【今回のまとめ】
1.シェールガス開発を可能にしたのは水平掘りと破砕法という技術
2.シェールガス生産にはノウハウの蓄積がモノを言う
3.増産の結果、米国の天然ガス価格は低迷している
4.生産調整はほぼ一巡
5.天然ガス価格低迷でも儲けている企業もある
シェールガスの復習
シェールガスは水中に堆積した泥が固まって出来た、頁岩(けつがん)と呼ばれる岩に閉じ込められた天然ガスです。
1970年代に米国連邦エネルギー規制委員会(FERC)がシェールガス開発のための研究開発をスポンサーしました。そしてミッチェル・エナジーと言う会社がバーネット・シェールで水平掘り、ならびに破砕法というシェールガス開発に特徴的な基礎技術利用して、初めてシェールガスの開発に成功しました。
シェールガスの生産には手間がかかる
シェールの掘削ではまず垂直に掘り進みます。地下水の場所を通過した後、ケーシングと呼ばれる型枠を降ろし、コンクリートを流し込み、パイプを作ります。これで地下水と縦穴を完全分離し、石油、天然ガス、特殊液などが地下水に混じらないようにします。
さらに掘り進み、地下5000メートル付近でシェール層にぶちあたったら、今度は自走式ドリルに換えます。自走式ドリルは自分で方向を感知して掘り進んでいくことが出来ます。そうやって今度は水平方向に1000から3000メートルくらい掘ります。
横穴が掘れたら、コンクリートを流し込んで、しっかりと固定します。次にパーフィングガンと呼ばれる金属製の、ところどころに穴の開いた管を入れて、その内側でダイナマイトを爆破させます。爆風が飛び出し、コンクリートの土管もろともシェール層に亀裂が入ります。
亀裂が入ると今度はプロパントと呼ばれる特殊液を注入します。この特殊液には、つるつるの細かいセラミックのボールが混ぜてあり、特殊液を高圧力で注入した後、それを吸い上げるとセラミックだけが亀裂の裂け目に残って、ガスの流れを良くします。
この説明でわかるように、とても手間がかかり、生産ノウハウを必要とするのがシェールガスの特徴です。
現在の生産状況と見通し
下は米国の天然ガスの生産高です。この中には伝統的な手法による天然ガス開発とシェールガスの両方が含まれています。

長期の生産高予想は下のようになっています。

なおタイトガスというのは、シェール層の近くにあるタイトサンドに含まれた天然ガスを指します。
米国は既に世界で最も多く天然ガスを生産しています。

天然ガスの増産でこのところ天然ガス価格は低迷しています。現在は3ドル68セントです。

今後米国の天然ガス価格は4ドルから5ドルの間くらいで推移すると思われます。
リーマンショック後、天然ガス価格が低迷した際、採算が取れなくなった天然ガスのリグ(赤)の多くが休止しました。それと引き換えにシェールオイルのリグ(青)が増えました。

天然ガスのリグが休止するということは、供給が減る事を意味し、将来の天然ガス価格にとっては強気材料です。言い換えれば、生産調整はほぼ完了したということです。
銘柄選択では天然ガス価格低迷でも利益を出している企業を選べ
既に述べたようにシェールガス開発はノウハウによって操業効率が大きく変わるビジネスであり、同じ価格環境でも利益が出せる企業とそうでない企業があります。
天然ガス価格が4から5ドルの間で推移する限り、しっかりと経営されている石油・天然ガス探索・生産会社は十分利益を出すことが出来ます。
パイオニア・ナチュラル・リソーシズ(ティッカーシンボル:PXD)の主力油田はテキサスのパーミアン・ベイシンにあるスプラベリー油田とイーグルフォード油田です。石油/天然ガス比率は75:25です。

同社は強気の増産計画を持っており、2015年にかけて、毎年13~18%程度、シェールオイルを増産してゆく計画です。
EOGリソーセズ(ティッカーシンボル:EOG)はシェールガス企業としては最大級で堅実に経営されています。

