日経平均株価は、11月26日の2万3608.06円でピークアウトし、足元で調整しています。ですが、21日に2万2726.71円と2万3000円を一時的に下回る場面があったとはいえ、5日以降、日経平均はおおむね2万3000円~2万3600円のボックス相場になっています。
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連日の市場最高値更新で楽観に傾いていた市場マインドに、
トランプ大統領の強硬な通商政策が“冷や水”を浴びせる形に
日経平均株価の上値が重くなった主因は、米国株の調整です。11月27日まで米国株式相場は4日続伸し、NYダウは3日続けて過去最高値を更新しました。しかしながら、29日のNYダウは5日ぶりに反落しました。この日は、27日の夕方にトランプ米大統領が香港人権法案に署名したことで、米中関係が悪化して米中貿易協議への悪影響がおよぶとの懸念が強まり、売りが優勢になりました。
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そして、12月2日のNYダウは続落し、前週末比268.37ドル安の27783.04ドルでした。この日は、11月のISM製造業景況感指数が48.1と前月から0.2ポイント低下し、市場予想の49.4に反して落ちこんだことが嫌気されました。
また、「タリフマン(関税の男)」を自称するトランプ米大統領が、「ただちにブラジルとアルゼンチンから輸入する鉄鋼とアルミニウムに追加関税を課す」とツイートしたことも悪材料視されました。さらに、米通商代表部(USTR)は12月2日、欧州連合(EU)がエアバスに支給する補助金が不当だとして課している報復関税について、拡大を検討すると発表しました。
このように、米国は、中国のみならず、ブラジル、アルゼンチン、欧州などにも、報復関税を課すスタンスを貫いています。この米政権の強硬な通商政策は、足元で楽観に傾いていた市場マインドに冷や水を浴びせました。
ですが、来秋の米大統領選で再選を果たすためには、米国の好景気を維持・拡大すること、米国株式市場を高値維持または上昇させることが最優先事項であると、トランプ米大統領は認識しているはずです。このため、関税引き上げを交渉手段にして、相手国の譲歩を引き出そうとし続けるとは思いますが、米国経済を実際に悪化させるような愚は犯さないと考えます。
したがって、トランプ政権継続中の米国株は、中期の上昇トレンドを描き続け、短期的な相場の調整局面は押し目買い好機になるとみています。
当面の日経平均株価は、
2万2726.71円~2万3608.06円のレンジ内で推移
当面の日経平均株価に関しては、米中貿易協議に関してポジティブな進展がみられるまでは、11月21日の安値2万2726.71円~26日の高値2万3608.06円のレンジ内で推移するとみています。
テクニカル的には、25日移動平均(12月2日現在2万3228.11円)を下回るケースでは、先安観が一時的に強まり、レンジ下限を目指すでしょう。
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日経ジャスダック平均が1年1カ月ぶりの高値水準を回復!
「赤三兵」の出現により「中長期の上昇トレンド」が発生か
一方、12月2日の日経ジャスダック平均株価は7日続伸しました。終値は、前週末比20.72円(0.57%)高の3685.54円でした。連日で年初来高値を更新し、昨年10月24日の3692.15円以来、およそ1年1カ月ぶりの高値水準を回復しました。
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日経ジャスダック平均株価の月足は9月、10月、そして11月と3カ月連続で陽線となりました。このように、陽線が3本並んでいるローソク足は「赤三兵」と呼ばれています。
「赤三兵」は、将来の大幅な上昇を予兆する強力な買いシグナルとされています。先日、友人に教えてもらったのですが、過去、日経ジャスダック平均株価の月足で「赤三兵」が出現すると、非常に高い確率で「大幅な上昇相場」に発展したそうです。
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なお、12月3日前場の日経ジャスダック平均株価は、前日比0.71円(0.02%)高の3686.25円でした。60カ月移動平均線(3日前場現在3144.83円)、24カ月月移動平均線(同3643.72円)、9カ月移動平均線(同3468.93円)をすべて上回っています。中長期の上昇トレンドが発生したとみてよさそうです。特に、注目するべきは、11月末時点で24カ月移動平均線を上回ったことです。24カ月移動平均線を上回ったのは、昨年11月以来のことです。
以上のことから、私は、現在の日経ジャスダック平均株価は中長期の上昇トレンドの初動と考えています。
それにしても、米中貿易協議への楽観論は根強いものの、なかなかスッキリと決着しません。この不透明感があるため、グローバルに事業展開する外需系大型株は買いがたいため、業績が良好な内需関連株の多い中小型株が買われているのだと思います。その結果、日経ジャスダック平均株価が強い動きとなっているのでしょう。
多くの個人投資家と同じように「売り向かう」のではなく、
海外勢のように強気に「買い向かう」のがおすすめ!
ところで、11月第3週(18~22日)の新興市場で、個人投資家の売り越し額は246億円と、2015年8月第4週の259億円以来、およそ4年3カ月ぶりの大きさでした。売り越しは2週連続でした。一方、海外投資家は2週連続で買い越しました。買い越し額は171億円と、昨年10月第5週の201億円以来、およそ1年1カ月ぶりの大きさでした。
逆張りが大好きな個人が売り、その売り物を順張りが大好きな海外勢がバクバクと食べるという構図になっています。私は、トレンドが明確に出ている時にはそのトレンドの方向に「素直に乗る派」です。
だから、あなたにも、多くの個人と同じように売り向かうのではなく、海外勢と同様に強気に買い向かうことをおすすめします。
もちろん、先のことは誰にも分かりません。「神のみぞ知る」です。しかしながら、FRB、ECB、そして日銀が超絶金融緩和を継続・強化して過剰流動性が供給されていることに加え、世界的に景気がそれほど悪くないという、株式投資を行うにはこれ以上ないという好条件が揃っていることを忘れてはなりません。
さらに、「政府は12月上旬にまとめる経済対策で、財政支出を10兆円超とする調整に入った」「与党からは政府による直接の財政支出である“真水”で10兆円規模を求める声が出ており、協議次第ではさらに規模が膨らむ可能性もある」と報じられています。
こうなると、この経済対策で直接メリットを享受する内需株を中心に、現時点で日本株を買わない理由は見当たらないと、私は考えています。
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