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オバマ大統領が再選なら、米国株式市場はネガティブ!その2つの理由とは

【第233回】 2012年10月1日公開(2025年6月3日更新)
広瀬 隆雄
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 【今回のまとめ】
1.米国株式市場は調整色が強まっている
2.市場参加者はスペイン情勢と米国の経済指標の悪化を懸念している
3.大統領選挙戦はオバマ大統領がリードを広げているが、オバマ勝利の際は「ねじれ構造」になる恐れがある
4.「財政の崖」を切り抜けようとする際、「ねじれ構造」は機動的ではなく、株式市場にとってマイナス
5.福祉受給権制度の改革もウヤムヤになる恐れがある

調整の兆しを見せる米国市場

 米国の株式市場は先週(9月24日~28日)の5立会日のうち、4日で下落しました。週間ベースではダウ工業株価平均指数が-1%、SP500指数が-1.3%、ナスダック総合指数が-2%でした。

 現在、市場参加者が最も心配しているのはスペイン情勢です。

 スペイン政府は同国の銀行ならびに地方政府を救済するために、財政赤字削減の目標を達成できなくなるのではないかという懸念があります。

 さらに、先週は米国の経済指標も予想を下回るものが相次ぎました。

 米国の8月の新規住宅販売件数は37.3万件と予想を下回ったほか、第2四半期のGDP成長率確報値も+1.3%と予想より大幅に少ない数字でした。さらに8月の耐久財受注が-13.2%と急減したことは、投資家をかなり驚かせました。

10月3日(水)の大統領TV討論会に注目

 今週、水曜日に共和党のミット・ロムニー候補民主党のオバマ大統領との間で第1回目のTV討論会があります。

 TV討論会は全部で3回(10月3日、16日、22日)計画されており、今回はその第1回目です。

 現在の両候補の支持率はオバマ候補が48.9%ロムニー候補が44.6%(いずれもリアルクリアポリティクス調べ)となっています。

 大統領選挙の結果は各州の選挙人団得票数(Electoral college)によって決まりますが、その基準では現在、オバマ候補が265点に対しロムニー候補は191点を獲得すると見られています。どちらにも転がる可能性のある、いわゆるスウィング・ステートは82点です。

 これはオバマ大統領がリードを広げていることを意味します。

 ロムニー候補は、どちらにでも転ぶ可能性があるオハイオ、バージニア、フロリダの各州で全て勝利することが形勢逆転のために必須となっています。しかし現在のところ、これらの3つの州ではロムニー候補はオバマ候補に10%程度の差をつけられています。

オバマ大統領優勢は株式市場にとってマイナス?

 さて、株式市場にとって大事なことは、オバマ大統領が勝ちそうになると、多分、市場はそれを嫌気するだろうということです。

 これには2つの理由があります。

 まず、歴史的にウォール街はお金持ちを優遇する政策に傾斜している共和党を支持する人が多いことが挙げられます。

 またオバマ大統領が勝った場合、大統領は民主党で、議会は共和党という「ねじれ構造」が起こり、財政赤字削減などの問題において何も決まらなくなる危険性があるということです。

 今年の年末には、いわゆる「財政の崖」という問題が起こります。これはブッシュ大統領の時代からずっと継続してきた諸々の景気支援のプログラムが2012年の年末で自動的に満了を迎えることを指します。

 もちろん支出の削減は予算の健全性という見地からはよいことなのですが、余りに多くのテコ入れ策が年末に相次いで終了してしまうと、瞬間風速としてGDPが年率換算で2%以上落ち込むという見方もあり、これを回避するためには各景気支援プログラムの延長ができるかどうかがカギを握っています

 上に述べた「ねじれ構造」の下では、景気支援プログラムの延長は実現しにくくなります。

 また、長期的には財政の健全化を図るには、所謂、福祉受給権制度の改革が必要となります。福祉受給権制度とは、日本でいう年金に相当する社会保障や医療保険制度などを指します。これらは政府の支出の実に3分の2を占めています。

具体的には、
・社会保障(Social security):公的な年金 2010年度の支出額6900億ドル
・メディケア(Medicare):高齢者向け医療保険 同5184億ドル
・メディケイド(Medicade):低所得者医療保険制度 同4054億ドル
・収入補助(Income maintenance): 同2645億ドル
・失業保険(Unemployment insurance) 同1395億ドル

などです。

 共和党はミット・ロムニー候補が副大統領候補として下院財政委員長のポール・ライアン議員(ウィスコンシン州、共和党)を指名したとき、この問題を積極的に取り上げる姿勢を見せました。

 しかしその後、ロムニー候補の支持率が低迷したことで、この議論はうやむやになりつつあります。

 このまま本当に“うやむや”になった場合、格付け機関が米国の長期国債格付けを引き下げるリスクが高まるものと思われます。

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