米国での30年ぶりの税制改革の実現がほぼ確実となり、日米株式市場共に相変わらず強い動きが続いています。12月18日のNYダウ、ナスダック総合株価指数、S&P500種株価指数の主要3指数が連日で過去最高値を更新しました。
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与党共和党が上下両院案を一本化した税制改革の修正法案を公表し、今週中に可決・成立のメドが立ったとの見方が強まったことが買い材料になりました。一本化法案が可決されれば、トランプ大統領の署名を経て成立し、来年1月から新税制を施行することになります。
一方、この米国株高を背景に、12月18日の日経平均株価は、前週末比348.55円(1.55%)高の2万2901.77円でした。また、TOPIXは前週末比24.43ポイント高の1817.90ポイントで取引を終え、11月8日に付けた終値ベースの年初来高値1817.60ポイントを上回りました。
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クリスマス明けまで落ち着いた相場に
短期売買で狙うならデイトレードで
国内では、12月のメジャーSQを無事通過しました。また、米国ではFOMCを無事通過しました。残るは前述の米税制改革法案くらいで、年内の重要イベントはほぼ終了です。
東京株式市場のメインプレーヤーの海外勢も、今週は本格的にクリスマス休暇入りです。こうなると、東京株式市場は国内勢が中心になります。
国内勢の基本的な投資スタンスは「逆張り」です。よって、少なくとも、海外勢が帰ってくるクリスマス明けまでは、日経平均株価がガンガン上がることも、下がることもないでしょう。
一方、個人や証券自己などの短期資金は、日替わりで材料の出た銘柄を売り買いする見通しです。当たり前ですが、短期資金のため逃げ足はメチャクチャ速く、物色の継続性はないと思います。よって、当面は「日計り商い」をメインにトレードした方がいいと思います。
まあ、敢えてスイングトレードするなら、需給面でシコリのない「直近IPO」のうちの人気銘柄に照準を絞るべきです。また、上場来高値圏で推移する銘柄も同様の観点から狙い目ですね。
ちなみに、日銀の年初から12月15日までの累計のETF買入額は、約5兆7400億円です。日銀は日本株最大の買い越し主体です。日銀は年間6兆円ペースでETFを買うことにしていますので、来年も、日銀のETF買いで需給面のメリットを受ける大型株も当分狙うべきですね。
年末を控えた「節税売り」に注意!
信用倍率の大きい銘柄は暴落リスクも
なお、今年は相場全体がよかったため、多くの個人がそれなりの実現益出したことでしょう。このため、年末を控えて、多くの個人は、実現利益圧縮のための節税売りを出し易い状況です。
よって、個人投資家の関与率の高い銘柄のうち、弱い値動きを続けている銘柄や、信用の期日を迎える銘柄は逆にアンタッチャブルです。
なぜなら、12月26日の年内受け渡し最終日まで、個人からの売りが断続的に出てくる可能性が高いからです。この手の銘柄を逆張り的買うなら、来年受け渡しの27日以降で十分でしょう。
また、12月8日申し込み時点の信用買い残は3兆173億円と、およそ1年11カ月ぶりの高水準です。信用買い残は将来の売り予約です。これがそれなりの水準に積み上がっているため、買い残の大きい銘柄で、値動きの鈍い銘柄や、信用倍率の大きい銘柄に関しては、将来の「ナイアガラ」を警戒していく必要があります。
消費者物価指数の見通しなどから
当面、日銀は超絶金融緩和政策を継続する見通し
ところで、ここ最近、「来年には日銀が出口戦略を検討するのではないか」との観測が一部であるようです。
しかしながら、12月の短観での企業物価見通しでは、全規模全産業の1年後の消費者物価指数の見通しは平均で前年比0.8%上昇と、前回9月調査を僅かに0.1ポイント上回っただけです。日銀が目指す2%の物価目標の半分にも満たない状況です。
こんな状況で、日銀が出口を模索し始めるとは到底思えません。当分、日銀は現在の超絶金融緩和政策を継続するでしょう。当然これは、日本株にとってポジティブです。
日経ボラティリティ・インデックスが20を超える可能性は低く
目先的に日米株式市場が荒れるリスクは少ない
今週の日経平均株価については、12月のSQ値2万2592.25円を上回っている限り、好需給が続き、堅調に推移する見通し。一方、これを下回ると需給が悪化し調整色が強まるでしょう。
なお、12月18日の日経ボラティリティー・インデックスは14.61でした。非常に低い水準で推移しています。少なくともこれが、20に接近することがない限り、SQ値を下回ることはないでしょう。
日経ボラティリティー・インデックスが今後大きく動くとしたら、クリスマス休暇明けの海外勢が本格的に市場参加してからだとみています。
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現時点で発生確率の高いシナリオは、米税制改革法案成立で、いったん材料出尽くしで米株が売られ、これに日経平均株価が連れ安すると同時に、日経ボラティリティー・インデックスも上昇していくというものです。
ですが、材料出尽くしだけでは投資家心理が一気に弱気に傾くとは思えません。やはり、プラスアルファの悪材料が加わらないと、日経ボラティリティー・インデックスが20を超えていくことは想定できません。
そうこう考えると、目先的に日米株式市場が大崩れする展開は考え難いですね。
年末にかけて市況は良好だが、物色テーマは不在
しばらくは様子見を決め込むのもアリ
以上のことから、年末にかけての日米株式市場は良好な投資環境が続き、大型株の値持ちがよい状況が維持されるでしょう。
ただし、現時点で物色の柱になるようなテーマは見当たりません。確かに、「量子コンピュータ」「EV」「AI」「IoT」「自動運転」「ロボティクス」「仮想通貨」など既出のテーマはあるにはありますが、物色の柱というほど盛り上がっていません。このため、強い相場ではありますが、個人にとって難易度の高い相場が続くでしょう。
なぜなら、今のようなテーマレスの相場では、上手く立ち回ることが出来れば「爆益」ですが、JC(ジャンピングキャッチ)とLC(ロスカット)を繰り返し易いからです。よって、大胆かつ繊細なトレードを心掛けましょう。
逆に、もう少し難易度の低い相場になるまで、「見(けん)」を決め込むのもアリだと思います。
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