【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】
「おすすめクレジットカード」を2人の専門家が選出!
全8部門の“2023年の最優秀カード”を詳しく解説!
【2023年6月1日時点・最新情報】
|
||||
還元率 | 年会費 (税込) |
ブランド | 電子マネー対応 (ポイント付与対象) |
カード フェイス |
◆楽天カード |
||||
1.0~3.0% | 永年無料 | VISA JCB Master AMEX |
楽天Edy (楽天Edyへの チャージ分は 還元率0.5%) |
![]() |
【楽天カードのおすすめポイント】 楽天市場や楽天ブックス、楽天トラベルを利用している人はもちろん、楽天ユーザー以外にもおすすめの「年会費無料&高還元」クレジットカードの代表格。通常還元率は1.0%だが、楽天市場や楽天ブックスでは最低でも還元率が3.0%以上に! また、「楽天ポイントカード」や電子マネーの「楽天Edy」との併用で、楽天グループ以外でも還元率は1.5~2.0%以上になる! ゴールドカードの「楽天プレミアムカード」も格安の年会費で「プライオリティ・パス」がゲットできてコスパ最強! |
||||
【関連記事】 ◆【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】「おすすめクレジットカード」を2人の専門家が選出!全8部門の“2023年の最優秀カード”を詳しく解説!(最優秀メインカード部門) ◆「楽天ポイント」が改悪続きでも“最強のポイント”である理由を専門家が解説!「楽天カード」などだけでなく、無料でポイントを獲得できるサービスが魅力! ◆「楽天カード」よりも「楽天プレミアムカード」のほうが得をする“損益分岐点”が判明! 楽天市場で年36万円を利用しない限り、年会費無料の「楽天カード」で十分! |
||||
◆三井住友カード(NL) |
||||
0.5~5.0% | 永年無料 | VISA Master |
iD |
![]() |
【三井住友カード(NL)のおすすめポイント】 2021年2月に申し込み受付が始まった「三井住友カード」の新しいクレジットカードで、券面にカード番号が記載されていない「ナンバーレス(NL)」なのが特徴(カード番号はアプリで確認可能)。通常還元率は0.5%と一般的なクレジットカードと同等だが、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルドなどで「Visaのタッチ決済」または「Mastercardコンタクトレス」で支払うと、還元率5%に大幅アップ(※)するので、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルドなどを日常的に利用する人におすすめ! さらに、獲得できる「Vポイント」は、dポイント、Pontaポイント、楽天ポイント、Tポイント、ANAマイルなどに交換できるほか、「1ポイント=1円」としてカード利用額に充当できるなど、ポイントの汎用性が高いのも魅力! ※ 一部店舗では還元率5.0%とならない場合あり。また、一部店舗および一定金額を超える支払いでは「Visaのタッチ決済」および「Mastercardコンタクトレス」が利用不可の場合あり。 |
||||
【関連記事】 ◆「三井住友カード(NL)」は年会費無料+高還元+最短翌日発行の“三拍子”が揃ったおすすめカード!「対象コンビニ&飲食店で最大5%還元」特典は利用価値あり! ◆「三井住友カード(NL)」は、年会費無料&対象コンビニで最大還元率5%のお得なクレジットカード! カード情報を記載していないのでセキュリティも抜群! |
||||
◆ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・カード |
||||
1.0~1.5% (※1) |
1万6500円 | AMEX | - |
![]() |
【ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・カードのおすすめポイント】 2021年3月から発行が始まった、高級ホテル「ヒルトン・ホテルズ&リゾーツ」との提携カード。ヒルトンの上級会員資格「ヒルトン・オナーズ・ゴールドステータス」が無条件で付帯し、レイトチェックアウトや部屋のアップグレード(最高でエグゼクティブ)、朝食無料サービスなどを利用できるのが最大の魅力! さらに、年間150万円以上を利用すると「ウィークエンド無料宿泊特典(金・土・日のみ利用可)」がもらえて、ヒルトンやコンラッドなどの1泊3万円以上するような高級ホテルに無料で宿泊できる! また、通常100円につき2ポイント、ヒルトン系列では100円につき3ポイントの「ヒルトン・オナーズ・ボーナスポイント」を獲得でき、貯めたポイントでヒルトン系列のホテルに宿泊することも可能! ※1 ヒルトン系列ホテルの宿泊にポイントを利用した場合。1ポイント=0.5円換算。 |
||||
【関連記事】 ◆【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】「おすすめクレジットカード」を2人の専門家が選出!全8部門の“2023年の最優秀カード”を詳しく解説!(マイル系カード&プラチナカード部門) ◆「Marriott Bonvoyアメックス」のメリットを解説!「SPGアメックス」の後継の「プレミアム」なら、年400万円の利用で「プラチナエリート」資格を獲得できる! ◆【アメリカン・エキスプレス・カードを一覧で比較】アメックスが発行する15枚のカードの年会費や特典、還元率を比較して、自分にピッタリの1枚を探そう!(Marriott Bonvoy アメックス・プレミアム編) |
||||
還元率 | 年会費 (税込) |
ブランド | 電子マネー対応 (ポイント付与対象) |
カード フェイス |
◆三井住友カード ゴールド(NL) |
||||
0.5~5.0% |
5500円 (ただし、年100万円以上の 利用で次年度から永年無料) |
VISA Master |
iD |
