2015年度版【ふるさと納税ランキング～焼酎編①】ふるさと納税で焼酎がもらえる東日本の自治体を比較「焼酎」がもらえるコスパ最強の自治体はココだ！

「ふるさと納税」の特典に「焼酎」がある自治体は300以上！
2回に分けて、コストパフォーマンスがいい自治体をランキング！

 2000年代前半に起こった「本格焼酎」ブーム以来、若い人たちの間にもしっかり浸透している「焼酎」。糖質がほぼゼロで、プリン体も少ないことから、健康を気にする人たちにとっても安心して飲めるお酒として人気が高い。

 そんな「焼酎」を「ふるさと納税」の特典として提供している自治体は全国で300以上もあり、人気ジャンルのひとつとなっている。

 そこで今回はザイ・オンライン編集部が独自に「ふるさと納税の特典に焼酎がある自治体」を調査。通常はジャンル別にランキング化するところ、「焼酎」は自治体数が多いので「東日本」と「西日本」の2回に分けてランキングを作成し、紹介していく。

 第一回目となる今回は「ふるさと納税ランキング～焼酎編」の東日本エリアだ。そもそも「焼酎」の自治体別の生産量では鹿児島県、宮崎県、大分県、福岡県、熊本県などの九州地方がトップ10にランクインするほど明らかに西日本のほうが生産は盛んなのだが、北海道や関東地方（千葉県、群馬県、埼玉県、茨城県）の自治体も上位にランクインしているので期待したい。

 それでは、ランキング発表の前に、改めて「ふるさと納税」について簡単に説明しておこう。

「ふるさと納税」とは“納税”と銘打っているが、要するに各自治体への寄付金制度。寄付した翌年に、寄附金控除の適用下限額である2000円を超える部分は、一定の上限まで所得税・個人住民税から全額が控除の対象となる。例えば控除の対象となる寄付金上限額が5万円の人の場合、適用下限額である2000円を引いた額、すなわち4万8000円が控除対象額となるのだ。

 さらに！ 制度改正により2015年から控除額が約2倍にUP！ つまり昨年までの控除額が3万円だった人なら、今年は6万円ほどを寄付しても、実質負担額は2000円で済むようになっている。

 しかも！ 2014年まではサラリーマンでも、寄附金控除を受けるために確定申告をする必要があったが、2015年からは寄付先が年間5自治体までであれば確定申告が不要な「ワンストップ特例制度」も創設されている。

 要するに、控除対象額以内におさえれば実質負担額は2000円のままで、よりお得に、よりお手軽な仕組みに進化しているのだ。もはや「ふるさと納税」は「やらなきゃ損する」お得な節税対策と言えるだろう。
※2000円以外が戻ってくる上限額の詳細は下記の記事を参照！
⇒4月1日からふるさと納税のお礼品を申し込もう！ 寄附できる限度額やワンストップ特例の解説、都城市など5つの人気自治体とお礼の品も紹介！

「ふるさと納税」の復習が済んだところで、「ふるさと納税ランキング～焼酎編」の東日本エリアを紹介していくのだが、「焼酎」の味や種類、ブランドによる優劣は個人の好みに大きく左右されるので、今回は「寄付金に対してもらえる焼酎の量＝コストパフォーマンス」を選定基準にランキングを作成した。では、東日本の「焼酎」ランキングを発表しよう！

【第1位】1万円で「しそ焼酎が3600ml」！
焼酎の超有名ブランド「鍛高譚（たんたかたん）」が
たっぷりもらえる「北海道白糠町」

 「ふるさと納税ランキング～焼酎編」の東日本エリアでは、同率1位に2つの自治体がランクイン。最初に紹介するのは「北海道白糠町（しろぬかちょう）」だ。

「白糠町」に1万円を寄付してもらえるのは、2000年代前半の「本格焼酎」ブームで全国区となった、しそ焼酎の超有名ブランド「鍛高譚（たんたかたん）」の一升瓶2本（1800ml×2本）、合計3600mlだ。

「鍛高譚」は、しその香りが口内に広がる爽やかな風味で多くのファンを獲得してきたが、「白糠町」はどうして「鍛高譚」を大盤振る舞いできるのか？ 実は「鍛高譚」の原材料の「しそ」は「白糠町」で栽培されているのだ。町内の「鍛高（たんたか）地区」は、「鍛高譚」のヒットを受けて名前がつけられたほど、「鍛高譚」で使用される「しそ」の栽培が「白糠町」にとっては大きな事業になっているようだ。

 とはいえ、「白糠町」が「ふるさと納税」で返礼品を用意し始めたのは2015年10月からとのことで、まだまだ注目度は高くない自治体と言える。「鍛高譚」のほか、「毛がに」や「ししゃも」、「いくら」などの海産物の特典も豊富なので、ぜひ一度、チェックしてみよう。

