2020年度版【ふるさと納税ランキング～みかん編～】
ふるさと納税で「みかん」がもらえる自治体を比較！
コストパフォーマンスが最強の自治体はココだ！

【2018年版】
「ふるさと納税」で「みかん」の返礼品がお得にもらえる自治体を発表！
冬に欠かせない果物「みかん」をお得かつ大量にゲットしよう！

 「みかん」と言えば、日本の冬の代表的な果物のひとつ。雪が降る寒い季節、こたつの上に「みかん」がある風景は、誰もが思い浮かべる“日本の冬”ではないだろうか。

　そんな日本の国民的フルーツとも言える「みかん」をお得に手に入れたいなら、「ふるさと納税」を活用するのがおすすめだ。「ふるさと納税」で自治体に寄付すれば、日本各地の「みかん」をお得かつ大量にゲットできるからだ。

　そこで今回、ザイ・オンライン編集部では、「ふるさと納税」で「みかん」の返礼品を用意している自治体を徹底調査。さらに、“寄付金額に対して、どのくらい多くのみかんをもらえるか”という観点で、全国各地の自治体をランキング化した。

 それではさっそく、2018年の「ふるさと納税ランキング～みかん編～」を発表しよう！　ザイ・オンライン編集部が「みかん」の返礼品を用意している自治体を調査して、コストパフォーマンスが優れた自治体をまとめたので、ぜひ、今年の「ふるさと納税」の参考にしてほしい。

【ふるさと納税の基礎知識はコチラ！】
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【1位】5000円でみかん10kg！（＝1万円換算で20kg）
有明海からの風と太陽をふんだんに浴びた
「まるな柑橘園の小粒みかん」がもらえる「佐賀県鹿島市」！

　2018年の「ふるさと納税ランキング～みかん編～」第1位に輝いたのは「佐賀県鹿島市」。第2位以下を大きく突き放す圧倒的なコストパフォーマンスの高さで、堂々の首位に躍り出た。

　佐賀県の西南部に位置する「鹿島市」は、東側には有明海が広がり、西側には多良岳山系の山々がそびえ立つ自然豊かな町。また、市内には、日本三大稲荷の一つに数えられる「祐徳稲荷神社」があるほか、有明海の干潟でさまざまな競技を行う「ガタリンピック」が毎年開催されるなど、多くの観光客が訪れる町でもあるそうだ。

　そんな「鹿島市」に5000円を寄付すると「鹿島 まるな柑橘園の小粒みかん 約10kg」がもらえる。「まるな柑橘園の小粒みかん」は、一般的なSサイズのみかんよりも小さいとのことだが、有明海からの風と太陽をふんだんに浴びて育っており、果肉はジューシーで抜群においしいのだとか。

　ただし残念ながら、「鹿島市」の「ふるさと納税」担当者によると、この返礼品はすでに申し込み受付を終了してしまっているうえに、来年以降は用意できるかどうかわからないとのこと。しかし、このほかにも「鹿島市」では、8000円の寄付でもらえる「“よかんばい”鹿島産みかん訳アリ 大中小サイズ別約10kg」など、お得なみかんの返礼品を用意しているので、こちらも要チェックだ。

【2位】3000円でみかん5kg！（＝1万円換算で16.6kg）
 “幻のみかん”とも呼ばれる、濃厚な味わいが特徴の
「今村（温州みかん）」がもらえる「高知県室戸市」！

　続いて紹介する自治体は、第2位にランクインした「高知県室戸市」。

　高知県の東部に位置し、太平洋に面している「室戸市」は、日本で初めて海洋深層水の取水施設が設置された町。「室戸市」で取水された海洋深層水は、塩や飲料水に精製されるだけでなく、日本酒や化粧品など、さまざまな商品にも活用されているそうだ。

