すっかり身近なものになった「ふるさと納税」。最近では、その過熱ぶりに警鐘が鳴らされることもありますが、2017年も引き続き大勢の人が、「ふるさと納税」によって恩恵を受けることは、ほぼ間違いないでしょう。
簡単に復習しておくと、「ふるさと納税」とは、地方自治体に寄付した金額のうち、2000円の自己負担を超えた分が、所得税から還付されたり住民税から控除されたりして、実質的に相殺されるという仕組みです(※2000円以上がすべて戻ってくる寄付金額の上限は、年収や家族構成により異なります)。
多くの自治体は、地域の特産品や、特色ある体験プランなどを、寄付の返礼品として送ってくれます。自治体の一部では、返礼品の変更や見直しなどの動きもありますが、ほとんどの自治体で2017年も引き続き返礼品を用意する方針と見られます。
ところで、2016年の年末には、さまざまなメディアで「ふるさと納税」特集を見かけました。皆さんの中にも「年内に済ませなければ!」と、年末になって慌てて「ふるさと納税」の手続きをした方は多いのではないでしょうか。実際、大晦日には「ふるさと納税」を駆け込みで申し込む人のアクセスが集中し、「ふるさと納税」のポータルサイトで決済手続きがしづらくなる、という現象も起こりました。
駆け込み納税も悪くはありませんが、私がおすすめしたいのは「年の前半に余裕を持って『ふるさと納税』の計画を立てること」です。今回は、その理由や、計画を立てる際のポイントについて解説します。
同じタイミングで申し込むと、返礼品をダメにするリスクも!
ふるさと納税の計画は「年の前半」に立てること
「ふるさと納税」がこれだけ話題になり、人気が高まったのは、2015年に特例控除額の上限が引き上げられ、自己負担額2000円を除く寄付金額の上限が2倍になったことが大きく影響しているでしょう。また、特定の条件を満たすと確定申告が不要になる「ワンストップ特例」制度がスタートし、手続きがよりスムーズになったことで、普段は確定申告をしない会社員が「ふるさと納税」を始めやすくなったはずです。
【※関連記事はこちら】
■ふるさと納税して確定申告が必要になる人とは?「ワンストップ特例」と「確定申告」の違いやそれぞれの注意点、用意すべき書類をまとめて紹介!
特例控除額の上限が引き上げられる前は、たとえば年収700万~800万円の人の場合、自己負担が2000円で済む上限金額は年間およそ5万~6万円ほどでした。しかし、2015年に特例控除額が引き上げられてからはおよそ10万~12万円寄付できるようになったわけです。
それほどの大金を寄付する場合、特に食品系の返礼品を狙っていくのであれば、計画的に寄付先を検討する必要があります。
なぜなら、年末に慌てて寄付すると、返礼品の食品が同じタイミングに集中して届いて、冷蔵庫・冷凍庫に入りきらず、急いで消費しないといけなくなったり、最悪の場合にはせっかく届いた返礼品を無駄にしてしまったりすることも考えられるからです。
あるいは、年末の忙しさの中で寄付をするヒマがなく、「ふるさと納税」し損ねてしまうパターンもあるでしょう。
このように、自己負担が2000円で済む上限金額が引き上げられた今、複数の自治体に寄付をすることも普通になっています。計画的に寄付していかないと、せっかくの「ふるさと納税」のメリットを生かしきれないことになります。よって、「ふるさと納税」の計画は年末ではなく、「年の前半」に余裕を持って立てるといいでしょう。
ふるさと納税の計画でおさえておきたい5つのポイントは?
「旬を逃さない」「4月が狙い目」などコツをつかもう
さて、「ふるさと納税」で最初にすべきことは、「自己負担が2000円で済む上限金額がどれくらいかを把握する」ことです。すでに寄付の経験がある人なら、大体のところは掴めているでしょう。会社員など、給与に大きな変動がない人なら、年の前半でもだいたいの金額はわかるはずです。
続いて、寄付金額や好みに合わせ、おおよその計画を立てていきます。たとえば、フルーツをもらいたいなら、時期が限られる場合が多いですし、食品だけにしぼるなら、一度に届かないよう、冷蔵庫や冷凍庫の空き容量に合わせた消費計画が必要です。計画を立てたら、それに基づいて、寄付する自治体にアタリを付けます。
なお、計画を立てるに当たって、押さえておきたいポイントは次の通りです。
ポイント(1)“旬”のあるものは早めにチェック!
