【今回のまとめ】
1.米国株式市場は堅調が続いている
2.これまでの決算発表はまずまず
3.市場参加者は再び楽観的に
4.イエレン次期FRB議長の公聴会での質疑応答に注意
米国株式市場は堅調
まずまずの決算発表を背景に、先週ダウ工業株価平均指数は+1%、S&P500指数は+0.9%、ナスダック総合指数は+0.7%上昇しました。
S&P500採用企業の利益は、今期3.3%成長すると見られています。

セクター別ではこのところの原油価格の軟調さを受けてエネルギー・セクターが冴えないことを除けば、まずまずです。

事前の市場コンセンサス予想に対して、結果がどうだったか? という尺度では、62.6%が予想を上回っています。

強いて言えば来期以降のガイダンスを引き下げる企業が普段より多いのが気になるところです。
市場参加者は再び楽観的に
市場参加者のセンチメントを見ると、強気(ブル)が先週の42.3%から49.5%へ増えました。一方、弱気(ベア)は先週の21.6%から18.5%に減っています。

ブルベア指数は、いわゆる逆指標です。だから強気が多くなると相場は天井に近くなり、弱気が多くなると相場は大底に近くなるという風に解釈されます。
大体の目安として、強気が50%を超えると同時に、弱気が20%を割り込むと危険水域です。50-20=30で、強気から弱気を引いた差が30以上になると、そろそろ危ないのです。これを現在の数値に当てはめると、31になっています。

今回、強気-弱気が31にジャンプした背景には、米国政府機関の一部閉鎖問題、債務上限引き上げ問題などが片付き、不安要因が無くなったと投資家が感じているからだと思います。
次のポイントはイエレン次期FRB議長の上院での質疑応答
ジャネット・イエレン次期米国連邦準備制度理事会(FRB)議長の上院承認投票は11月のある時点で行われると言われています。具体的な日取りは未定です。
一部の共和党上院議員は、この投票に際して、議事妨害をすると予告しています。
FRB議長は大統領が指名しただけではダメで、上院がそれを承認しなければいけません。承認するためには、上院で二回の投票が行われます。それは、
1.審議打ち切り投票
2.本投票
です。
審議打ち切り投票はクロ―チャー投票と言われる場合もあります。これには上院100議席のうち60人の議員がOKする必要があります。この60票を確保しようと思えば、全ての民主党議員がイエレン候補(=彼女は民主党が推した候補です)の支持に回るだけでは不足です。共和党上院議員の中からも支持者がでてこないといけないのです。
クロ―チャー投票は「後が無い」投票ではないので、議員サン達のホンネが出やすいです。つまり(反対の意思表示をするなら、クロ―チャー投票の際にしておこう)と考える議員が多いのです。
ひとたびクロ―チャー投票で60%の賛成が確保できれば、すみやかに本投票へ移ります。本投票での必要票数は単純過半数ですから51票です。つまり本投票の方がハードルは低いのです。
下馬評ではクロ―チャー投票でイエレン次期FRB議長は60票を確保できると言われています。しかし、嫌がる一部共和党上院議員にも配慮した答弁をする必要があるので、上院での質疑応答では思わぬタカ派的コメントがイエレン氏から発せられる可能性もあります。
その場合、アメリカ株は売られるでしょうし、ドルは強くなると考えられます。
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| ※ 本記事の情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新の情報は各社の公式サイトでご確認ください。 |



































