2020年7月に上場したばかりの直近「IPO株」で、アナリストが「買い」と診断するのは「アイキューブドシステムズ(4495)」と「GMOフィナンシャルゲート(4051)」!
発売中のダイヤモンド・ザイ10月号から、新連載「10倍株を探せ!【IPO株】研究所」がスタート!「IPO」とは、企業が上場して、市場に株式を公開すること。IPO株は公開価格と比較して、初値が大幅に上昇する場合が多いほか、上場してからも値動きがダイナミックで、短期間のうちに急騰することも少なくない。ただし、上場直後に盛り上がった後、すぐさま失速してしまう銘柄もあるため、“玉石混交”な側面もある。
この新連載では、直近で新規上場したIPO株にスポットを当て、IPO株の専門家であるフィスコの小林大純さんが、今後の投資判断を「買い」「強気」「中立」「弱気」「売り」の5段階で評価。その中から、今後“10倍高”の可能性を秘めた注目の2銘柄をピックアップして解説する。「成長株」投資に興味がある人は、ぜひ参考にしてほしい!
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コロナ・ショックで2020年前半のIPO株は上場取り消しが続出
6月からは復調し、初値が急騰する銘柄も増加!
今回から始まる「IPO株研究所」では、上場したばかりの「IPO株」を徹底分析していく。まずは、最近のIPO株の状況を振り返ろう。
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「新型コロナウイルスの影響で、2020年3月の新規上場企業は24銘柄中、17銘柄の初値が公開価格割れ、4銘柄が上場を取り消しました。また、4月に上場予定だった15銘柄は、1銘柄を除いて上場を取り消すなど、波乱の展開になっています」(フィスコの小林大純さん)
その後は新規上場が停止状態だったが、6月24日から再開。6月に上場した6銘柄の初値は公開価格の2倍以上に。画像認識ソフトウェアを展開するフィーチャ(4052)は、初値が公開価格の約9倍になった。
この流れは7月に入ってからも継続。ITエンジニア事業を展開するBranding Engineer(7352)の初値が公開価格の約6倍になるなど、7月に上場した7銘柄はすべて、初値が公開価格よりも70%以上プラスとなった。好調の理由を小林さんは次のように分析する。
「6月末以降、IPO株の好調が続いているのは、コロナ禍においても成長が加速する事業を展開する企業が多いからです。ECプラットフォーム関連やWEBマーケティング、オンライン資格講座、AI、クラウド型プラットフォーム構築企業など、旬のテーマに合った企業ばかり。厳しい状況下でも上場するのは、自信の表れでもあります」
初値が高騰した結果、足元ではPERが100倍を超える銘柄も。しかし、高成長が続いていれば、高PER株でも株価数倍を狙うことはできるはずだ。
2020年7月の【IPO株】7銘柄の投資判断とは? |
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上場日 | 公開価格 | 初値(公開価格との騰落率) | 株価 (8/4) |
今後1年の 上値メド |
投資判断 |
7日 | ◆Branding Engineer(7352・東M) 予想PER125.9倍/PBR28.07倍 | ||||
490円 | 2920円(+496%) | 2068円 | 2500円 | 中立 | |
【分析コメント】ITエンジニア人材事業を展開。コロナ禍でも需要は根強い。売上高・営業利益とも年20~30%の成長を目指す。株価には過熱感アリ。 | |||||
10日 | ◆Speee(4499・東J) 予想PER78.1倍/PBR26.18倍 | ||||
2880円 | 5150円(+79%) | 3980円 | 5000円 | 強気 | |
【分析コメント】マーケティング活動を支援。企業のマーケティング強化が追い風になり、成長率は高い。右肩上がりの成長軌道に乗るかがポイント。 | |||||
15日 |
◆アイキューブドシステムズ(4495・東M) 予想PER129.7倍/PBR51.71倍 |
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3120円 | 9430円(+202%) | 7270円 | 1万円 | 買い | |
【分析コメント】今月の注目株。テレワークが拡大する中、企業が社員のモバイル端末を管理するためのサービスなどを展開。売上高22%増予想。 | |||||
15日 |
◆GMOフィナンシャルゲート(4051・東M) 予想PER144.1倍/PBR9.11倍 |
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2540円 | 6550円(+158%) | 7140円 | 1万1000円 | 買い | |
【分析コメント】今月の注目株。支払い手段の多様化や、コロナ禍を追い風にして、決済端末の販売が好調。売上高は34%増予想と、急成長が続く。 | |||||
15日 | ◆KIYOラーニング(7353・東M) 予想PER88.2倍/PBR305.99倍 | ||||
2300円 | 5360円(+133%) | 4850円 | 5500円 | 中立 | |
【分析コメント】オンライン資格講座などを展開。AIを利用した学習データの活用に特長。今期業績も急伸の見込みだが、株価に過熱感がある。 | |||||