 この記事の最後には「白糠町」の「ふるさと納税」担当者へのインタビューも掲載しているので一読してもらいたい。

【同率2位】5000円で「稗（ひえ）焼酎が1440ml」！
雑穀の生産が盛んな「岩手県花巻市」でもらえるのは
全国的にも珍しい「稗（ひえ）」が原料の焼酎！

 同率2位には「5000円で1440ml（もしくは1万円で2880ml）」がもらえる5つの自治体がランクイン。

 最初に紹介するのは、5000円の寄付で全国的にも珍しい雑穀の「稗（ひえ）」を原料にしたアルコール度数25度の焼酎「稗造君（ひえぞうくん）25度」が1440ml（720ml×2本）もらえる「岩手県花巻市」だ。

「稗（ひえ）」はイネ科の植物で、日本では縄文時代前期から東北や北海道で栽培されており、特に岩手県では主食として育てられていたという。現在でも「花巻市」は主要6穀（ひえ、あわ、はとむぎ、いなきび、たかきび、アマランサス）の国内最大規模の生産地で、「稗造君」はまさに「花巻市」ならではの焼酎ということになる。

 香りは控えめで、ほんのり甘く、飲みやすい仕上がりになっており、ロックでもストレートでもお湯割りでも、どんな飲み方でも楽しめる焼酎に仕上がっているという。

「稗造君」のように珍しい焼酎を発見して楽しめるのも「ふるさと納税」の大きな魅力のひとつ。「花巻市」の「ふるさと納税」サイトで、ほかの特典もチェックしてみよう。

【同率2位】1万円で「4種類の焼酎2880ml」！
米や麦、芋のほか、変わり種のズッキーニの焼酎まで！
バリエーション豊富な4種類の「焼酎」がもらえる「長野県」

 同率2位にランクインした自治体で次に紹介するのは「長野県」。税収や地元経済に危機感を持っている市町村の自治体が「ふるさと納税」に力を入れてランキング上位になることが多いなか、都道府県の自治体がランクインするのは珍しいケースと言える。

 そんな「長野県」に1万円を寄付するともらえるのが「古屋の焼酎4本セット」。長野県佐久市にある「古屋酒造店」が製造・販売する「米焼酎 麗容（720ml）」「麦焼酎 麗容桜（720ml）」「芋焼酎 烏龍白龍（720ml）」に加えて、珍しい「米とズッキーニの焼酎（720ml）」の4種類、合計で2880mlの焼酎がセットでもらえる。バリエーションが豊富なうえに、量も多いので焼酎好きな人にはぴったりの特典だろう。

 なかでも「米とズッキーニの焼酎」はあまり見かけない変わり種だが、ほのかにズッキーニの青みを感じる香りと、スッキリした口当たり、やさしい甘みが特徴とのこと。脂っこい料理との相性が抜群で、ロックまたは冷やして飲むのがおすすめだという。

「長野県」では日本酒やワインのほか、味噌やフルーツ、さらには県内の宿泊施設の割引券（1万円の寄付で5000円割引！）など、還元率が高い特典がたくさんあるので見逃せない。

【同率2位】5000円で「酒粕焼酎など1440ml」！
秋田名物＆湯沢名物が同時に味わえる
「ゆざわ焼酎セット」を提供する「秋田県湯沢市」

 平安時代の女流歌人・小野小町の生誕の地とも言われる「秋田県湯沢市」が「ふるさと納税ランキング～焼酎編①」東日本エリアの同率2位にランクイン。“湯”沢市の地名通り、市内には温泉が多数あり、年間100万人以上の観光客が訪れる街だ。

 そんな「湯沢市」に5000円を寄付するともらえるのが、酒粕焼酎「ブラックストーン」と、ふきのとう焼酎「ぼっけ焼酎」の2種類が味わえる「ゆざわ焼酎セット（各720ml、合計1440ml）」だ。

 酒粕焼酎「ブラックストーン」は、吟醸酒の酒粕と米麹だけを原料に使用することで、吟醸酒の華やかな香りと米の旨みをあわせ持つ湯沢名物の焼酎。一方、ふきのとう焼酎「ばっけ焼酎」は、秋田県の県花となっている「ふきのとう」を原料に使用した焼酎で、ふきのとうの香りとほろ苦さを楽しむことができる珍しい逸品。

 いずれも地域の特色を生かした珍しいものなので、焼酎好きなら一度は味わっておきたいところだろう。

【同率2位】1万円で「ヤーコン焼酎などが2880ml」！
南米・アンデス地方が発祥の野菜が焼酎に！
珍しいヤーコン焼酎がもらえる「山形県最上町」

 「【2015年度版】お得な『ふるさと納税』ランキング～牛肉編」で第1位に輝いている「山形県最上町」が「焼酎」でも上位にランクイン。

「最上町」に1万円を寄付するともらえるのは、「山形県最上町特産焼酎『さいの声』飲み比べセット」。その内容は、「さいの声」ブランドの「そば焼酎（720ml×2本）」と「ヤーコン焼酎（720ml×2本）」の合計2880ml。

