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「楽天ペイ」と「LINE Pay」ではどちらがお得か?スマホを使った「コード決済」のメリットや特徴を、2つのサービスを比較しながらわかりやすく解説!

【第54回】 2018年11月13日公開(2022年3月29日更新)
風呂内亜矢
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日本はまだまだ「キャッシュレス決済」後進国
政府は税制優遇などで「コード決済」の促進を支援!

 決済手段が多様化している今の時代、このところ新たに注目されているのが「コード決済」です。スマートフォンに専用アプリをダウンロードして、画面に「QRコード」や「バーコード」を表示させてレジで読み取ってもらうことにより、決済を完了させる仕組みです。

 「コード決済」の魅力は、何よりも支払い時の「スマートさ」でしょう。クレジットカードやデビットカードは、財布からカードを取り出し、場合によってはサインも必要となるため、急いでいるときなどはまどろっこしく感じられます。しかし、「コード決済」はレジでスマホをかざすだけで完了し、とてもスピーディーです。

 決済のスピーディーさにかけては電子マネーも負けていませんが、「コード決済」は自分が表示した「QRコード」や「バーコード」などを店側に読み取ってもらうだけでなく、逆に店側の提示する「QRコード」をスマートフォンで読み取ることによっても、決済を完了させることが可能。つまり、電子マネー決済よりもサービス提供者が導入しやすい側面もあり、爆発的な普及が期待されているのです。

 日本では、いまだに現金で買い物する人がかなり多いですが、海外では「コード決済」を含む「キャッシュレス決済」の習慣が幅広く浸透しています。たとえば、「キャッシュレス決済」の先進国としてよく知られているスウェーデンでは、国内での決済全体に占める現金決済の割合が、わずか1%程度にまで低下しています。「キャッシュレス決済」の手段は、クレジットカードやデビットカードなどがメインですが、若年層を中心として、「コード決済」も日常的に利用されているそうです。

 これに対し、日本の現金決済の割合は全体の20%前後。一昔前と比較すると、だいぶキャッシュレス派が増えたとはいえ、まだまだ遅れている印象です。ちなみに、隣国である韓国や中国も、日本よりははるかにキャッシュレス化が進んでいます。特に、「コード決済」が浸透する中国では、屋台なども含むあらゆる場所において、スマートフォン一つで決済を完了できます。

 日本政府は、「キャッシュレス決済」の推進に積極的です。経済産業省は、日本国内での決済全体に占める「キャッシュレス決済」の比率を、2025年までに40%、将来的には80%まで拡大させることを目指しています。

 とりわけ「コード決済」には力を入れる意向です。推進活動の一環として、「QRコード」を使った決済基盤を提供する事業者に補助金を供与し、「QRコード決済」を導入した中小事業者には、税制優遇を実施することも検討されています。

 このような状況ですから、将来的には「コード決済」を利用できる場所が増え、利便性がアップする可能性は高いと言えるでしょう。まだ「コード決済」を利用したことがない方には、ぜひ一度トライしてみることをおすすめします。

「コード決済」で浸透しやすいのは「LINE Pay」と「楽天ペイ」?
両者の仕組みは大きく異なるので、事前に情報収集を!

 とはいえ、これまでに「おサイフケータイ」や「Apple Pay」など、スマートフォンを使った決済を利用したことがない人にとって、「コード決済」はハードルが高いイメージかもしれません。それに、ひと口に「コード決済」といっても、すべての「コード決済」が同じ仕組みというわけではないので、事前に情報を整理しておかないと、後々混乱する恐れがあります。

 まず、現時点(2018年11月)で、主要な「コード決済」のサービスには以下のようなものがあります。

●LINE Pay
●楽天ペイ
●Origami Pay
●d払い

 ほかにもいくつかありますが、利用者数が比較的多く、知名度も高いものを選出してみました。

 このうち、ベースとなるサービスの利用者が多いと考えられるのは「LINE Pay」「楽天ペイ」です。「Origami Pay」もサービス開始のタイミングは早かったのですが、従来からあるサービスの利用者が多いことを考えると「LINE Pay」と「楽天ペイ」のほうが浸透しやすいと言えそうです。なお、「d払い」はNTTドコモが提供するサービスですが、2018年4月にスタートしたばかりの後発組です。

 ここからは、多くの方にとって比較的導入しやすいと考えられる「コード決済」の2大サービス「LINE Pay」と「楽天ペイ」について、それぞれのメリットや特徴を紹介していきたいと思います。

「LINE Pay(コード決済)」は「LINE Pay カード」より
高還元でお得! キャンペーン期間中は還元率が最大5%!