　そんな「室戸市」に3000円を寄付すると「温州みかん訳あり5kg」がもらえる。この返礼品に申し込むと、「温州みかん」の中でも栽培が難しく、流通量が少ないことから“幻のみかん”とも呼ばれる品種「今村」が届く。「今村」は、濃厚な味わいが特徴的な品種とのことなので、1つ食べるだけでも大きな満足感を得られそうだ。

　ちなみに、“幻のみかん”がこれだけお得に手に入れられるのは、このみかんが、皮などにキズがある「訳あり品」となっているから。とはいえ、食べる分には問題なく、通常のみかんと味は変わらないそうだ。

　ただし残念ながら、この返礼品もすでに申し込み受付を終了してしまっているので、お得なみかんの返礼品が欲しい人は、このあとに紹介する第3位以下の自治体も参考にしてほしい。

【3位】8000円でみかん13kg！（＝1万円換算で16.3kg）
酸味と甘味のバランスが優れたブランドみかん
「河内みかん」がもらえる「熊本県長洲町」！

　次に紹介するのは、第3位の「熊本県長洲町（ながすまち）」。

　熊本県の北西部に位置する「長洲町」は、有明海に面しており、温暖で暮らしやすい気候に恵まれた町。その環境を活かして、アサリや海苔の養殖が行われているほか、米、大豆、梨、ミニトマトといった農産物の生産も盛んなのだとか。

　そんな「長洲町」に8000円を寄付すると「【訳あり】熊本県産　河内みかん 約13kg」がもらえる。「温州みかん」の一種である「河内みかん」は、酸味と甘味のバランスが優れている品種とのことなので、「甘いだけじゃなくて、みかん本来の爽やかな酸味も味わいたい！」という人におすすめだ。

　なお、この返礼品も「訳あり」となっているが、実際には、皮に傷がついていたり、黒点があったりする程度で、味は通常のものと同じとのことなので安心してほしい。「訳あり」なので贈答用には向かないが、自宅で食べるみかんをお得に手に入れたい人は、「【訳あり】熊本県産　河内みかん 約13kg」に申し込むことを検討してみよう。

【同率4位】1万円でみかん15kg！
生食はもちろん、お菓子の材料などにも適した
「有田みかん3Lサイズ」がもらえる「和歌山県湯浅町」！

　2018年の「ふるさと納税ランキング～みかん編～」第4位は、「寄付金額1万円あたり『みかん15kg』」がもらえる3自治体が同率で並んだ。まずは、その同率4位の自治体から「和歌山県湯浅町」を紹介しよう。

　和歌山県有田郡に属する「湯浅町」は、平安時代の文献に「湯浅」という地名が出てくるほど歴史ある町。また、熊野三山が人々の信仰を集めた際に、重要な宿所になるなど、仏教の隆盛とともに栄えてきた歴史がある。

　そんな「湯浅町」に1万円を寄付すると「有田みかん3Lサイズ15kg」がもらえる。この返礼品は「3Lサイズ」のみかんとなっており、ギフト用のみかんとして主流の「Sサイズ～2Lサイズ」に比べると大きすぎるため、家庭用におすすめとのこと。

　また、「有田みかん3Lサイズ15kg」は実が大ぶりで、お菓子の材料やシロップ漬けなどにも最適とのことなので、お菓子作りが好きな人は「湯浅町」に寄付してみてはいかがだろうか。

【同率4位】6000円でみかん9kg！（＝1万円換算で15kg）
瀬戸内の温暖な気候で育まれた、まろやかな甘味の
「大玉みかん」がもらえる「香川県東かがわ市」！

　続いて紹介する同率4位の自治体は「香川県東かがわ市」だ。

　香川県の東端に位置する「東かがわ市」は、降水量が少なく、晴れの日が多いという、瀬戸内海特有の温暖な気候が特徴の町。また、古くから「裁縫の町」としても有名で、「東かがわ市」で作られる手袋は、なんと、全国シェアの90％以上を占めるそうだ。