 聞きなれない「ヤーコン」というのは、アンデス地方が原産のキク科の野菜で、南米ではインカ帝国の時代から健康野菜として親しまれてきたという。この「ヤーコン」の栽培に力を入れている「最上町」がつくった「ヤーコン焼酎」は、クセがなく、フルーティな飲み口が魅力とのこと。珍しい野菜を使った、珍しいお酒「ヤーコン焼酎」の味を試してみてはどうだろう。

 さて、改めて今回紹介した「ふるさと納税ランキング～焼酎編」の東日本エリアの上位5自治体をまとめると以下のとおり。

 今回紹介した5自治体はいずれも“その土地ならでは”のオリジナリティが光った焼酎を特典にしており、「ふるさと納税」でしか出会う機会がない焼酎も多いはず。5自治体以外のランキングも後日公開予定の「【2015年度版】お得な「ふるさと納税」ランキング～焼酎編①～「焼酎」で得する東日本の自治体は？」に掲載するのでお楽しみに。

 ちなみに、「ふるさと納税」を実施している自治体は1500以上に上るため、今回の調査でもすべての自治体を調べきるのは難しく、あくまで「ザイ・オンライン編集部調べ」となっている。

 もし、この記事を見て「ウチの特典の方がすごいぞ！」という自治体関係者の方や、「こっちのほうがお得だよ」という情報を持ちの方は、ぜひ下記メールアドレスまで情報をお寄せください。確認の上、追記させていただきます。
◆情報はコチラまで！

「【2015年度】お得なふるさと納税ランキング～焼酎編①」
東日本エリアでランキング第1位となった
「北海道白糠町」の「ふるさと納税」担当者を直撃！

 「お得なふるさと納税ランキング～焼酎編①」で、東日本エリアの第1位を獲得した「北海道白糠町」。多額の寄付が集まっているという「白糠町」の企画財政課で「ふるさと納税」を担当する佐々木康行さんを直撃してみた。

――白糠町は2015年10月15日から「ふるさと納税」の寄付に対して特典を送ることをスタートしたそうですね？

「はい。返礼品を設けていなかった2014年度の寄付は計15件、計205万5000円でしたが、2015年度は2015年12月末の時点で寄付件数が約5600件、寄付金総額は計1億3500万円にものぼりました」

――つまり、実質2カ月半ほどで1億円以上の寄付金が集まったということですね！

「その通りです、大変ありがたいですね。返礼品をスタートする前は1億円を目標としておりましたので、予想以上の反響があったと思います。寄付者の方々から1000件以上の声もいただいておりますが、『白糠町を初めて知りました』『通ったことはあるけど今まで特に気にしたことはなかったので、今度立ち寄ってみたい』『こんなに素晴らしい自然と特産品があるんですね』といった声をたくさんいただきまして、喜ばしい限りです」

――今回、「ふるさと納税ランキング～焼酎編」で第1位を獲得した「鍛高譚」の反響はいかがですか？

「我が町の人気ナンバー1の返礼品は『毛ガニ』なんですが、『鍛高譚』シリーズの返礼品は現時点で19種類も用意しておりまして、人気でもトップ4に入っておりますので評判は上々ですね。ちなみに『鍛高譚』は焼酎だけでなく赤い色をした『鍛高譚の梅酒』というのもありまして、こちらの人気も高いです」

――「鍛高譚」は焼酎のブランドとして全国的に有名ですから、焼酎ファンからの需要も高かったのでは？

「『鍛高譚』というブランド自体は有名ですが、その原材料となる『しそ』の産地が白糠町であるということは、『鍛高譚』を好きでよく飲んでいるという方でも、ご存知ない方も多いと思います。ですから『ふるさと納税』の返礼品で“鍛高譚＝しそ＝白糠町”ということが少しでも認知されればいいなと考えております」

――「ふるさと納税」の特典で「鍛高譚」をもらった方は、これを機に確実に覚えてくれるように思います。

「『ふるさと納税』は物産のPRはもちろん、その物産に携わっている街のPRにもなり、ひいては産業振興や経済活性化にも繋がりますので、とても素晴らしい制度だなと感じています。我が町としては、白糠町の名前を覚えてもらった後は、やはり現地に足を運んでもらえればと考えています。実際に寄付者の方々からは『今度行ってみたいです』といったお声もたくさんいただいておりますので、今後、ふるさと納税の特典に体験型のコースも加えられればと検討しているところです。そうして交流人口の増加を促して、移住・定住に結び付けていく、ひとつのツールになるように活用していきたいですね」

「白糠町」のように、年度の途中に新規に特典を発表したり、追加したりする自治体も実はかなり多く、当ランキングから漏れてしまっている自治体もあるはずだ。気になる特典や自治体の情報を随時チェックして、宝探し感覚で「ふるさと納税」を楽しんでみてもいいかもしれない。

（取材・文／日下部貴士、昌谷大介［A4studio］）

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