 まずは「LINE Pay」について解説します。

「LINE Payカード」はJCBブランドのクレジットカードのような感覚で利用できる。「LINE Pay カード」はJCBブランドのクレジットカードのような感覚で利用できる。

 「LINE Pay」とは、コミュニケーションアプリの「LINE」が提供する決済システムの総称で、「コード決済」と、ネットショッピングにおいてログインするだけで決済できるサービス、実物のカードである「LINE Payカード」による決済など、複数のサービスがあります。

 「LINE Pay」で先に人気化したのは、今回の本題である「コード決済」ではなく「LINE Pay カード」でした。「LINE Pay カード」の知名度はかなり高く、おなじみのLINEのキャラクターが描かれたカードを所有している人も多いのではないでしょうか?

「LINE Pay カード」は、クレジットカードの国際ブランド・JCBが付帯されている“プリペイドカード”です。クレジットカードではないのですが、事前にチャージしておくと、JCB加盟店なら原則どこでも利用できるので、使い勝手がとてもいいのが特徴です(※一部対象外店舗あり)。

 この「LINE Pay カード」が発行されたのは2016年のことですが、瞬く間に人気化した理由は、ポイント還元率が2%と高水準だったからです。当初から「コード決済」もあったのですが、「LINE Pay カード」のほうが利用できる場所(全国のJCB加盟店)がはるかに多く、クレジットカード感覚で使える、というわかりやすさも手伝って、どんどん利用者を増やしていきました。

 「LINE Pay カード」とは対照的に、「コード決済」の「LINE Pay」はずっと目立たない存在でしたが、2018年6月に行われた「LINE Pay」のポイント付与のルール変更で、状況が一変しています。

 従来は、「LINE Pay カード」での決済を行うと、無条件に還元率2%が適用されました(コード決済等はポイント対象外)。しかし、2018年6月以降に何度か制度の見直しがあり、現在は「LINE Pay」全体での前月の決済金額に応じて、適用される還元率が0.5~2%の間の4段階で変動することに。そのため、ずっと2%の還元率を維持するためには、「LINE Pay」を月10万円以上利用し続ける必要が出てきました。

 ただし、「コード決済」の利用分に関しては、前月の決済金額にかかわらず、ポイント還元率が3%上乗せされるキャンペーンを開始しています(2019年7月31日まで)。つまり、「コード決済」利用分は還元率が3.5%~5%となるので、これは大きなメリットと言えるでしょう。

 「LINE」はこのキャンペーンを開始するにあたって「『LINE Pay』サービスの中でも『コード決済』を大幅に優遇してまいります」と明言しているので、従来「LINE Pay カード」しか利用していなかった人は、今後は「コード決済」を優先するほうが、ポイントを多く獲得できるでしょう。

「LINE Pay」のオートチャージ機能を利用すれば
チャージする手間が省けて利便性が大幅にアップする!

 「LINE Pay」の「コード決済」も、「LINE Pay カード」と同じくプリペイド方式で、事前のチャージが必要です。チャージはファミリーマートにある「Famiポート」端末、セブン-イレブンなどにある「セブン銀行ATM」でチャージできるほか、銀行口座から振り込みで入金することもできます。

 しかし、最も便利なのは、オートチャージ機能を使うことです。「LINE Pay」のオートチャージに対応する銀行(みずほ銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、ゆうちょ銀行、りそな銀行など)に口座を保有し、その口座の情報を「LINE Pay」に登録しておくと、チャージ残高が一定金額を下回ったときに、その銀行口座から自動入金されます。

 ちなみに、「LINE Pay」にはクレジットカードを登録することもできます。ただし、ここで登録したカードは、提携しているインターネットショッピングサイトで、「LINE Pay」を使って支払ったときに使われるカードで、「コード決済」や「LINE Pay カード」のチャージの用途として利用されるものではありません。

 さて、「LINE Pay」の「コード決済」は、チャージを済ませれば、すぐに利用可能です。ただ、「LINE Pay」はどこででも利用できるわけではありません。ほかの「コード決済」もそうですが、まだまだ利用できる場所が限られているからです。

LINE Payが使えるお店

 「LINE Pay」の「コード決済」が利用できる店で、最も店舗数が多いのはコンビニのローソンです。ローソンはさまざまな「コード決済」にいち早く対応していることで知られています。また、2018年12月4日からは、ファミリーマートでも利用できるようになります。

 ほかにも、ドラッグストアの「ツルハドラッグ」や「ココカラファイン」、居酒屋のワタミグループの「和民」「わたみん家」、モンテローザグループの「笑笑」「白木屋」、さらには阪急百貨店、阪神百貨店などでも使えるようになっているので、よく利用する店舗で「LINE Pay」の「コード決済」が可能かどうかを確認してみましょう。

「楽天ペイ」に「楽天カード」を登録すれば
「楽天スーパーポイント」が還元率1.5%でザクザク貯まる!

