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「マイナンバーカード」のメリット・デメリット、申請時の注意点などを解説! 新型コロナ対策の“10万円の特別定額給付金”のオンライン申請以外の使い道も紹介

2020年5月15日公開(2022年3月29日更新)
風呂内亜矢
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10万円の「特別定額給付金」を早く受け取れる
オンライン申請にはICチップ搭載の「マイナンバーカード」が必要

 新型コロナウイルス感染拡大の影響が広がる中で、今注目されているのが、“2020年4月27日時点の住民基本台帳に記載された人”を対象とする、現金10万円の一律給付(特別定額給付金)です。一部の自治体では、すでに5月1日から「特別定額給付金」のオンライン申請がスタート。もちろん、オンライン申請だけでなく、無理をせずに郵送で申請しても大丈夫ですが、少しでも早く「特別定額給付金」を受け取りたい場合は、オンライン申請に挑戦してみてもいいでしょう。

 「特別定額給付金」のオンライン申請にあたっては「マイナンバーカード」が必要になります。「マイナンバーカード」とは、国民一人ひとりに割り振られた12ケタの番号が記載されているもの。誤解されがちですが、「マイナンバー通知カード」と「マイナンバーカード」は別物です。

 「マイナンバー通知カード」は、すべての国民に、その人のマイナンバーを通知することを目的として、政府が送付する紙のカード。「マイナンバー通知カード」を見れば、自分のマイナンバーを確認できますが、「マイナンバー通知カード」自体に身分を証明する効果はありません。たとえば、金融機関などでマイナンバーの提出を求められた場合、「マイナンバー通知カード」を提示しても、それが自分のマイナンバーであると証明はできないことから、運転免許証などの本人確認書類も併せて提出する必要があります。

 一方の「マイナンバーカード」は、顔写真付き、ICチップ搭載のプラスチックカードです。ICチップには公的個人認証に必要なデータなどが入っており、これをカードリーダーやスマートフォンに読み取らせることで、公的な手続きをオンライン上で済ませられる場合があります。写真付きの本人確認書類として利用でき、運転免許証やパスポートを持っていない人は重宝しそうです。

 「マイナンバーカード」は、これまであまり普及が進んでいませんでした。総務省によると、2020年4月1日時点で、日本全国における「マイナンバーカード」の交付率は、16.0%にとどまっています。最大の理由は、作るのに手間がかかるからでしょう。何もしなくても送ってもらえる「マイナンバー通知カード」と異なり、「マイナンバーカード」は自主的に交付の手続きをしなければなりません。しかも、通常は「マイナンバー通知カード」さえあれば、日常生活において困ることがほとんどないため、手間をかけて作る必然性を感じていない人が多数を占めていると考えられます。

 ただ、「マイナンバー通知カード」は2020年5月25日で廃止予定となっており、今後初めてマイナンバーを受け取る人には「個人番号通知書」(仮称)が送付される予定です。この「個人番号通知書」は、身分証明書として利用できないのはもちろんのこと、「マイナンバー通知カード」と異なり、マイナンバーを証明するための書類としても利用できません。また、氏名や住所が変わった場合に、既存の「マイナンバー通知カード」の記載内容を変更することもできなくなるため、今後は「マイナンバーカード」を作らざるを得なくなるケースが増加していく見通しです。

 もっと早い段階から「マイナンバーカード」で享受できる公的サービスが拡充されて、啓発活動なども進んでいれば、おのずと「マイナンバーカード」の交付率は高まり、今回の「特別定額給付金」についても、すんなりオンライン申請できる人が多くなっていたのかもしれません。今すぐ「マイナンバーカード」の申し込みをしても、交付までには1~2カ月程度かかる見通しで、「特別定額給付金」の申請に関しては、郵送で行ったほうが早い可能性も高いでしょう。ちなみに、郵送での申請であれば、「マイナンバーカード」が不要なのはもちろん、提出書類にマイナンバーを記入する必要すらありません。

「マイナンバーカード」を作るメリットは?
継続的に「青色申告」をする人は作ったほうがベター

 「特別定額給付金」の申請には間に合わないかもしれませんが、「マイナンバーカード」に興味を持ったのであれば、これを機に保有を検討してみるのもいいでしょう。そこで、ここからは「マイナンバーカード」のメリットについて整理しておきます。

