第2四半期決算発表シーズンがスタート!
今週は期待薄だが、来週以降は好調に?
今週から、2018年第2四半期の決算発表シーズンが始まります。今週の主な企業の決算発表日とコンセンサス予想は、以下の通りです。
■今週に決算発表する主な企業 | ||||||
日付 | 銘柄(ティッカーシンボル) | EPS | 売上高 | |||
7月10日(火)寄付前 | ペプシコ(PEP) | 1.53ドル | 160.9億ドル | |||
7月12日(木)寄付前 | デルタ・エアラインズ(DAL) | 1.72ドル | 116.5億ドル | |||
7月13日(金)寄付前 | シティグループ(C) | 1.57ドル | 185.9億ドル | |||
7月13日(金)寄付前 | JPモルガン・チェース(JPM) | 2.23ドル | 272.2億ドル | |||
7月13日(金)寄付前 | ウエルズファーゴ(WFC) | 1.12ドル | 216.9億ドル |
ペプシコは、食品・飲料など景気の影響を受けない商品を売っています。しかし、このところのドル高で利益は圧迫されているはずです。だから、あまり大きな期待を寄せることは出来ません。
デルタ・エアラインズは、燃料コストの高騰が今後の収益に与える影響が懸念されます。
シティグループ、JPモルガン・チェース、ウエルズファーゴの各銀行は、最近、長短金利差が狭まっていることが気がかりです。
なぜなら銀行は、主に短期市場で資金を調達し、それを長期で貸付ける、ないしは長期債の購入に充てるからです。上のチャートのように金利差は狭まっているのだから、銀行の純金利マージンは圧迫を受けているはずです。
加えて第2四半期中、世界の金融市場のボラティリティーは、第1四半期に比べると低かったです。これは、各行のトレーディング部門が利益を出しにくい環境だったと言えると思います。
以上の理由から、銀行株の決算にも多くは期待できません。
すると、今週から始まる第2四半期決算発表シーズンは、やや精彩に欠くスタートにならざるをえないと思います。
しかし来週以降、決算シーズンは尻上がりに好調になると見ています。その理由はテクノロジー株や石油株の決算発表が始まるからです。
この2つのセクターは、素晴らしいEPS成長を記録すると思われます。アナリストのコンセンサスでは、テクノロジー株のEPS成長率は前年比+24.6%、石油株は+142.5%が見込まれています。特に石油株に関しては、このところの原油価格の上昇で収益環境は改善している筈です。
S&P500の予想PERを見る限り
アメリカ株はまだまだ割高ではない!
今年のS&P500指数のEPSは、160.99ドルがコンセンサスとなっています。来年は176.91ドルです。
向こう12カ月のEPS予想に基づいた現在のS&P500の株価収益率(PER)は、16.2倍です。これは過去5年間の平均値とピッタリ一致しています。つまりアメリカ株は、適正なバリュエーションだということです。
予想に反して停滞する長期金利は
株式にとってはポジティブな要因に
一方、長期金利に目を転じると、10年債利回りは2.84%で取引されています。

※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
拡大画像表示
年初、「今年は長期金利がいよいよ3%を超え、ずんずん高くなるだろう」と言われていました。しかし実際には、景気が強い割に債券利回りは低い水準のままです。
そのひとつの理由は、いまアメリカだけでなく、世界各国で長期金利は下がり気味になっていることによります。つまり。アメリカ国外では景気拡大局面に「中だるみ」が見られるのです。
このまま直ぐに世界経済が暗転し、景気が悪くなるという風には、私は考えていません。世界経済は「小休止」した後、再び元気を取り戻すと思っています。
足下で諸外国の景気がアメリカより減速しているため、「アメリカに投資資金を集中させよう!」という結論を下す投資家が増えています。海外からの投資資金が、米国財務省証券だけではなく、投資適格社債やジャンクボンドなどに流入しています。
景気の先行指標と言われる「ジャンク債ETF」は
2月の安値と同水準
下は、米国のジャンク債を組み込んだETF(上場型投信)、iシェアーズ・アイボックス・ハイイールドETF(ティッカーシンボル:HYG)の過去1年の株価の推移です。

拡大画像表示
普通、このETFの株価が下落しているときは、企業の資金のやりくりが困難になっていることを示しています。同じ理由から、このETFは景気の先行指標であるとも考えられています。
このETFの株価推移を見ると、2月に米国市場全体が急落した際、ETFが売られていることがわかります。そして現在の水準は、2月の安値とほぼ同じです。ETFの株価が横這いになっているということは、企業のおカネの借りにくさには、あまり変化は出ていないことを示唆していると思います。
