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日経平均株価は7日連続で「年初来高値」を更新し、約1年ぶりに「2万3000円台」を回復! 今のような相場では「トレンドフォローの順張り買い」で狙え!

2019年10月29日公開(2022年3月29日更新)
藤井 英敏
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 日米の株式市場が非常に強い動きとなっています。

 10月28日の米国株式市場では、多くの機関投資家が運用指数とするS&P500種株価指数が前週末比16.87ポイント高の3039.42ポイントと、3カ月ぶりに過去最高値を更新しました。ナスダック総合株価指数も一時は8335.564ポイントと、7月26日に付けた過去最高値を上回る場面がありました。

■S&P500種株価指数チャート/日足・6カ月
S&P500指数チャート/日足・6カ月S&P500種株価指数チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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■ナスダック総合指数チャート/日足・6カ月
ナスダック総合指数チャート/日足・6カ月ナスダック総合指数チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 一方、日本は、10月29日まで日経平均株価が7日続伸し、7日連続で年初来高値を更新しました。そして10月29日には、ザラ場中としては昨年10月11日以来、約1年ぶりに2万3000円の大台を回復する場面がありました。

■日経平均株価チャート/日足・6カ月
日経平均株価チャート/日足・6カ月日経平均株価チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 また、10月28日まで日経ジャスダック平均株価も7日続伸し、終値としては昨年12月7日以来、10カ月半ぶりの高値を付けました。そして、東証マザーズ指数も7日続伸しました。

■日経ジャスダック平均株価チャート/日足・6カ月
日経ジャスダック平均株価チャート/日足・6カ月日経ジャスダック平均株価チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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■東証マザーズ指数チャート/日足・6カ月
マザーズ指数チャート/日足・6カ月東証マザーズ指数チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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日本株が堅調に推移している主因は、
「米中貿易協議の進展」と「半導体市況の底入れ期待」の2つ

 このように、日本株は小型株から大型株まで、すべて強い動きとなっています。日本株が堅調に推移している主因は、米中貿易協議が進展しているとの見方が強まっていることや、半導体市況の底入れ期待が高まっていることです

 米中貿易協議に関してですが、10月10~11日にワシントンで開かれた閣僚級協議での「部分合意」について、トランプ大統領は「第1段階の合意に達した」としています。

 そして米中両国は、11月中旬にチリで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議中に米中首脳会談を開き、正式に合意することを目指しています。これについて、ライトハイザーUSTR代表とムニューシン米財務長官が10月25日、中国の劉鶴副首相と電話協議し、「いくつかの分野で合意は最終段階に近づいた」と伝わっています。

 半導体市況底入れ期待については、世界的な5G商用化などでスマートフォン関連の需要が持ち直していることが主因です。5G対応により、スマホ1台当たりの通信半導体の搭載金額が増加することが寄与しています。

 実際、台湾積体電路製造(TSMC)の7~9月期の営業利益は、5四半期ぶりに増益に転じ、同期として過去最高となりました。そして、5G向けの需要増加への対応で、2019年は設備投資を例年の4~5割増へ増額するそうです。

また、米国のインテル(INTC)は2019年通期の全社の売上高予想を上方修正し、減収予想から一転して過去最高となる見通しです。インテルについては、クラウド大手が人工知能(AI)の計算などに使う高性能品半導体の購入を増やしたことに加え、2020年以降に基地局向けなどで5G関連の大きなビジネスチャンスを見出しているそうです。

 このような状況を反映して。半導体関連株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は史上最高値圏で推移しています

世界的なリスクオンの流れから来る円安・ドル高も
日本株にとって追い風に!

 日本株については、外国為替市場での円安も追い風になっています。10月28日のNY外国為替市場で、一時は1ドル=109円04銭とほぼ3カ月ぶりの円安・ドル高水準を付ける場面がありました。

■米ドル/円チャート/日足・6カ月
米ドル/円チャート/日足・6カ月米ドル/円チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 前述のように、米中貿易協議が進展しているとの観測が強まっています。その上、EUが、10月末としていた英国のEU離脱期限を最長で2020年1月末まで3カ月延期することで合意したため、「合意なき離脱」をひとまず回避できるとの観測が強まりました。この結果、投資家がリスクオンとなり、安全資産の米国債券を売ったことで米長期金利が上昇しています。この日米金利差の拡大期待から、ドル売り・円買い圧力が強まっているのです

日経平均株価が上昇中の今は、
「逆張り」ではなく「トレンドフォローの順張り買い」で!

 このように投資環境は良好で、日経平均株価も上昇中ですが、一部の個人はこれを素直に喜べない状況のようです。

 例えば、日経平均株価とは逆方向に2倍の値動きをする弱気型のETFである「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(1357)」の直近の口数は、2億5574万口と過去最高水準にまで積み上がっています。また、指数の2倍の値動きになる強気型のETFである「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(1570)」は、信用売り需要の増加を示す「逆日歩」が発生しています。

 このように、一部の“逆張り個人”が弱気ポジションを積み上げています。そして彼ら多くは、足元の日経平均株価の上昇に苦しんでいるはずです。

 私は逆張りを否定はしません。しかしながら、逆張り投資をするならば、「現在はボックス相場であるとあなたが認識している局面」か「今は明らかに売られ過ぎであり、または買われ過ぎであると、あなたが相当な確信を持ったタイミング」に限るべきです

 ボックス局面では、「下限で買い向かい、上限で売り向かう」ということが基本になります。ただし、想定していた下限を割り込んだり、上限を上抜けたりしたら、即座に「ロスカット」しないといけません。

 同様に、あなたが確信を持って「売られ(買われ)過ぎ」と思ってトレンドに向かったポジションを取っても、なかなか思ったような値動きをしない(つまり、あなたが期待する方向にトレンドが転換しない)場合には、なる早で「ロスカット」しないといけません。

 常にそうなるということではありませんが、投資の基本は「トレンドに長く乗ることが儲ける最大の近道」です。だから、私は順張り(トレンドフォロー)が好きですし、初中級の個人にはそれをお勧めしています。

 それでも敢えてトレンドに逆らう場合は、「それは短時間に限定するべき」なのです。逆パリのポジションを取ってみて、思惑通りすぐに「評価益」が出れば問題ありませんが、想定外の「評価損状態」に陥り、それが長期化するとあなたが感じたなら、即座に「撤収」するか「両建て」にするべきです。

 順張りの場合、「いつ利食いする」のかのタイミングを我慢しないとなりません。せっかくトレンドに乗ったのに、慌てて利食いして降りてしまってはもったいないからです。逆に逆張りの場合、「いつ損切りする」のかのタイミングを我慢してはいけません。我慢すればするほど、相場はあなたが期待する方向とは逆に走り、あなたの評価損は時間の経過と共に加速度的に膨らんでしまうからです。だから、逆張り投資の場合の金言は「“しまった”は手仕舞え!」なのです

 もし、あなたが相場巧者でお金持ちなら「空売り(利益限定・損失無限のポジション)」もいいでしょう。しかし、そうではなく今は初中級者で貧乏人なら、「空売り」は封印して「買いエントリー(損失限定・利益無限のポジション)」だけでどうやって儲けるかに腐心するべきだと思います。

 つまり、基本のエントリースタンスは「トレンドフォローの順張り買い」と、メチャクチャ売り込まれたタイミングに限定した「逆張りの突っ込み買い」ということになります。

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