 そもそも「マイナンバーカード」は、さまざまな行政サービスをオンラインで手続きできるようにして、国民の利便性を高め、行政側の業務負担を軽減することなどを目指して導入されたもの。それゆえ、「特別定額給付金」もそうですが、各種サービスのオンライン申請ができるようになることが一番のメリットです。

 また、自治体によって対応は異なりますが、コンビニにあるマルチコピー機で、住民票の写しや印鑑登録証明書などを取得できる場合もあります。マルチコピー機の読み取り機に「マイナンバーカード」をかざすだけでいいので、操作も簡単です。私自身、利用したことがありますが、わざわざ役所に足を運ばずに済み、大変便利だと感じました。

 自営業などで確定申告を行っている人は、電子申告をするときに「マイナンバーカード」があると便利です。なお、令和2年度(2020年1月1日~12月31日分)の確定申告から、「青色申告特別控除」の要件が改正されます。青色申告(複式簿記)を行う場合、これまでは青色申告特別控除額が65万円、基礎控除額が38万円と定められていましたが、令和2年度からは青色申告特別控除額が55万円、基礎控除額が48万円と変更に。ただし、電子申告を行うと、青色申告特別控除額が65万円のまま据え置かれるため、基礎控除が増えた分、控除額が以前よりも10万円多くなり、節税につながります。

 電子申告は「マイナンバーカード」がなくても、税務署に足を運んでID・パスワードを発行してもらうことによって行うことができますが、ID・パスワード方式は暫定的な措置とも言われているので、今後とも青色申告を行う見通しであれば、これを機に「マイナンバーカード」を取得することを考えてみてもいいかもしれません。
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「マイナンバーカード」のデメリットとは?
カードリーダーや対応スマホがないと申請ができない!

 逆に、「マイナンバーカード」にデメリットはあるのでしょうか。今のところ顕在化している大きな問題はありませんが、強いて言うなら行政サービスのオンライン化が進んでおらず、「マイナンバーカード」を利用できる場面が少ない点が挙げられるでしょう。「児童手当の現況届」など、子育て関連の手続きは「マイナンバーカード」で簡略化できるケースが比較的多いかもしれませんが、誰もが利便性を実感できるような状況とは言えません。

 また、前述のように「マイナンバーカード」の取得手続きには時間と手間がかかります。申請方法は、役所に足を運んで手続きをするか、パソコン、スマホを通じてオンライン上で申請するか、あるいは郵便、一部の証明写真機からも申請することができます。カードに写真が載るため、写真を撮って送らなければなりません。

 写真のほかに必要なものとして「申請書ID」が挙げられます。「申請書ID」は、「マイナンバー通知カード」に同封された「個人番号カード交付申請書」に記載されているもの。保管してあればいいのですが、間違って捨ててしまっている人も多いようです。見当たらないときは役所で再交付してもらうか、「マイナンバーカード総合サイト」でダウンロードできる「手書き交付申請書」を用いて郵送で申請すれば、「申請書ID」がなくても手続きができます。

 申請後、「マイナンバーカード」を受け取れるようになるまでには1~2カ月程度かかり、また、受け取りの際は本人が役所の窓口まで行かなければいけないので、忙しい人には負担になると思われます。

 なお、注意しておきたいのは、「マイナンバーカード」を発行してもらうときに自分で設定するパスワードをきちんと保管しておくことです。パスワードは「特別定額給付金」の申請の際や、確定申告の電子申告をする場合などに必要になりますが、3回誤入力をするとロックがかけられてしまいます。しかも、そのロックを解除するためには、発行を受けた役所の窓口まで行かなくてはならないので、パスワードの保管には細心の注意を払いましょう。
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 「マイナンバーカード」を使い、自宅のPCやスマホでオンライン手続きをする際、PCにつなげて利用するカードリーダーや、NFC(※かざすことで近距離通信ができる技術の国際標準規格)対応のスマホが必要になる点も、意外と知られていないようです。そのため、「マイナンバーカード」はあるものの、「特別定額給付金」のオンライン申請ができないという声が相次いでいるそうですが、せっかく「マイナンバーカード」があるのなら、カードリーダーか、対応のスマホの入手を検討するといいでしょう。

 スマートフォンで読み込む場合、iPhoneだと7以降、Androidだと「おサイフケータイ」機能付きなど、NFC対応のものである必要があります。OSなどの諸条件もあるため、これからスマートフォンを購入し、「マイナンバーカード」の読み取りにも使っていきたいというのであれば、「マイナポータル」の関連ページをよく確認しておくことをおすすめします。

