【今回のまとめ】
1.感謝祭の週は例年の経験則通りNY市場は堅調だった
2.ブラック・フライデーの「ブラック」は「黒字」の意味
3.今年のブラック・フライデーの売上高は前年比+2.3%だった
4.実店舗からネットに売上が流れている
5.携行デバイスが人気の的になっている
堅調なNY市場
先週の米国株式市場は堅調でした。ダウ工業株価平均指数は8週連続高の+0.1%、S&P500指数は+0.1%、ナスダック総合指数は+1.7%でした。

先週木曜日は感謝祭(サンクスギビング・デー)で休場でした。例年、感謝祭のある週は相場が高いことで知られています。
ブラック・フライデーの由来
さて、感謝祭の翌日の金曜日は「ブラック・フライデー」と呼ばれ、小売店にとって一年で最も多くの金額を売り上げる、とても重要な日です。
アメリカでは感謝祭の翌日の金曜日からクリスマス・イヴまでをクリスマス商戦期間と捉えています。金曜日は、その初日というわけです。
普通、小売店は賃貸料や店員の給与などの固定的な費用がありますから、年初からずっと赤字で操業することになります。その累損を一掃し、一気に黒字に持って行く日が、売上高の急増する、感謝祭の翌日の金曜日なのです。ブラック・フライデーの「ブラック」とは、つまり「黒字」の意味なのです。
ブラック・フライデーの売上は?
さて、今年のブラック・フライデーの売上は、どうだったのでしょうか?
小売コンサルタント、ショッパートラック社はショッピングモール内に設置された監視カメラでモール内の人出を計測するサービスを行っています。同社によると、感謝祭の日ならびにブラック・フライデーの両日のショッピングモールの人出は前年比+2.8%でした。また売上高は前年比+2.3%でした。
ブラック・フライデーの売上は、必ずしもクリスマス商戦期間全体の売上トレンドを占うインジケーターとしては信頼できません。それを断った上で全米小売業協会は今年のクリスマス商戦の予想として+3.9%を見ています。するとショッパートラック社の+2.3%という数字は、少し落胆すべきスタートだったわけです。
もうひとつ考慮しなければいけない要因として、今年は例年よりクリスマス商戦期間が6日間も短い(通常は32日)事が指摘できます。その分、一日当たりの売上高は多くなければいけません。
実店舗からネットへのシフトも一層進んでいます。つまりショッピングモールで商品を見た後、スマホからアマゾン・ドットコム(ティッカーシンボル:AMZN)に代表されるネット・ショッピングで最も安いバーゲンを探すという消費行動が、例年に増して強まっているのです。
さらに強まる携行デバイス指向
一方、売れ筋の面からブラック・フライデーを振り返ると、iPadに代表される携行デバイスの人気が高まっていると報じられています。その中でもアップル(ティッカーシンボル:AAPL)は明らかな「勝ち組」です。
これと対照的にアバークロンビー&フィッチ(ティッカーシンボル:ANF)に代表されるティーンエージャー向けの洋服などは苦戦しているようです。

今年はクリスマス商戦期間に入る以前からティーン向け小売店は苦戦していました。その関係でブラック・フライデーは各社軒並み40%~50%という大胆なバーゲンセールが見られました。それでも客足はまばらだったそうです。
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