<今回のまとめ>
1.米国株は売り買いが拮抗している
2.木曜日のFOMCが重要
3.米国内の要因を見れば利上げ条件は整った
4.諸外国に目を転じると利上げしにくい状況にある
5.FRBは世界を混乱させるタイミングで利上げしたくない
6.今回のFOMCでの利上げの可能性は低い
7.利上げが無かった場合でも行動は慎重に
FOMCを控え売り買いが拮抗するNY市場
米国の株式市場は8月中旬の急落の後、三角保合いを形成しています。

このチャートを見ると、下値が着実に切り上がっています。これは「安いところがあれば、買いたい」という投資家が待ち構えていることを示唆しています。その反面、上値にはしつこい売り物が控えており、買い手と売り手が拮抗していることを感じさせます。
連邦公開市場委員会(FOMC)に注目
この睨み合いの状況を打破するイベントが、今週木曜日に控えています。それは9月16・17日の二日間にわたって開催される連邦公開市場委員会(FOMC)です。今回のFOMCでは、リーマンショック以降、実に7年10か月ぶりに米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レートが利上げされるかどうかに注目が集まっています。

現行のフェデラルファンズ・レートは0~0.25%です。ゼロ金利に限りなく近づくと、政策金利をピンポイントで一定水準に固定することが技術的に困難になります。0~0.25%という風にある程度幅を持たせてあるのはそのためです。
今回のFOMCではそれを0.50%へ引き上げるかどうか? が決められるわけです。
米国内の景気だけを見ればそろそろ利上げすべき時期だ
米国の失業率は既に5.1%まで下がってきており、これは米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)が目指している理想の失業率に達しています。

そろそろ利上げした方が良いとする意見は、この失業率に代表される、米国の経済指標の強さを根拠にしているわけです。
世界に目を転じると不確実性が満載
ただ世界に目を転じると、不確実性に溢れています。
まずここへきて中国経済が明らかに減速しています。下は中国の輸出と輸入のチャートですが、明らかに変調が見られます。

景気を支援するため、中国人民銀行は中国人民元を切り下げました。下のチャートは上に行くほど人民元安になっていることを示しています。

中国が自国の通貨を安く導くと、その他の国々の相対的な競争力が低下します。このため世界の新興国の通貨が連鎖的に安くなる現象が起こります。
このように世界のマーケットはいま神経質になっているのです。そこで「わざわざこの時期を選んでFRBが利上げする必要があるのか?」という論調が強くなっています。
FRBは世界同時株安の主犯になりたくない
普通、FRBは米国の経済だけに注目しており、諸外国の事情は、考慮しません。
しかし例外としてそれに配慮することはあります。それは世界の投資家のセンチメントが極めて脆くなっており、ほんの少しのことでパニックを引き起こしかねない場合です。
現在の投資家のセンチメントは、極端にリスクに敏感になっています。

このような時に、わざわざ投資家の神経を逆なでするようなことは、FRBはしません。
私が「今回のFOMCでの利上げの可能性は小さい」と考える理由はここにあります。
ただ利上げが無かったから「もうこれで安心、米国株は買いだ!」という風にGOサインが出るか? といえば、それは微妙な気がします。
いまはじっくり状況の見極めが必要なときであり、軽率な見切り発車は禁物です。
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