部長の年収1位は金融・保険業界の1331万円
宿泊・飲食業界の年収は半分以下!
一口に部長、課長といっても最近はマネジャーやチームリーダー、ディレクターなど肩書は多岐にわたる。どこまでが部長・課長に含まれるのか。実は、賃金構造基本統計調査では部長級・課長級のそれぞれについて定義がある。
部長級は「2課以上、または20人以上の構成員(部長含む)からなる組織の長」で、課長級は「2係以上、または10人以上の構成員(課長含む)からなる組織の長」だ。職務内容や責任の程度が部長級や課長級に相当すれば含めることはできるものの、「通常、『部長代理』などと呼ばれている者は部長級としない」「『課長代理』などと呼ばれている者は課長級としない」とわざわざ明記されている。
こうした点を踏まえ、部長90万人の業界別の年収事情を見ていこう。なお、全業界の部長の平均年収は900万円だ。
部長の年収トップは金融・保険業界の1331万円で、大企業に限ると1444万円に達する。
金融・保険業界は昔から高収入とあって文系エリートからの人気が高い。出世競争は熾烈かもしれないが、昇進すればやはり高待遇が約束された業界なのだ。2位は電気・ガス・水道業界の1192万円、3位は情報通信業界の1065万円で、金融・保険同様、安定かつ高収入で人気の業界が上位だ。
一方、大企業のランキングに目を向ければ、16業界中12業界で部長の年収は1000万円を超す。
苦しいのはやはり宿泊・飲食サービス業界だ。大企業の部長でも年収716万円と、トップの半額以下である。この業界を志すならば、収入面で他業界との残酷な格差がある現実は覚悟しておきたい。
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