シリコンバレー企業にとって最大の財産は
ソフトウェア・エンジニア
フェイスブックやグーグルに代表されるシリコンバレーの企業にとって最も重要な投資は「人への投資」です。
IT企業は、より使いやすいサービス、より賢いAI(人工知能)、より信頼できる個人情報の管理などを実現するため、絶え間ないアップグレードや新しい試みの導入を行っています。つまり、IT企業間の「軍拡競争」に終わりは無いのです。
その「軍拡競争」において中心的な役割を果たすのが、ソフトウェア・エンジニアです。
だから企業は、良い人材を獲得するために熾烈な戦いを繰り広げています。従業員ストック・オプションなどの報酬を弾むことはもちろん、素敵なオフィス環境やお洒落なカフェテリアなどのアメニティーも整備します。
また世界の企業は、2016年だけで3590億ドルを社員教育のために使いました。つまり、社員教育はビッグ・ビジネスなのです。
ソフトウェア・エンジニアのスキルは
すぐに陳腐化してしまう
ところが近年、イノベーションのサイクルはどんどん短くなっているし、IoT(Internet of Things)、ビッグデータなど、新しい要素が次々に加わっています。
企業は、それらの最先端のものを「待った無し」に取り入れてゆかなければなりません。
すると、どんなにスキルの高い、若くて優秀なエンジニアでも、日進月歩のテクノロジーの進化についてゆくためには、絶え間なく新しいことを学び、自分のスキルを常に最先端のものにしておく必要が出ます。
プルーラルサイトは
ITのプロに対する継続教育を行うサイト
プルーラルサイト(ティッカーシンボル:PS)は、そのような企業やそこで働く個人のニーズに応えるため、実に6850にものぼる様々なオンラインコースを設けた、ITのプロたちの継続教育を行うサイトです。もちろん、新しいコースは毎日追加されています。
プルーラルサイトのコースは、1500人の「その道のエキスパート」の外部講師によって作られています。
すでにプルーラルサイトのサービスは、「フォーチュン500」の大企業のうち300社が使っています。
さらに、プルーラルサイトのコースは、受講者のスキル・レベルに応じて作られています。また、受講者が既に体得しているスキルと、未だ習得できてないギャップを埋められるように柔軟に設計されています。だから、必要なところだけを補ってゆくこともできるわけです。
コースを修了した者には修了証が発行され、さらに「IQ」と呼ばれる相対比較スコアが渡されます。エンジニアを採用する側からすれば、「あなたはプルーラルサイトのPython(=パイソン。ソフトウェア・コードのひとつ)でどれだけのIQを持っていますか?」というピンポイントなスキルに関し、客観的な尺度により応募者をふるいにかけることが出来るのです。
また、経営者の観点からすれば「わが社は次にこのようなサービスを出したいのだが、そのためのコーディング・スキルを持ったエンジニアがいない」というような事が、たちどころにわかる仕組みになっています。
エース級のエンジニアを何人抱える?」「それを補助するエンジニアをどう配置する?」など、自社の開発チームをあたかもひとつのポートフォリオとして管理することが出来るようになります。
プルーラルサイトは、個人のエンジニアへ
アピールすることで法人の顧客を獲得
プルーラルサイトは、往々にしてコードを書くことに行き詰ったエンジニアが、問題解決を求める際に参照するサイトです。社内にその問題を解決できる専門家が居ない場合、プルーラルサイトのような中立の「ノウハウの貯蔵庫」に解決策を求めざるを得ないからです。
そのように、最初は無料トライアル期間でプルーラルサイトのサービスに慣れ親しんだエンジニアは、上司に「これを全社的に採用してはどうですか?」と提案するわけです。
企業が「法人向けプラン」を購読すれば、そこに勤める社員は自腹を切らなくてもどんどんプルーラルサイトのコースを利用してスキル向上が出来るわけです。だから社員は積極的にプルーラルサイトの導入を上司に働きかけます。
プルーラルサイトのコースは、外部のエンジニアが用意
人気講師には1億円以上のギャラが発生!
プルーラルサイトのコースは必ずしも同社の社員が作っているわけではありません。それぞれの分野で「その道の最高権威」と目されている優秀なエンジニアに、プルーラルサイトがお願いしてコースのカリキュラムを作ってもらうのです。彼らにはロイヤリティー収入が支払われます。人気講師になると、1億円以上もの著作権収入が入るので良いサイドビジネスになるというわけです。
サービスの提供と課金には
サブスクリプション・モデルを採用
そうやって作られたプルーラルサイトのコースは、クラウドを通じて提供されます。
プルーラルサイトはいわゆるサブスクリプション・モデルを採用しており、個人または法人口座でそのサービスを「購読」するカタチになります。
契約が締結されたらプルーラルサイトはその契約書に従って請求書を上げます。なお請求額は、企業の年間予算費消のタイミングの関係で12月期が突出するという季節性があります。
顧客はその請求書に対する支払いを行うわけですが、サブスクリプション・フィーの売上高への計上は契約期間(普通3年)に渡り均等に計上します。それが損益計算書に計上できるようになる前は、貸借対照表中「繰り延べ売上高(ディファード・レベニュー)」という項目に反映されます。
ひとたびプルーラルサイトの顧客になった企業からはリピート・ビジネスが見込まれますし、多くの場合、年々、より多くのコースを同社から購読するのが常です。
このようなビジネスの性格から、プルーラルサイトの業績は「数字が予想しやすい」と言えると思います。
IPO後初めての決算発表を無難に終えたことで
機関投資家の買いが集まる
先週発表されたプルーラルサイトの第2四半期決算は、EPSが予想-28セントに対し-21セント、売上高が予想5083万ドルに対し5360万ドル、売上高成長率は前年同期比+37.8%でした。
この決算は、プルーラルサイトが新規株式公開(IPO)した後、初めての決算発表であり、それを無難にこなしたので、安心した機関投資家が同社株を取得に動き始めています。
今期の請求額は6530万ドル、前年比+42%でした。うち法人請求額は5460万ドル、前年比+52%でした。
第3四半期のEPSは、予想-16セントに対し新ガイダンス-14〜-13セントが提示されました。売上高は、予想5462万ドルに対し新ガイダンス5700~5800万ドルが提示されました。
2018年のEPSは予想-76セントに対し、新ガイダンス-68〜-65¢が、売上高は予想2.16億ドルに対し新ガイダンス2.22~2.25億ドルが提示されました。
【今週のまとめ】
企業のさまざまなニーズを応えるプルーラルサイトは
今後の成長が期待できる!
「企業は人」と言いますが今日のIT企業にとり自社のエンジニアのスキルを最先端のものに保つことは熾烈な競争を勝ち抜いてゆくために絶対必要なことです。プルーラルサイトは「その道の最高権威」たちが作ったカリキュラムをどんどん更新・追加し、企業のニーズに応えています。
同社はサブスクリプション・モデルを採用しており、一度顧客企業に入り込むと「より多くのコースを販売する」などの方法でビジネスを拡大してゆきます。「数字が予想しやすい」ビジネスなので投資家は高い株価評価をつけると思われます。
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