 また、カードリーダーはおおむね2000~3000円程度で購入できますが、さまざまな種類のものが売られているため、対応OSや接続方法などに注意して、手持ちのPCで使えるものを選びましょう。今後カードリーダーを使って、電子マネーの残高をチェックしたり、オンラインでチャージもしたい、といった場合は、カードリーダーの対応カードに電子マネーが含まれているかどうかも確認するといいですね。

(取材/元山夏香)

風呂内亜矢(ふろうち・あや)[ファイナンシャル・プランナー]
一級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士。会社員だった26歳のとき、貯蓄80万円でありながら自宅用としてマンションを衝動買い。物件価格以外にも費用がかかることを知り、あわててお金の勉強と貯蓄を開始。年間貯蓄額を一年で6倍まで増やす。その後、自身の体験を活かしてマンション販売会社に転職。年間売上一位の実績を上げる。2013年、ファイナンシャル・プランナーとして独立。著書は『超ど素人がはじめる資産運用』(翔泳社)、『デキる女は「抜け目」ない』(あさ出版)、『ケチケチせずにお金が貯まる法見つけました!』(王様文庫)など多数。日常の記録にお金の情報を織り交ぜる「FUROUCHI vlog」を更新中⇒https://www.youtube.com/c/FUROUCHIvlog/

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カード
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0.5~7.0% 永年無料 VISA
Master
iD
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 ◆楽天カード

1.0~3.0% 永年無料 VISA
JCB
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チャージ分は
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 ◆イオンカードセレクト

0.5~1.0%

永年無料 VISA
JCB
Master
WAON
モバイルSuica
SMART ICOCA

モバイルSuicaと
SMART ICOCAへの
チャージ分は還元率0.25%)
イオンカードセレクトのカードフェイス
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還元率 年会費
(税込)
ブランド 電子マネー対応
(ポイント付与対象)
カード
フェイス

 ◆三井住友カード ゴールド(NL)

0.5~7.0%

5500円
(ただし、年100万円以上の
利用で次年度から永年無料
VISA
Master
iD
三井住友カード ゴールド(NL)のカードフェイス
【三井住友カード ゴールド(NL)のおすすめポイント】
券面にカード番号が記載されていない“ナンバーレス(NL)”のゴールドカード。年会費5500円(税込)だが、年間100万円を利用すると(※1)、次年度から年会費が“永年無料”になるうえに、1万ポイントが「継続特典」としてもらえるのが大きな魅力! さらに、通常還元率は0.5%と一般的なクレジットカードと同等だが、Apple PayやGoogle Payに「三井住友カード ゴールド(NL)」を登録して「Visaのタッチ決済」または「Mastercardタッチ決済」を利用すれば、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルド、サイゼリヤ、バーミヤンなど、対象のコンビニや飲食店では還元率7%に大幅アップ(※2)するなど、ポイントも貯まりやすくてお得!
※1 対象取引などの詳細は、三井住友カードの公式サイトでご確認ください。※2 一部店舗および一定金額を超える支払いでは指定の決済方法を利用できない場合、または指定のポイント還元にならない場合あり。iD、カードの差し込み、磁気取引による決済は7.0%還元の対象外。Google PayではMastercardタッチ決済は利用不可。
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1.0~10.5%
(※)
永年無料 JCB QUICPay
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 ◆アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カード

0.3~1.5%
(※1)
3万9600円 AMEX
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【アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カードのおすすめポイント】
日本で最初に発行されたゴールドカード「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」の後継カードだけに、ステータス&付帯サービスは最高レベルで、カードが金属製という特別感もあって、一般的なゴールドカードとはケタ違い。たとえば、年間200万円(税込)以上を利用してカードを継続保有すると、国内40カ所以上の高級ホテルに無料宿泊できる「フリー・ステイ・ギフト」は、もはや一般的なプラチナカードすら凌駕するレベルの特典だ。さらに、高級レストランを2人以上で利用すると1人分が無料になる「ゴールドダイニング by 招待日和」や、世界1400カ所以上の空港ラウンジを年2回まで無料で利用できる「プライオリティ・パス」最高補償額1億円の「海外旅行傷害保険」が付帯するなど、もはや「ゴールドカード」の枠組みを大きく飛び越えている。また、家族カードは2人目まで年会費無料でお得(3人目以降は年1万9800円・税込)。
※貯まるポイントをマイルに交換した場合。1マイル=1.5円換算。
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