同社の主力油田はテキサス州のイーグルフォードです。またノースダコタ州バーケンでも操業しています。同社は天然ガスに関しては悲観的な見方をしており、シェールオイルに傾斜した経営をしています。バランスシートは強固です。
サウスウエスタン・エナジー(ティッカーシンボル:SWN)はアーカンソー州フェイエットヴィルに天然ガス田があります。同社はシェールオイルを持っておらず、天然ガスだけに依存しています。その関係で最近の天然ガス価格の低迷は同社の業績の足をひっぱってきました。しかし経営効率は良く、厳しい価格環境の中でちゃんと利益を出している点は評価できます。

同社は効率経営に徹しており操業コスト1.20MCFEは業界でも最低クラスです。負債比率は36%です。また生産する天然ガスの約半分がヘッジ4~5ドルでヘッジされています。
【※米国株を買うならこちらの記事もチェック!】
⇒米国株投資で注意が必要な「為替」と「税金」とは?「特定口座(源泉徴収あり)」か「NISA口座」で投資をして、口座内に「米ドル」を残さないのがポイント!
| ※証券や銀行の口座開設、クレジットカードの入会などを申し込む際には必ず各社のサイトをご確認ください。なお、当サイトはアフィリエイト広告を採用しており、掲載各社のサービスに申し込むとアフィリエイトプログラムによる収益を得る場合があります。 |
【2025年12月1日時点】
「米国株」取扱数が多いおすすめ証券会社 |
| ◆SBI証券 ⇒詳細情報ページへ | |
| 米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
| 約4900銘柄以上 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
|
【SBI証券のおすすめポイント】 |
|
| 【関連記事】 ◆【SBI証券の特徴とおすすめポイントを解説!】株式投資の売買手数料の安さは業界トップクラス! IPOや米国株、夜間取引など、商品・サービスも充実 ◆「株初心者&株主優待初心者が口座開設するなら、おすすめのネット証券はどこですか?」桐谷さんのおすすめは松井、SBI、東海東京の3社! |
|
| ◆楽天証券 ⇒詳細情報ページへ | |
| 米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
| 約5100銘柄以上 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
| 【楽天証券おすすめポイント】 米国、中国(香港)、アセアン各国(シンガポール、タイ、マレーシアなど)と幅広い銘柄がそろっており、米国株の信用取引も利用可能! 指定の米国ETF15銘柄については買付手数料が無料で取引ができるのもお得。米ドル⇔円の為替取引が0円と激安! さらにNISA口座なら、米国株の売買手数料が完全無料(0円)。米国株の注文受付時間が土日、米国休場を含む日本時間の朝8時~翌朝6時と長いので、注文が出しやすいのもメリット。米国株式と米国株価指数のリアルタイム株価、米国株オーダーブック(板情報)、さらに米国決算速報を無料で提供。ロイター配信の米国株個別銘柄ニュースが、すぐに日本語に自動翻訳されて配信されるのもメリット。米国株の積立投資も可能。米国株の貸し出しで金利がもらえる「貸株サービス」も行っている。 |
|
| 【関連記事】 ◆【楽天証券おすすめのポイントは?】トレードツール「MARKETSPEED」がおすすめ!投資信託や米国や中国株などの海外株式も充実! ◆【楽天証券の株アプリ/iSPEEDを徹底研究!】ログインなしでも利用可能。個別銘柄情報が見やすい! |
|
| ◆マネックス証券 ⇒詳細情報ページへ | |
| 米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
| 約5100銘柄以上 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
