6月~7月といえばボーナスシーズン。すでに、嬉しい夏のボーナスが支給された人も多いでしょう。せっかくもらったボーナスを、どこかお得な銀行に預けたい、と考えている人もいるかもしれません。そこで、今回は銀行のおすすめのボーナスキャンペーンと、キャンペーンを利用する際の注意点をお話しします。
ボーナス時期は、百貨店や家電量販店などにとって稼ぎ時。それと同時に、銀行にとっても大事な稼ぎ時です。パーッとボーナスを使ってしまう人もいるでしょうが、どかんと定期預金に入れる人も一定数いるので、銀行からすると預金を増やすチャンスだからです。
私が信金に勤めていたときにも、ボーナス前の時期には対策チームが編成されて、チームのメンバーには定期預金(純増)のノルマも課せられました。当時、私は埼玉県の浦和という街で働いていましたが、浦和にある主な企業のボーナス支給日は、大体把握していたくらいです。
銀行が自分達にボーナスを預けてもらうためにやることといえば、今も昔もキャンペーンです。キャンペーンの内容はさまざまですが、ポピュラーなのは次のようなものです。
●定期預金の金利優遇
●投資信託と定期預金をセットで契約すると、定期預金の金利優遇
●賞品プレゼント
大体このようなところでしょうか。ちなみに、私が勤めていた信金では、定期預金を新たに預けてくださったお客さまに、地元サッカーチームとコラボしたグッズをプレゼントしていました。もし、どうしてもほしい賞品があるような場合は、そのような賞品を目当てに定期預金を開いてもいいと思います(思うツボではありますが)。
銀行のボーナスキャンペーン選びの注意点①
どう見ても高金利のときは、適用される期間をチェック!
ただ、注意しておきたいのは金利です。通常、銀行預金の金利は「年利」で表示されています。年利とは、1年間を単位として定めた金利です。つまり、1年定期で金利0.1%とあった場合、100万円を預けたら、1年で1000円の利息がつくことになります(税引前)。
しかし、定期預金の金利優遇キャンペーンの中には、「金利1%」などと高金利が掲げられていても、よく見ると「3カ月もの」であったりする場合があります。誤解されがちですが、これは「100万円を預けると、3カ月で1%=1万円の利息がつく」という意味ではありません。
繰り返しになりますが、銀行預金の金利は常に年利表示です。金利は日割りで計算されるので、もらえる利息は次のように計算します。
●預入金額×年利÷365日×預入日数=利息額
もし、100万円を年利0.1%で1年間(365日)預けるなら、
●100万円×0.1%÷365日×365日=1000円
となります。これに対し、100万円を年利1%で7~9月の3カ月(92日)間預けるなら、
●100万円×1%÷365日×92日=約252円
となります。つまり、3カ月は1年の4分の1ですから、表示されている金利を4分の1にした分しか金利がつかないわけです。
銀行のボーナスキャンペーン選びの注意点②
抱き合わせで販売されている投資信託を安易に買わない
もう一点、注意したいのは、定期預金と投資信託が抱き合わせで販売されているキャンペーンです。最近は、銀行も投資信託の販売に力を入れているので、定期預金と投資信託を絡めたキャンペーンも増えています。
定期預金と投資信託がセットで販売されるキャンペーンは、定期預金の金利が高めになっているはずです。その金利に釣られて、“ついで”のような感じで、深く考えずに投資信託を買ってしまうのはNG。本当に買ってもいい投資信託なのか、見極める必要があります。
個人的には、「投資信託」を買うのであれば、銀行よりも証券会社のほうがおすすめです。なぜなら、証券会社のほうが、投資信託の商品数が圧倒的に充実しているからです。
なおかつ、投資信託にはお申込手数料というコストがかかって、これは販売している銀行や証券会社ごとに異なるのですが、比較してみると総じて証券会社(特にネット証券)のほうが安いです。銀行でもネット銀行は安いですが、普通の銀行はやや高く設定されている印象です。
投資信託は、ローリスクなものから超ハイリスクなものまで、バラつきのある商品です。リスクの低い投資信託はコストが安く、ハイリスクな投資信託はコストも高い傾向にあります。
銀行はどうしてもコストが高い(銀行が儲かる)商品を売りたがります。そのため、キャンペーンで定期預金とセット販売されている投資信託のリスク度合いや手数料水準は、しっかり見極めなければなりません。
もし、キャンペーンになる以前からその投資信託に興味があったのなら、好機と考えて買ってみてもいいかもしれません。しかし、セットされた定期預金金利に釣られて、考えなしに買うのはやめておいたほうが無難でしょう。
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