![]() |
【三井住友カード ゴールド(NL)のおすすめポイント】 2021年7月1日に発行が始まった、券面にカード番号が記載されていない“ナンバーレス(NL)”のゴールドカード。年会費5500円(税込)だが、年間100万円を利用すると(※1)、次年度から年会費が“永年無料”になるうえに、1万ポイントが「継続特典」としてもらえるのが大きな魅力! さらに、通常還元率は0.5%と一般的なクレジットカードと同等だが、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルドなどで「Visaのタッチ決済」または「Mastercardコンタクトレス」で支払うと還元率5%に大幅アップ(※2)するなど、ポイントも貯まりやすくてお得! ※1 対象取引などの詳細は、三井住友カードの公式サイトでご確認ください。※2 一部店舗では還元率5.0%とならない場合あり。また、一部店舗および一定金額を超える支払いでは「Visaのタッチ決済」および「Mastercardコンタクトレス」が利用不可の場合あり。 |
||||
【関連記事】 ◆「三井住友カード ゴールド(NL)」は、年100万円以上を使うと年会費が“永年無料”に! コンビニで5%還元、空港ラウンジや旅行保険などの特典も付帯してお得! ◆三井住友カード ゴールド(NL)のメリット・デメリットを解説! 同じく“実質”年会費が無料の「エポスゴールドカード」と付帯サービスなどを比較して魅力を解剖! |
||||
◆JCB CARD W(ダブル) |
||||
1.0~5.5% (※) |
永年無料 | JCB | QUICPay |
![]() |
【JCB CARD W(ダブル)のおすすめポイント】 39歳以下の人だけが申し込める、年会費無料のうえに通常還元率1%のお得な高還元クレジットカード!(40歳以降も継続して保有可能)さらに「ORIGINAL SERIESパートナー加盟店」の「ポイントアップ登録(無料)」をすれば、Amazonやセブン-イレブンなどでは還元率2%、「スターバックスカード」へのチャージで還元率5.5%に! ※貯まったOki Dokiポイントを「JCB PREMO」または「nanacoポイント」に交換した場合の還元率。 |
||||
【関連記事】 ◆「JCB CARD W」は「楽天カード」などとほぼ同じ、年会費無料+還元率1~3%のJCBの入門用カード!Amazonやスタバをよく利用する20~30代は注目! ◆「JCB CARD W」は、年会費無料で還元率1%以上のお得な高還元クレジットカード!「JCB CARD W」のメリット・デメリットを他のカードと比較して検証! ◆JCB CARD W(ダブル)のメリットを解説!「年会費無料」「常に還元率1.0%以上」「ポイントの使い勝手が良い」と三拍子そろった高還元クレジットカード! |
||||
◆au PAY カード |
||||
1.0~2.0% |
初年度無料 次年度以降も 条件次第で無料(※) |
VISA Master |
- |
![]() |
【au PAY カードのおすすめポイント】 通常還元率1.0%でPontaポイントが貯まり、マツモトキヨシやかっぱ寿司などの「au PAY ポイントアップ店」では還元率1.5~2.0%以上に達する、auユーザー以外も得するクレジットカード! さらに、スマホ決済の「au PAY」へのチャージでも1.0%分のポイントが貯まり、「au PAY(コード払い)」の利用時に0.5%分のポイントが貯まるので、合計還元率1.5%でPontaポイントを2重取りできる! しかも、初年度は年会費無料、2年目以降は年会費1375円(税込)だが、年に1回でもカード決済、もしくは携帯電話などのauのサービスを利用していれば次年度以降の年会費も無料に! ※ 2年目以降1375円。ただし、年一回でも利用した場合、もしくは「au ID」に「au PAY カード」を紐付けて、携帯電話などのauサービスを利用している場合は次年度無料。 |
||||
【関連記事】 ◆「auカブコム証券+au PAY カード」で積立投資すると最大5%のPontaポイントが貯まる! つみたてNISAも対象なので、これから投資を始める人にもおすすめ! ◆「au PAY カード」を使って、auカブコム証券で投資信託の積立投資をしてみた! 積立金額の1~5%分のPontaポイントが付与されるタイミングなどを検証! |
||||
◆セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード Digital |
||||
0.5~2.0% | 初年度無料 次年度以降も 条件次第で無料(※1) |
AMEX | Suica |
![]() |
【セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード Digitalのおすすめポイント】 通常還元率は0.5%だが、QUICPay決済を利用した場合は還元率2%に大幅アップ!(※2)セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンといったコンビニはもちろん、マツモトキヨシやツルハグループなどのドラッグストア、ビックカメラやヨドバシカメラといった家電量販店など、QUICPayを利用できる店舗ではいつでもどこでも還元率2%になるので非常にお得! 貯まるポイントは、有効期限のない「永久不滅ポイント」なので、ポイントの失効を気にする必要がないのもメリット! ※1 2年目以降1100円。ただし、年一回でもクレジットカードの利用があれば次年度以降も無料。※2 年間合計30万円までの利用分が対象。以降は還元率0.5%。 |
||||
【関連記事】 ◆「セゾンパール・アメックス・カード Digital」は、QUICPayで2%還元と超お得! 最短5分で発行できる「SAISON CARD Digital」の申し込み方法も解説! ◆還元率が高い、おすすめのクレジットカードを紹介!クイックペイを利用すれば還元率2%になる「セゾンパール」など、年会費が実質無料で注目の3枚をチェック |
||||