中国ではシャドーバンキング抑制政策などにより
「金詰り」になっている
中国では、これと好対照に「金詰り」を訴える経営者が多いです。中国政府はシャドー・バンキング(=銀行の帳簿に載らない隠れた融資)の抑制政策を進めています。折悪く米中貿易戦争がエスカレートしていることもあり、上海総合指数は高値から20%を超える調整となりました。
決算シーズンにおける米国株のリスクは
米中貿易戦争とトランプ政権
そこでアメリカに話を戻し、「この決算シーズンにリスクはあるのか?」ということについて考えてみたいと思います。
まず、ハイテクが米中貿易戦争の焦点として浮かび上がりつつあることから、アメリカのハイテク企業の経営者から、貿易戦争のエスカレートを危惧するコメントが飛び出すかもしれません。これが、決算カンファレンスコールの聞きどころのひとつになるでしょう。
それと、トランプ政権の言っていることがコロコロ変わるので、経営者は安心して長期の経営計画を立てにくくなっています。それは、設備投資計画に影を落とすリスクがあります。特に、半導体製造装置などは影響を受けやすいと思います。
【今週のまとめ】
いくつかのリスクはあるものの、
全体としては素晴らしい決算発表シーズンに
今週から2018年第2四半期の決算発表シーズンがはじまります。今週は銀行株など、経営環境がそれほどよくない企業の決算ばかりなので、いまひとつ冴えないスタートが予想されます。しかしハイテク株、石油株などの決算は大いに期待できます。
全体としては今期も素晴らしい決算発表シーズンになるでしょう。いまは金利環境も良いし、おカネは世界からアメリカへ集まっています。
リスクとしては、米中貿易戦争のとばっちりを受けやすい、設備投資の動向に敏感なビジネスが、見通しの暗転を訴えるかもしれないということです。
【今週のピックアップ記事!】 | |
■ | 「億り人」になったサラリーマン投資家の投資条件は「独自技術」と「社長&社員の愛社精神」に加えて、「日経VI」で“暴落”のタイミングを見極めて購入! |
■ | 株主優待名人・桐谷さんがサラリーマンにおすすめの投資法を伝授! 二度の大損を経験して悟った鉄則は「配当+優待利回り4%以上」の優待株を狙うこと! |
【※米国株を買うならこちらの記事もチェック!】
⇒米国株投資で注意が必要な「為替」と「税金」とは?「特定口座(源泉徴収あり)」か「NISA口座」で投資をして、口座内に「米ドル」を残さないのがポイント!
【2023年5月1日時点】
「米国株」取扱数が多いおすすめ証券会社 |
◆マネックス証券 ⇒詳細情報ページへ | |
米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
約5250銘柄 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)※買付時の為替手数料が無料/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
【マネックス証券のおすすめポイント】 約5250銘柄の米国株を取り扱っており、銘柄数はトップクラス! 買付時の為替手数料が0円(売却時は1ドルあたり25銭)なので、実質的な取引コストを抑えることができる。さらに、外国株取引口座に初回入金した日から20日間は、米国株取引手数料(税込)が最大3万円がキャッシュバックされる。米国ETFの中で「米国ETF買い放題プログラム」対象17銘柄は実質手数料無料(キャッシュバック)で取引が可能。米国株は、時間外取引に加え、店頭取引サービスもあり日本時間の日中でも売買できる。なお、NISA口座なら日本株の売買手数料が無料なのに加え、外国株(海外ETF含む)の購入手数料も全額キャッシュバックされて実質無料! 企業分析機能も充実しており、一定の条件をクリアすれば、銘柄分析ツール「銘柄スカウター米国株」が無料で利用できる。 |
|
【関連記事】 ◆【マネックス証券の特徴とおすすめポイントを解説】「単元未満株」の売買手数料の安さ&取扱銘柄の多さに加え、「米国株・中国株」の充実度も業界最強レベル! |
|
◆SBI証券 ⇒詳細情報ページへ | |
米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
約5550銘柄 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
