高等裁判所に控訴するも
塾は閉鎖し通信教育事業に専念

 和田氏は東京地裁の判決に対して控訴し、東京高等裁判所で係争中だ。「医師の収入や原稿料、講演料などで塾の赤字を埋めて、入塾時の学力を問わず、生徒の学力を伸ばして医学部に合格させてきた。これからも医師を目指す生徒を応援しようと思っていたが、合格保証に注釈がなかったという理由で敗訴したので、塾は閉じて通信教育の『緑鐵受験指導ゼミナール』に専念することにした」と肩を落とす。

 合格保証をうたった予備校の中には、小さな字で「すべての授業に出席すること」「指定の学校を全部受けること」などの注釈を入れているところもある。「実現が難しいことを書き連ね、実際には返金をしたことがないような予備校を裁判所はOKとし、注釈がないという理由で、本当に合格保証をしていた良心的な塾をつぶすのは非常に残念だ」(和田氏)。

 和田氏が控訴をしたのは、「法律というものは世間の常識が通じないものなのかを問いたかった」という理由もある。東京地裁の判決についてインターネットメディアのコメント欄を見ると、和田氏が常識的で、原告が非常識という声が圧倒的だが、果たして高等裁判所はどのような判決を下すだろうか。

Key Visual by Noriyo Shinoda