フルーツや野菜などは“旬”の時期をあらかじめ把握しておかないと、いざシーズンが訪れたときに取りこぼしてしまうことも。たとえば、秋口にはマツタケ、年末にはイチゴがラインアップされますが、人気の品は受け付け開始の直後に募集を締め切ってしまうことがよくあります。受け付け開始の日時を調べて、早めの行動を心がけましょう。
ちなみに、2016年に届いた返戻品で、私のおすすめはイチゴの「晴れ娘」(岡山県岡山市)、トロみかん「せとか」(和歌山県紀の川市、他)。正直に言うと、フルーツは当たりはずれもありますが、これらは普通に売っているものとは別物の絶品でした。
ポイント(2)「4月」は新たな返礼品が登場しやすい
年度替わりのこの時期、返礼品の内容を変えたり、新たな返礼品を加えたりといった見直しを行う自治体が多いです。そのため、この時期にチェックすると、新しいお気に入りや、よりお得な品を見つけられる可能性が高くなります。そのため、3月までに大まかな予定を立て、4月から具体的なセレクトに入るとムダがありません。
ポイント(3)自治体のふるさと納税担当者のTwitterで情報収集
「ふるさと納税」を通じて地元の魅力をPRするため、TwitterやFacebookなどのSNSツールを使って積極的に情報発信している自治体も数多くあります。気になる自治体や応援したいところがあれば、日ごろからフォローしておくと、寄付の受付開始日をアナウンスしてもらえたり、思わぬお得な情報が手に入ったりするかもしれません。
ポイント(4)お中元やお歳暮代わりに使う手も
返礼品は自宅以外の場所へ発送を指定できる場合もあります。お盆や年末年始の帰省時期に合わせて、ビールやおせちなどを申し込んでおき、帰省時に実家で受け取るようにすれば喜ばれます。お年賀・お歳暮などのコストを浮かせることで節約にもなります。
ポイント(5)1カ所に集中して寄付を行い、高額な返礼品をもらう
特に控除額の多い人で、あちこちに分散するのが面倒な場合は、高額な返礼品も要チェックです。たとえば、
●パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデジタル製品
●ブランドメーカーの家具
●その自治体への旅行プラン
●特産品1年分
などは、寄付金額10万円以上も珍しくありません。好みのものが見つかれば、手続きの手間も少なく、返礼品の管理もラクになる方法と言えるでしょう。
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■「ふるさと納税」でパソコン・タブレットなどのデジタル製品がもらえるお得な自治体を紹介! 今からでも間に合う!節税してパソコンをもらおう!
どうしても寄付が間に合わないときにも安心!
「ポイント制度」なら慌てずじっくり選べる
ここまで計画的なふるさと納税をおすすめしてきました。ですが、多忙により、年末が近づいても寄付しきれないといった状況もあるかもしれません。そんなときの救済措置として覚えておきたいのが、一部の自治体が採用している「ポイント制度」です。
「ポイント制度」とは、「寄付金額に応じたポイントを自治体から受け取り、サイトやカタログから特産品などをポイント数に応じて選べるシステム」のこと。通常だと、寄付をするタイミングで返礼品を決めることが多いですが、「ポイント制度」なら、寄付のみを年内に済ませて、有効期限内であれば、翌年に改めて返礼品を選ぶという“時間差テク”も使えます。
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■「ふるさと納税」の特産品選びに迷ったら、「ポイント制」の自治体に寄付するのがおすすめ! 失敗しない「ポイント制」の自治体選びのコツとは?
自治体によっては、同じ返礼品の食品でも、「ポイント制度」を利用すると内容量が増えるといったオマケがつくことも。その場で一つの返礼品に決めなくてよいので、とりあえず気になる自治体に寄付しておき、後からじっくり検討して選ぶことも可能です。
「ポイント制度」を採用している自治体は、「ふるさとチョイス」「ふるぽ」「ふるなび(特にグルメポイント)」などのポータルサイトで検索できます。
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■ふるさと納税の8大関連サイトを徹底比較! 最も便利なサイトはどこ?取扱い自治体数や特典は? ザイがおすすめするサイトはここだ!
いずれにせよ、あらかじめ計画を立てておくことで、こういったポイント制度や高額返礼品を想定した集中寄付などの手段をとるという戦略を立てることができます。ぜひ、余裕のある今のうちに、今年のふるさと納税計画を練っておきましょう。
(取材・構成/麻宮しま)
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