31日 | ◆日本情報クリエイト(4054・東M) 予想PER41.2倍/PBR11.59倍 | ||||
1300円 | 2210円(+70%) | 2029円 | 3000円 | 買い | |
【分析コメント】不動産事業者向けソフトウェアサービスの導入実績は6000社超。不動産業界でもテレワーク導入などICT利活用の機運が高まる。 | |||||
31日 | ◆Sun Asterisk(4053・東M) 予想PER90.4倍/PBR20.79倍 | ||||
700円 | 1209円(+73%) | 1597円 | 1800円 | 中立 | |
【分析コメント】スタートアップ支援。マネーフォワードのサービスも開発。ストック型売上比率が8割と高い。期待は高いが株価は過熱ぎみ。 | |||||
「買い」診断の「アイキューブドシステムズ」と
「GMOフィナンシャルゲート」は業績も話題性も高評価
ここからは、7月に新規上場した銘柄の中で、小林さんが特に注目している2銘柄を紹介していこう。
まずは、法人向けモバイル管理サービスを展開するアイキューブドシステムズ(4495)だ。
アイキューブドシステムズは、社員向けスマホなどのモバイル端末の遠隔管理や機能の設定、制限などができるクラウド型サービスを提供。テレワークが拡大する中で、業績の急成長が続いている。リモートワーク関連銘柄ということで上場前から期待は高く、初値は公開価格の3倍に急騰した。
上場後も株価の上昇が続き、PERは100倍超に。ちなみに、昨年10月に上場した類似企業のHENNGE(4475)は、上場後に株価が初値の3倍まで上昇し、PERが500倍超となっている。アイキューブドシステムズに関しても同水準のPERを想定するなら、今後1年間の目標株価は1万円となり、現在の株価(9月4日時点で7350円)から考えると、まだまだ上値余地がある。
新型コロナウイルスの感染拡大が収束しても、端末を通じたリモートワークの管理ができるサービスへの需要は長期で続く見通し。さらに、アイキューブドシステムズは利益率も高く、利益の急成長が期待できる。テーマ性や収益モデルが評価されており、高PERでも買われる所以だ。
続いて、小林さんが注目するもう一つの銘柄は、決済処理サービスを提供するGMOフィナンシャルゲート(4051)だ。
GMOフィナンシャルゲートは、クレジット決済や、各種電子マネー、ポイントサービス機能を搭載した決済端末を販売する企業。上場前からキャッシュレス決済の拡大を背景に、成長イメージが描きやすく、また公開規模も12億~13億円と小規模だったため、需給面でも初値が急騰しやすかった。実際に、初値は公開価格の2.5倍まで急騰している。
現状は端末販売の収益割合が高いとみられるが、今後はキャッシュレス決済のプラットフォーマーになる期待も。ウィズコロナ時代の新しい生活様式として、店頭での非接触型決済の需要が増加していることも、GMOフィナンシャルゲートにとってはプラスに働く。
今期の業績の進捗率は順調で、上方修正を発表する可能性も。年20~30%の1株利益成長が期待でき、高PERを維持しながら、長期で株価上昇が続くポテンシャルがある。三井住友カードで展開する決済プラットフォーム「stera」も株価押し上げの材料になりそうだ。
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【2024年12月2日時点】
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◆SMBC日興証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2023 | 2022 | 2021 | ||
19社 52社 |
24社 47社 |
26社 80社 |
10%:1人1票の平等抽選 最大5%:「ステージ別抽選」※1 |
345万 |
【ポイント】 大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。 ※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。 |
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◆SBI証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2023 | 2022 | 2021 | ||
21社 91社 |
13社 89社 |
21社 122社 |
60%:1単元1票の平等抽選 30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分 10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分 |
1245万 ※ |
【ポイント】 ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる。当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。 ※SBIネオトレード証券、FOLIOの口座数を含んだSBIグループ全体の口座数。 |
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※ 主幹事数、取扱銘柄数はREITを除く。口座数は2023年12月末時点。 |