　そんな「東かがわ市」に6000円を寄付すると「【お徳用】大玉みかん9kg（内1kg傷み補填分）」がもらえる。この返礼品は、瀬戸内の穏やかな気候の中、すくすくと育った大きなサイズのみかんとなっており、まろやかな甘味が特徴なのだとか。

　なお、みかんは繊細なので、どうしても輸送中に傷んでしまう場合がある。そういった傷んだみかんがある可能性を考慮して「内1kg傷み補填分」が含まれているとのことだが、万が一のために補填してくれているだけであって、届いたときに1kg分のみかんが傷んでいるというわけではないので安心してほしい。

【同率4位】1万円でみかん15kg！
静岡県が発祥のブランドみかん
「青島みかん」がもらえる「静岡県牧之原市」！

　続いて、3つ目の同率4位の自治体である「静岡県牧之原市」を紹介しよう。

　静岡県の中南部に位置し、駿河湾に面している「牧之原市」は、日本有数の海水浴場として知られる「静波海岸」があるほか、一年を通してサーフィンを楽しむ人で賑わう町。また、気候が温暖なことから茶葉の栽培も盛んで、市内には約2600ヘクタールの茶園が広がっているそうだ。

　そんな「牧之原市」に1万円を寄付すると「アウトレット青島みかん15kg」がもらえる。静岡県発祥の「青島みかん」は「温州みかん」の一種で、糖度が高いながら適度な酸味があり、非常に濃い味になっているのが特徴なのだとか。なお、「アウトレット」となっているのは、サイズが不揃いだったり、形の悪いみかんが含まれていたりするから。とはいえ、味は通常の「青島みかん」と変わらないそうだ。

　ただし、この返礼品は、申し込み上限が「限定100セット」となっており、すでに申し込み受付を終了してしまっている。「牧之原市」は、前述の通り「お茶」も有名で、茶葉の返礼品を多数用意しているので、お茶が好きな人は「牧之原市」の返礼品をチェックしてみてはどうだろうか。

【7位】8000円でみかん10kg！（＝1万円換算で12.5kg）
傷アリなものの、味は「有田みかん」と一緒の
「風のしるし10kg」がもらえる「和歌山県有田市」！

　最後に紹介するのは、2018年の「ふるさと納税ランキング～みかん編～」第7位にランクインした「和歌山県有田市」。

 「有田市」は、みかんの生産が非常に盛んで、400年以上も前から「みかん栽培」を続けているという、まさに「みかんの町」。市内から見える山々のほとんどは、みかんの段々畑になっており、みかんの最盛期となる冬には、山の斜面を美しい橙色に染めるそうだ。

　そんな「有田市」に8000円を寄付すると「有田みかん『風のしるし』10kg」がもらえる。「有田みかん」は、みかんの生育に最適な日当たりのいい山の斜面で栽培しているのだが、一方で風の影響も受けやすいため、どうしても葉や枝が擦れて傷ついたみかんもできてしまうという。特に今年は、西日本に甚大な被害をもたらした台風21号により、傷がついてしまったみかんが多かったそうだ。

 「有田市」では、そういった傷のついたみかんを「風のしるし」と名付けて、通常の返礼品のみかんよりもお得に提供している。もちろん、傷がついているとはいえ、品質にはまったく問題なく、味も通常の「有田みかん」と遜色ないレベルなのだとか。

　ただし残念ながら、この「有田みかん『風のしるし』10kg」は、すでに申し込み受付を終了してしまっている。しかし「有田市」では、1万2000円の寄付でもらえる「有田みかん『未来への虹』10kg」なども用意しているので、日本有数のブランドみかん「有田みかん」をお得に味わいたい人は、ぜひ、「有田市」に寄付してみよう。

　なお、この後に、「有田市」の「ふるさと納税」担当者に敢行したインタビューを掲載している。「有田みかん『風のしるし』10kg」を提供するに至った経緯に加えて、「ふるさと納税」への取り組みなどについても聞いたので、ぜひ、最後まで読んでいただきたい。

