【今回のまとめ】
1.米国の第2四半期決算シーズンは波乱含みのスタート
2.中国経済の鈍化が会社側予想に影を落とす
3.米国経済を引っ張ってきた消費に変調が出ている
4.相場のテーマの入れ替え期は素直に株価が上がらない
5.決算ではインテルとグーグルに注目
世界的景気減速の中で、波乱含みの決算
米国市場は先週から決算シーズンに突入しています。
これまでのところ、第2四半期の決算は波乱含みです。すでに40社近い企業がプロフィット・ウォーニング、つまり会社側予想数字の引き下げを行っています。
業績予想の下方修正をする企業が相次いだ理由は、欧州財政危機問題に加えて、中国経済の予想以上の冷え込みが原因です。実際、先週発表された中国の第2四半期GDPは+7.6%と市場予想を下回りました。

中国経済の鈍化は製造業や建設にとどまらず、小売にも影響が出ています。これまでとりわけ好調だった欧米のラグジュアリー・ブランドの中国における売上げトレンドには陰りが見えています。
”テーマの過渡期”は、株価が上がりにくい
一方、米国国内に目を転じると、雇用の回復が遅々として進まないことや、インフレの高進に比べて賃金の上昇が追いついていないことなどから、これまで比較的強かった消費者信頼感指数も、このところじりは貧状態です。

そのことは、小売売上高の伸びにも影を落としています。
下は米国の小売業売上高の前年同期比の変化率を示したグラフですが、このところ伸びが鈍化していることがわかります。

消費が駄目なので、株式市場的にはこれまでの消費主導のストーリーから住宅市場の底入れなど、いままでとは違うテーマに移行する必要が出ています。
一般的にこのような「相場のテーマの過渡期」は、株価が素直に上がりにくいことが知られています。
今週決算のインテルとグーグルに悪材料
今週(7月16日~20日)の主な決算発表の予定を示しておきます。なお表中の「ウィスパー」とは“ささやき”の意味で、決算直前の投資家の期待値を示しています。

個別では17日(火)に発表されるインテル(ティッカー:INTC)の決算が注目されます。中国、欧州経済が減速していること、『ウインドウズ8』の発売を前に新しいパソコンの購入を控える行動が出るリスクなどから用心深い投資家が多いです。
19日(木)のグーグル(テッィカー:GOOG)に関しては、消費者が広告単価の低いスマートフォンへの傾斜を強めていることから、価格下落圧力が懸念されます。
このように、第2四半期決算に対する市場の見方は厳しいものがあります。
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