| 【マネックス証券のおすすめポイント】 外国株式の取り扱い銘柄数はトップクラス! また、米国株の買付時の為替手数料が0円(売却時は1ドルあたり25銭)となるキャンペーンが長期継続しており、実質的な取引コストを抑えることができる。さらに、外国株取引口座に初回入金した日から20日間は、米国株取引手数料(税込)が最大3万円がキャッシュバックされる。米国ETFの中で「米国ETF買い放題プログラム」の対象22銘柄は、実質手数料無料(キャッシュバック)で買付が可能。米国株の積立サービス「米国株定期買付サービス(毎月買付)」は25ドルから。コツコツ投資したい人に便利なサービス。米国株は、時間外取引に加えて店頭取引サービスもあり日本時間の日中でも売買できる。しかもNISA口座なら、日本株の売買手数料が無料なのに加え、外国株(海外ETF含む)の購入手数料も全額キャッシュバックされて実質無料! 企業分析機能も充実しており、一定の条件をクリアすれば、銘柄分析ツール「銘柄スカウター米国株」「銘柄スカウター中国株」が無料で利用できる。 |
|
| 【関連記事】 ◆【マネックス証券の特徴とおすすめポイントを解説】「単元未満株」の売買手数料の安さ&取扱銘柄の多さに加え、「米国株・中国株」の充実度も業界最強レベル! |
|
| ◆松井証券 ⇒詳細情報ページへ | |
| 米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
| 約5000銘柄以上 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
| 【松井証券のおすすめポイント】 米国株の売買手数料は他の大手ネット証券と同水準なうえ、為替手数料は完全無料(0円)とお得!さらにNISA口座では、米国株の取扱手数料が無料に! 米国株でも信用取引が可能で手数料が業界最安水準。2025年7月から米国株のプレマーケットに対応し、日本時間18時(夏時間は17時)から取引が可能になったのもメリット。さらに投資情報ツール「マーケットラボ米国株」や専用の取引ツール、リアルタイム株価が無料、夜間での取引に便利な返済予約注文(IFD注文)、米国株専用ダイヤル「米国株サポート」や「株の取引相談窓口(米国株)」などが特徴となっている。また、米国株専用の「松井証券 米国株アプリ」は、リアルタイム株価の表示に加え、米国株の情報収集から資産管理、取引までスマホで対応可能だ。 |
|
| 【関連記事】 ◆【松井証券のおすすめポイントは?】1日50万円以下の株取引は手数料0円(無料)! その他の無料サービスと個性派投資情報も紹介 ◆「株初心者」におすすめの証券会社を株主優待名人・桐谷広人さんに聞いてみた! 桐谷さんがおすすめする証券会社は「松井証券」と「SBI証券」! |
|
| ◆moomoo証券 ⇒詳細情報ページへ | |
| 米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
| 約6300銘柄以上 | <現物・信用取引>約定代金の0.132%(上限22米ドル) |
| 【moomoo証券のおすすめポイント】 米国やカナダ、オーストラリア、シンガポール、マレーシアなどグローバルにサービスを展開するネット証券。米国株には特に力を入れており、取扱銘柄数は業界トップクラス。売買手数料も大手ネット証券の4分の1程度だ(ただし売買手数料の上限は22米ドルと他社と同水準)。さらに、為替手数料が無料なので、米国株の売買コストのお得さでは頭ひとつ抜け出している。米国株に関するデータや情報も充実。最大上下60本の板情報や過去20年分の財務データ、大口投資家の売買動向など、銘柄分析に役立つさまざまな情報が無料で利用できる。24時間取引に対応しているので、日本時間の昼間にも売買が可能。1ドルから米国株を買うこともできる。取引アプリには対話型AIの「moomoo AI」を搭載。米国株の基礎知識から米国市場の動向、銘柄分析まであらゆる質問に答えてくれるので、米国株初心者には力強い味方となるだろう。 |
|
| 【関連記事】 ◆【moomoo証券のおすすめポイントを解説】米国株投資家には特におすすめの米国生まれのネット証券! プロレベルの高機能ツールやAIツールも魅力! |
|
| ※ 本記事の情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新の情報は各社の公式サイトでご確認ください。 |




