　さて、今回紹介した1～7位の自治体をまとめると以下の通り。

※ マークのものは、自治体がその特産品に関する「ふるさと納税」の受け付けを終了、もしくは一時的に中断しています。

◆2018年度   「ふるさと納税」で「みかん」がもらえる自治体のお得度ランキング！ （※2018年11月29日時点）
順位	お得な特産品の商品と量	備考
	寄付金の使い道
1位	佐賀県鹿島市
	≪1万円換算/20kg≫ ・5000円⇒鹿島 まるな柑橘園の小粒みかん 約10kg ・8000円⇒”やーらしか”鹿島産みかん サイズ小粒 約10kg ・1万円⇒佐賀県鹿島産『温州みかん』約11kg ・5000円⇒”やーらしか”鹿島産みかん サイズ小粒 約5kg	ほか、1万円で「干潟で泥んこ体験【ご家族向け】」（道の駅鹿島での泥んこ遊び体験チケット1枚＜小学生以上4名まで利用可能＞）などがある
	【寄付金の使い道】産業の振興に関する事業/福祉・保健・医療の充実に関する事業/都市基盤の整備に関する事業/自然環境の保全に関する事業/安全・安心のまちづくりに関する事業/教育・文化の向上に関する事業など
2位	高知県室戸市
	≪1万円換算/16.6kg≫ ・3000円⇒温州みかん訳あり5kg【ふるさとチョイス限定】 ・4000円⇒室戸の味！爽やか極早生みかん訳あり5kg【ふるさとチョイス限定】 ・5000円⇒室戸の味！爽やか極早生みかん秀品5kg【ふるさとチョイス限定】 ・5000円⇒温州みかん秀品5kg【ふるさとチョイス限定】	ほか、7000円で「【秀品】西山きんとき芋5kg」などがある
	【寄付金の使い道】地域資源の保全や整備に関する事業/地場産業の振興やまちづくりに関する事業/子どもたちの健全な育成に関する事業/医療及び福祉の充実の関する事業/その他市長が必要と認める事業
3位	熊本県長洲町
	≪1万円換算/16.3kg≫ ・8000円⇒【訳あり】熊本県産 河内みかん約13kg【ふるさとチョイス限定】 ・1万円⇒熊本県産 河内みかん（約13kg）【ふるさとチョイス限定】	ほか、1万円で「長洲金魚タオル」などがある
	【寄付金の使い道】ふるさとを担う子どもたちの人材育成・確保/健康づくり・福祉の充実/文化を創造し個性あふれる人づくり
4位	和歌山県湯浅町
	・1万円⇒【超お得・合計15kgの大ボリューム】  有田みかん3Lサイズ7.5kg×2箱セット ・1万円⇒[和歌山ブランド]下津の蔵出しみかん10kg(2Sサイズ) ・1万円⇒【厳選・産直】紀州有田みかんたっぷり10kg(S～L)ご家庭用 ・1万円⇒【地元民だけが知る本物の味】  めっちゃ小さい濃厚有田みかん3S～2Sサイズ10kg	ほか、1万円で「【高級 紀州南高梅】しそ梅(化粧箱入り)850g」などがある
	【寄付金の使い道】歴史的文化財の保全及び活用事業/安心安全のまちづくり推進事業/特色ある産業を活かしたまちづくり事業/その他
4位	香川県東かがわ市
	≪1万円換算/15kg≫ ・6000円⇒【お徳用】大玉みかん 9kg（内1kg痛み補填分） ・1万円⇒温州みかん 10kg(傷み補充1kgを含む) ・6000円⇒温州みかん 5kg(傷み補充500gを含む） ・6000円⇒小原紅早生みかん5kg(傷み補充500gを含む)	ほか、6000円で「新品種いちご『四つ星』1kg」（250g×4パック）などがある
	【寄付金の使い道】市長におまかせ/まちづくり・コミュニティー活動・地域振興/観光・産業振興/スポーツ・芸術・文化振興/健康・医療・福祉/環境保護/学校教育/安心・安全・防災・災害支援/動物愛護
4位	静岡県牧之原市
	・1万円⇒アウトレット青島みかん 限定100セット（みかん15kg） ・1万円⇒牧之原坂口そだち 早生みかん（50ケース限定）（みかん10kg） ・1万円⇒Oishi～農園の青島ミカン（みかん10kg） ・1万円⇒青島みかん（オリジナルデザイン10キロ箱入り） 限定150セット	ほか、1万円で「アローマメロン」（アローマメロン 1玉）などがある
	【寄付金の使い道】健康福祉施策（子育て・高齢者・福祉・健康・医療）/教育文化施策（学校教育・社会教育・芸術文化）/産業経済施策（農業・水産業・中小企業・観光）/生活基盤施策（道路・河川・水道・公園・環境・交通・移住定住）など
7位	和歌山県有田市
	≪1万円換算/12.5kg≫ ・8000円⇒有田みかん「風のしるし」10kg ・8000円⇒【大粒･2L】有田みかん「未来への虹」9kg ・1万円⇒【小粒･2S】有田みかん「未来への虹」10kg ・1万2000円⇒有田みかん「未来への虹」10kg	ほか、1万円で「まるごと！『紀の国みかんどり』」（紀の国みかんどり【未調理・真空パック】むね肉・ささみ・手羽元・手羽先・もも肉・肝・砂ずり合計約1.5kg）などがある
	【寄付金の使い道】教育及び文化に関する事業/産業・環境及び交流に関する事業/保健・福祉及び医療に関する事業/図書購入に活用/スポーツ振興に活用/市長におまかせコース/ふるさと応援寄附金を活用したNPO支援
■以降のランキングはコチラ！⇒【ふるさと納税】「みかん」がもらえる自治体ランキング（2018年度版）

