アップルやアルファベットの悪決算で
ナスダック総合指数のチャートが崩れ始めた
先週の米国株式市場はダウ工業株価平均指数とS&P500指数が-1.3%、ナスダック総合指数が-2.7%でした。
ナスダック総合指数の下げがきつかったのはアップル(ティッカーシンボル:AAPL)やアルファベット(ティッカーシンボル:GOOGL)、ギリアド・サイエンシズ(ティッカーシンボル:GILD)などのテクノロジーならびにバイオテクノロジー企業が相次いで落胆すべき四半期決算を発表したからです。
これで主要指数の年初来パフォーマンスはダウ工業株価平均指数が+2.0%、S&P500指数が+1.0%、ナスダック総合指数が-4.6%になりました。他の主要株価指数に比べてナスダック総合指数だけがこれだけ劣後することは珍しいです。
しかしテクニカル・チャートから判断するとナスダック総合指数の下げはまだ始まったばかりのように見えます。

今年の2月中旬に底値を付けて以来、先々週まで続いていた上昇トレンドは崩れてしまいました。
また去年の7月と12月の高値を今回の高値と比べると、だんだん高値が切下がっていることがわかります。これは「ロウアー・ハイ」と言って、テクニカル分析の見地からは悪いパターンです。
原油安により米国のシェールガス生産量が下落、
2014年夏から下落していた原油価格は反発に転じる
一方原油価格は2014年の夏からずっとダラダラ安が続いていたのですが、ここへ来て下降トレンドラインを破り、明らかに上昇に転じています。

これは米国のシェール油井の大半が、折からの原油安で不採算となった結果、活動を停止したことによります。

北米ロータリー・オイルリグ稼働数はピークの1609本から現在は僅か332本と-79%も激減しました。
これを受けて北米の原油生産高もハッキリと減少傾向となっています。

つまり今回の原油価格の高騰は、明らかに生産調整がもたらした需給好転に根差したものなのです。
テクノロジーセクターからエネルギーセクターへ
機関投資家の資金シフトに注意が必要
これまでテクノロジーとヘルスケアはS&P500指数のそれぞれ20%と15%を占める、重要なセクターでした。

その大きなセクターの見通しが暗転しているので、機関投資家の資金はその他のセクターに移動しはじめています。その資金の行先は、エネルギー・セクターだと思います。
過去25年間の平均ではテクノロジー・セクターは15.9%でした。すると上で見た現在の20%というのは歴史的に見て高すぎる比率だと論じることが出来るかもしれません。

過去にテクノロジーがこれほど大きな比率を占めたのは2000年のドットコム・バブルの時であり、当時は35%を占めていました。
一方、エネルギーは過去25年の平均が9.2%なので、現在の7%はアンダーウエイトになっていると言えます。
つまりポートフォリオのリバランスの考え方からすれば、テクノロジーを減らしてエネルギーを増やすということをファンドマネージャーは考えると思うのです。
これから狙いたい石油関連銘柄
エクソン・モービル、シェブロンなど
そこで石油関連の銘柄ですが、まずエクソン・モービル(ティッカーシンボル:XOM)を挙げないわけにはゆきません。これは世界の大手石油会社の中で最もしっかり経営された企業です。
またカリフォルニアに本社を置くシェブロン(ティッカーシンボル:CVX)も良いと思います。
シェールオイルの探索・生産ではパイオニア・ナチュラル・リソーセズ(ティッカーシンボル:PXD)、ヘス(ティッカーシンボル:HES)あたりが良いと思います。
石油サービスではシュルンベルジェ(ティッカーシンボル:SLB)とトランスオーシャン(ティッカーシンボル:RIG)にも注目です。
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