2019年度分の確定申告の締め切りは2020年3月16日!
ただし「還付申告」は5年にわたって受け付けてもらえる
今年も、いよいよ確定申告シーズンに突入。2019年度分の確定申告の締め切りは、2020年の3月16日になります。
会社員(1カ所から給与を受け取っている人)の場合、給与収入が年間2000万円超の人や、家賃収入などの副収入がある人以外は、原則として確定申告は不要です。しかし、条件次第では、確定申告をすることで税金が戻ってくる(還付される)可能性があります。
たとえば、以下にあてはまる人は、確定申告をしたほうがいいでしょう。
・「ふるさと納税」をして「ワンストップ特例」を選択していない人
・「ふるさと納税」の納付先の自治体が6カ所以上の人
・給与所得者で、配当所得や副業による所得が年間20万円を超える人
・多額の医療費を負担した人
・年末調整の手続きの際に、各種控除の証明書を出し忘れた人
・災害で被害に遭って「雑損控除」を受ける人
・「住宅ローン控除」を初めて受ける人
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⇒「ふるさと納税」で失敗しがちな3つの具体例を紹介! ワンストップ特例申請書を紛失、クレジットカードの名義が寄付申請人と違うなど、陥りやすいミスに注意
2019年は大規模な台風が発生し、被災した人も大勢おられることから、「雑損控除」が適用されるケースも多いと考えられます。あまり普段はなじみがないので、見落としがちですが、該当しそうな人は必ずチェックしてみてください。
また、最近多い「フリマアプリ」での売買による副収入については、原則的に“不用品の処分”の範疇であれば、利益を得ても非課税となります。ただし、取引の頻度が高く、収入も多い場合などは“営利目的”と見なされて、課税対象となる場合も。その際には、確定申告が必要です。
続いては、そんな確定申告の2020年(2019年度分)からの変更点や、確定申告をする際の注意点などを解説していきましょう。
今回から副業のある人や年金受給者もスマホ申告が可能に!
医療費や寄付金以外の所得控除もカバーされている
2020年(2019年度分)の確定申告で、前年から最も大きく変わったのは、スマホを使った確定申告の利便性が大幅にアップした点です。
2019年(2018年度分)は、スマホを利用して確定申告できる人が、「会社(1カ所)からの給与所得をもらっている人」に限定されていました。つまり、副業を持つ人や公的年金の受給者、保険金を受け取った人、事業所得のある人などは、スマホで確定申告書を作成することができなかったのです。
しかし、2020年(2019年度分)からは、上記に挙げたような、これまで対象外だった人でも、スマホで確定申告書を作成できるようになりました。
また、2019年(2018年度分)の確定申告では、「医療費控除」か「寄付金控除」しかスマホでの申告に対応していませんでしたが、2020年(2019年度分)からはその他の所得控除にも対応するようになっています(※株などの譲渡損益を除く)。
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⇒スマホでの「確定申告」が2020年からさらに便利に! 給与所得以外の収入がある人も対象で、生命保険料やiDeCoなど医療費以外の控除もスマホで申告可能に!
ID・パスワード方式を選べばe-Taxも気軽に挑戦できる
今回からiPhoneでもe-Taxができるように
スマホで確定申告書を作成した場合も、パソコンで作成した場合と同様に、紙に印刷して提出するか、e-Tax(電子申告)を用いてインターネット上から提出するかを選べます。2018年(2017年度分)の確定申告までは、必ず「マイナンバーカード」とICカードリーダーを用意しなければなりませんでしたが、2019年(2018年度分)の確定申告からは、税務署に足を運んで「ID」と「パスワード」を発行してもらえば、e-Taxでの提出ができるようになりました。
従来どおり紙に印刷してもいいのですが、スマホで申告する場合、「家にプリンターがない」「コンビニなどでプリントアウトするとお金がかかる」などの問題が生じるかもしれません。このような場合は、e-Taxのほうがベターです。
税務署で「ID」と「パスワード」を発行してもらうのが面倒だと思われるかもしれませんが、多くの場合、所要時間は数分で済みます(もっとも、今は確定申告シーズン真っただ中なので、もう少し待たされる可能性もありますが……)。
また、e-Taxができるスマホの機種は限定されていて、2019年(2018年度分)については、iPhoneが対象外となっていました。日本で圧倒的にシェアの高いiPhoneが対象外ということで不便に感じていた人も多いと思いますが、2020年(2019年度分)の確定申告では、iPhoneでもスマホ申告ができるようになっています(※OSのバージョンはiOS13.1)。
このように、環境が整ってきたとはいっても、まだe-Taxに抵抗感がある人もいるかもしれません。しかし、e-Taxなら家にいながら好きなときに申告ができるだけでなく、紙で提出したときよりも還付金が早めに振り込まれるというメリットもあります。また、青色申告をしている自営業者だと、2020年度分からe-Taxを利用することで、結果的に10万円分所得控除が増えることになり、節税効果がアップします。
今後、ますますe-Taxは主流になっていくと見られるため、早めに慣れておくためにも、今年からe-Taxに挑戦してみてはいかがでしょうか。
その他の2020年(2019年度分)確定申告の変更点としては、「確定申告書B」(個人事業主などが利用するもの)の仕様変更などが挙げられますが、それほど大きな変更ではないので、戸惑うことはないはずです。
給与所得者の確定申告は難易度が低い
年末調整に手こずった人は確定申告のほうがラクな場合も
今回、初めて確定申告をする人は、確定申告書を見ただけで「難しそう」とひるんでしまうかもしれません。とはいえ、国税庁がホームページ上で提供している「確定申告書等作成コーナー」は非常によくできているので、「源泉徴収票」などの必要書類さえ準備しておけば、比較的簡単に作成することができるはずです。
忙しくて3月16日までに提出できそうにないとしても、慌てる必要はありません。払いすぎた税金を取り戻す「還付申告」の場合、3月16日を過ぎても申告することができるからです。還付申告は、控除などが発生した翌年の1月1日から5年間にわたって受け付けてもらえるので、3月16日を多少過ぎても問題はありませんし、さらに、通常5年までなら過去の分を遡って申告することも可能です。
また、2018年からは「年末調整」の手続きが複雑化しています。特に難しいのは、「給与所得者の配偶者控除等申告書」です。2018年から、配偶者(特別)控除の金額が本人と配偶者の所得によって細分化されているため、記入の仕方が複雑になったのです。
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そのため、今回の年末調整に手を焼いた人は、今後、自分で確定申告するという選択肢も検討してみるといいかもしれません。一度やってみればわかりますが、確定申告は慣れてしまえば簡単です。特に、給与所得者の方の申告は手軽なので、あまり身構えずに気楽に挑戦してみることをおすすめします。
(取材/元山夏香)
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