　なお、今回は上位7位までの自治体を紹介したが、後日公開する記事では、お得な「みかん」の返礼品を用意している約45自治体をまとめているので、ぜひ、そちらもチェックしてみてほしい。

　ちなみに、「ふるさと納税」を実施している自治体は2000近くあるため、今回の調査でもすべての自治体を調べきるのは難しく、あくまで「ザイ・オンライン編集部調べ」となっている。

　この記事を見て「ウチの特典の方がすごいぞ！」という自治体関係者の方や、「こっちのほうがお得だよ」という情報を持ちの方は、ぜひ下記メールアドレスまで情報をお寄せください。確認の上、追記させていただきます。
◆情報はコチラまで！（zol-furusato@diamond.co.jp）

2018年の「ふるさと納税ランキング～みかん編～」7位、
「和歌山県有田市」の「ふるさと納税」担当者にインタビュー！

　今回、ザイ・オンライン編集部では、2018年の「ふるさと納税ランキング～みかん編～」第7位にランクインした「和歌山県有田市」の「ふるさと納税」担当者にインタビューを敢行した。

 「有田市」に8000円を寄付するともらえた「有田みかん『風のしるし』10kg」は、残念ながら、すでに申し込み受付を終了してしまったが、好評を博した「風のしるし」が生まれた背景とそこに込められた想いについて、「有田市」のふるさと創生係の係長・生駒卓司さんに聞いてみた。

 「『有田市』では、『未来への虹』という非常に甘くておいしいみかんを生産しているのですが、やはり、みかんを栽培する中で、どうしても傷のついたものが出てきてしまうんです。しかし、傷はついているものの、品質はもちろん、味もまったく問題なくて、とてもおいしいんですね。農家の方々とコミュニケーションを取るなかで、そういった傷のあるみかんを『ふるさと納税』の返礼品として出せないだろうか、という話になりまして、2018年度から、傷のついたみかんを『風のしるし』として返礼品のラインナップに加えることにしたんです。『風のしるし』は『未来への虹』と味は同じですが、傷がついている分、お得に提供させていただくことにしました」