 続いて、「楽天ペイ」について紹介します。

 「楽天ペイ」は「LINE Pay」と異なり、“ポストペイ式(後払い式)”です。そのため、事前にチャージする手間はかかりませんが、事前に楽天会員となって、クレジットカード情報を登録しておく必要があります。

 なお、クレジットカードは、「楽天カード」「楽天ゴールドカード」「楽天プレミアムカード」など、一連の楽天系列のカードであれば、どの国際ブランドのものでも「楽天ペイ」で利用できます。楽天系列のカード以外のクレジットカードも楽天に登録は可能ですが、「楽天ペイ」で利用できるのは2018年11月現在はVISA、Mastercardブランドのみ。つまり、楽天系列カードを除いて、JCB、アメックス、ダイナースクラブのクレジットカードは、利用することができません(※2019年にかけて対応予定)。
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関連記事 【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2019年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2019年の最強クレジットカード(全7部門)を公開!【最優秀メインカード部門】
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 原則として、「楽天ペイ」はスマートフォンにダウンロードしたアプリを立ち上げて、レジでコードを読み取ってもらうことで決済しますが、このとき、楽天に登録しているクレジットカードから支払元となるカードを選択すれば、そのカードから代金が引き落とされる仕組みです。

 しかも、普通にクレジットカードで決済した際にもらえるポイントに加えて、「楽天ペイ」を利用した特典で、200円につき1ポイント(還元率0.5%)の「楽天スーパーポイント」が付与されます。

 たとえば、「楽天ペイ」に「楽天カード」を登録した場合、「楽天カード」だけの還元率は通常1%(店舗での買い物の場合)ですが、「楽天ペイ」利用時には還元率が1.5%となります。楽天系列以外のクレジットカードを登録した場合は、そのクレジットカードのポイントとは別に、0.5%分の「楽天スーパーポイント」が貯まることになります。

楽天ゴールドカード
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「楽天ペイ」は還元率では「LINE Pay」に劣るものの、
楽天ユーザーなら期間限定ポイントの消化もできて得!

 また、「楽天ペイ」で支払う際は、楽天市場や「楽天カード」で貯めた「楽天スーパーポイント」を充当することも可能です。しかも、通常ポイントだけでなく、「期間限定ポイント」(特定のキャンペーンなどで付与される有効期限を決められたポイント)も充当できるので、楽天ユーザーのポイント消化にうってつけでしょう。

 「楽天ペイ」は「LINE Pay」よりも還元率では劣るものの、ポイント付与のシステムがわかりやすく、「楽天カード」と紐付ければ無条件に還元率が1.5%になる点がメリット。特に、普段から楽天市場や楽天ブックスなどで買い物をしたり、「楽天カード」を使ったりして「楽天スーパーポイント」を貯めている人なら、利用しない手はないサービスと言えます。

 では、「楽天ペイ」のデメリットは何かと言えば、「LINE Pay」と同じですが、まだ利用できる場所が限定される点でしょう。とはいえ、利用可能店舗は急速に拡大中であり、2018年7月には「笑笑」「白木屋」などを運営するモンテローザグループの約1700店舗が加わるなど、利便性は日に日に高まっています。

 さて、今回は「コード決済」の概要や、2大サービスの「LINE Pay」と「楽天ペイ」について駆け足で紹介しました。結論としては、これらの「コード決済」は今後、幅広く普及する可能性があり、何よりも慣れると便利な決済方法なので、ぜひ利用してみていただきたいと思います。

 ただ、今後も新しい「コード決済」サービスが続々と誕生したり、既存の「コード決済」サービスも仕組みを大きく変更したりする可能性もあり、日本の「コード決済」業界はまだまだ過渡期にあると言えます。

 それゆえ、顧客の獲得競争も熾烈になっていくはずで、「LINE Pay」のようなポイントアップキャンペーンが次々と実施されることも考えられます。「コード決済」を利用する準備を整えておくことは、キャンペーンなどの情報を、いざという時に取りこぼさない備えと言えるのかもしれません。

(取材/麻宮しま)

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「高配当株の人気化を待つ」
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