【SBI証券のおすすめポイント】 ネット証券最大手だけあって、米国、中国(香港)、韓国、ロシアからアセアン各国(ベトナム、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア)まで、外国株式のラインナップの広さはダントツ! 米国株は手数料が最低0米ドルから取引可能で、一部米国ETFは手数料無料で取引できる。米ドルの為替レートは「片道25銭」と他の証券会社と同じレベルだが、住信SBIネット銀行の外貨預金口座から入金すれば「片道4銭」で両替可能。差額の21銭は1ドル=108円なら約0.19%に相当するので、かなりお得だ。あらかじめ設定した金額か株数(口数)で定期的に買付する「米国株式・ETF定期買付サービス」が便利。 NISA口座なら、日本株の売買手数料だけでなく、海外ETF(米国・中国・韓国)の買付手数料も無料に。米国企業情報のレポート「One Pager」、銘柄検索やソートに使える「米国株式決算スケジュールページ」や「米国テーマ・キーワード検索」、上場予定銘柄を紹介する「IPOスピードキャッチ!(米国・中国)」など情報サービスも多彩。また、2021年4月から米国株式取引専用の「米国株アプリ」が登場した。インドネシアやタイなどのアセアン各国に関しては、主要約70銘柄の個別企業レポート「ASEANアナリストレポート」を提供している。 |
|
【関連記事】 ◆【SBI証券の特徴とおすすめポイントを解説!】株式投資の売買手数料の安さは業界トップクラス! IPOや米国株、夜間取引など、商品・サービスも充実 ◆「株初心者&株主優待初心者が口座開設するなら、おすすめのネット証券はどこですか?」桐谷さんのおすすめは松井、SBI、東海東京の3社! |
|
◆楽天証券 ⇒詳細情報ページへ | |
米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
約5200銘柄 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
【楽天証券おすすめポイント】 米国、中国(香港)、アセアン各国(シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア)と、幅広い銘柄がそろっているうえ、海外ETFの取り扱い数も、米国ETF約350本を含む、約400本と業界No.1! 所定の米国ETF9銘柄については買付手数料が無料で取引ができる。米国株式の注文は、最大90日先まで指値注文が有効で、「約定通知メール」サービスとあわせて利用すると便利。米国株の注文受付時間が、土日、米国休場を含む日本時間の朝8時~翌朝6時と長いので、注文が出しやすいのもメリット。アセアン株式の情報も充実。財務分析でよく使われるPERなどの主な指標、過去5年間の業績推移や今後2年間の業績予想もチェックが可能だ。NISA口座なら買付手数料が無料(売却時の手数料は必要)なのもメリットだ。取引から情報収集までできるトレードツールの元祖「マーケットスピード」が有名。さらに、スマホ向けトレードアプリ「iSPEED」でも米国株取引が可能になった。ツール内では日経新聞の記事を無料で読むこともできる。 |
|
【関連記事】 ◆【楽天証券おすすめのポイントは?】トレードツール「MARKETSPEED」がおすすめ!投資信託や米国や中国株などの海外株式も充実! ◆【楽天証券の株アプリ/iSPEEDを徹底研究!】ログインなしでも利用可能。個別銘柄情報が見やすい! |
|
◆DMM.com証券(DMM株) ⇒詳細情報ページへ | |
米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
約2500銘柄 | 無料 |
【DMM.com証券おすすめポイント】 2019年12月に米国株の売買手数料を完全に無料化したことで、取引コストに関しては一歩リード!ただし、配当金が円に両替される際の為替スプレッドが1ドルあたり1円と高いので、割り狙いで長期保有する人は注意が必要だ。取扱銘柄数は少なめだが、FAANGなどの有名IT株やバンガードなどの人気ETFは、きちんと網羅されている。他社と違う点としては、外貨建ての口座がなく、売却時の代金や配当が自動的に受け付けから円に交換されること。その後で持っておきたい人にはデメリットだが、すべて円で取引されるため初心者にとってはわかりやすいシステムと言えるだろう。また、米国株式と国内株式が同じ無料取引ツールで一元管理できるのもわかりやすい。米国株の情報として、米国株式コラムページを設置。ダウ・ジョーンズ社が発行する「バロンズ拾い読み」も掲載されている。 |
|
【関連記事】 ◆DMM.com証券「DMM株」は、売買手数料が安い!大手ネット証券との売買コスト比較から申込み方法、お得なキャンペーン情報まで「DMM株」を徹底解説! ◆【証券会社比較】DMM.com証券(DMM株)の「現物手数料」「信用取引コスト」から「取扱商品」、さらには「最新のキャンペーン情報」までまとめて紹介! |
|
【米国株の売買手数料がなんと0円!】 |
※ 本記事の情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新の情報は各社の公式サイトでご確認ください。 |