 「有田みかん」と言えば、市場でも高く評価されているブランドみかん。「有田市」では、「有田みかん」の質を維持するために厳格な審査を設けており、「未来への虹（風のしるし）」も、その審査に合格しているみかんだという。

 「『有田市』では、『原産地呼称管理制度』という、みかんの認定制度を設けています。『未来への虹』は、この制度において、みかんの生産に適した環境づくりや品質管理について審査する『園地審査』を通過したみかんなので、『有田市』としても自信を持っておすすめしています。そして、この『園地審査』に加えて、糖度などを数値化して審査する『糖度・酸度審査』、食のプロフェッショナルの方々にみかんの食味を審査していただく『官能審査』といった、厳しい審査を通ったみかんは『有田市認定みかん』として出荷されています。こちらは『未来への虹』よりもハイクオリティな逸品となっておりますので、ぜひ、みなさんにも味わっていただきたいです！」

　なお、「有田市」は、1万2000円の寄付でもらえる返礼品として「有田市認定みかん5kg」を用意している。生駒さんも猛プッシュする「有田市認定みかん」を味わってみたい人は、こちらも要チェックだ。

　続いて、「有田市」の「ふるさと納税」の状況について聞いてみた。「有田市」では、2018年9月末時点で、「ふるさと納税」の寄付件数は約1万8000件、寄付金額は約2億6000万円集まっているとのこと。では、「有田市」は、集まった寄付金をどのように活用しているのだろうか。

 「寄付していただいた方には、寄付金の使い道として『教育』『産業振興』『福祉・保健』など、7つの使途から選んでいただいています。その中でも、『ふるさと納税』の寄付金を市立図書館や小・中学校の蔵書の購入に当てている事業『子ども達に本を！』は、市民の方に大変喜んでいただいており、『いろいろな本があって楽しい』『ここに来ればお目当ての本が見つかる』といった声をいただいております」

　ちなみに「有田市」は、1万2000円の寄付でもらえる「有田市長お薦め本3冊」というユニークな返礼品も用意している。この返礼品は、ヘビーな読書家である望月良男市長が、寄付者にピッタリの本3冊を選んで送ってくれるというもの。「子どもたちに本を！」の事業に共感したという本好きの人は、「有田市」らしいこの返礼品に申し込んでみてはいかがだろうか。

　最後に、2018年の「ふるさと納税ランキング～みかん編～」にランクインした感想や、「有田市」における「ふるさと納税」の今後について聞いた。

 「もちろん『有田市』としては、『ふるさと納税』の返礼品でほかの自治体と競争するつもりはありませんが、今回のランキングに入ったことで、全国のみなさまに『有田市』を知ってもらえるPR効果があると思いますので、大変ありがたく感じています。来年度以降も、ただ寄付金を集めるのではなく、『有田市』の産業振興や特産品の周知といったように、この制度をきっちりと理念に沿った形で活用させていただこうと思います。また、『ふるさと納税』を通じて、全国の方に『有田市』の魅力を知ってもらい、ゆくゆくは実際に『有田市』へお越しいただくなど、最終的には『有田市』のファンになっていただきたい。そういった思いで、これからも『ふるさと納税』に取り組んでいきたいと考えております」

　生駒さんによると、今年8月に猛威を奮った台風21号により、「有田市」のみかん農家もかなりの被害を受けたそうだ。「有田市」のとある園地では、みかんの木が100本以上も折れたり倒れたりしたという。「有田市」が提供していた「有田みかん『風のしるし』10kg」は、お得にみかんがもらえるだけでなく、台風の被害を受けた「有田市」の農家の支援にもつながる返礼品だったのだ。

　もちろん、災害からの復興だけでなく、少子高齢化や過疎化から脱却するために「ふるさと納税」の寄付金を必要としている自治体は数多くある。「ふるさと納税」を上手に活用して、お得に返礼品をもらいつつ、好きな自治体、応援したい自治体を見つけてみるのもいかがだろうか。

（取材・文／A4studio）