世界投資へのパスポート

スイス中銀無制限為替介入断念!
次に危ないのはどこか?

【第350回】 2015年1月18日公開(2017年11月29日更新)
広瀬 隆雄
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事
印刷向け表示
1

【今回のまとめ】
1.スイスフランの上限設定はギリシャ危機への対応の一環として実施された
2.ほとぼりが冷めたという判断は、甘かった
3.為替レートをペグすると金融政策の自主性は失われる
4.それは横着な投資家や借り手を生む
5.ドル建ての借金の急増は、今後のリスク要因
6.スイスフランより人工的介入がずっと続いてきた通貨は人民元だ

そもそもなぜスイス中銀はスイスフランの上限を設定したか?

 先週、スイス中銀が突然、1ユーロ=1.2スイスフランの上限をやめると発表しました。その発表直後、スイスフランが暴騰し、逆にスイス株式市場は急落しました。

 そこでまず、そもそもなぜスイス中銀は1ユーロ=1.2スイスフランの上限を設定し、無制限為替介入によるこのレート維持を決断したのか? ということを振り返ってみたいと思います。

 まずスイス中銀がこの政策の導入を考えた3年前の状況を振り返ってみます。当時はギリシャ危機に端を発した欧州財政危機がPIIGS諸国(=ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペインの各国)全体を包み込んでおり、各国の国債価格が急落し、国の借金の借り換えが困難になるのではないか? ということが懸念されました。投資家はそれらの「危ない」と思われる国々から資金を引き揚げ、安全な避難先を求めていたのです。

 スイスフランは「堅い」というイメージがあったので、スイスフランめがけて世界の退避資金が流れ込んだわけです。こうしてスイスフランが強くなると、スイスの輸出業者が苦しみました。

 そこでスイスフランを「ダメな通貨」であるユーロと連動させると宣言し、安全な避難先としての魅力をわざと奪い去ってしまえば、スイスフランへの怒涛の投機資金流入が避けられると考えたわけです。これが無制限為替介入の動機です。

なぜ今、無制限為替介入が解除された?

 次になぜ今のタイミングで無制限為替介入によるレート維持が解除されたか? という点ですが、ひとつには「スイスフランは避難先として魅力ありませんよ」というスイス中銀のメッセージが投資家に行き渡り、投資家がスイスフランの魅力を忘れてしまったに違いないと判断したということが言えると思います。

 つまりほとぼりが冷めるまでスイス中銀は静かに待っていて、(そろそろ大丈夫なのじゃないか?)と判断したため、無制限為替介入を解除したという面があるのです。実際、スペインやイタリアの国債金利は最近、ずいぶん低下しています。逆に言えば債券価格は上昇しているわけです。

 スイス中銀は今回、無制限為替介入をやめると決断した背景について「この政策は、もはや維持可能ではない」とコメントしています。絶え間ないユーロ買い・スイスフラン売りの介入によってスイス中銀のバランスシートは3倍に膨れ上がりました。

 また、ある国の通貨を他の国(この場合はユーロ圏)の通貨に連動させるということは、突き詰めて言えば金融政策もぴったり同じにしなければいけないことを意味します。そうでなければ金利差などに代表される、通貨間での魅力の差が生じてしまい、無制限為替介入の労力がその分、増えてしまうからです。

 いまスイスの景気は良く、ユーロ圏の景気は悪いです。実際、ユーロ圏は1月22日にもアメリカ型の量的緩和政策(QE)を発表するのではないか? と観測されています。

 そうでなくても今、スイス国内では不動産バブルの兆候が生じているのに、これ以上、ユーロ圏が緩和するとスイス中銀はそれに調子を合わせてユルユルの金利政策は取れないのです。

 これらが無制限為替介入断念の理由です。

なぜこれほどまでにインパクトが強かったのか?

 上にも書いたように、スイス中銀は(ほとぼりが冷めたに違いない)と、今回の無制限為替介入断念宣言の与えるインパクトを軽く考え過ぎていた面がありました。スイス中銀の甘い観測に反し、市場が凶暴に反応した一因は、市場参加者の慢心、ないしは怠惰が原因です。

 すなわち(どうせスイスフランはユーロに連動している)と市場参加者が考えると、(それならこの際、借金のコストが安いスイスフランで借りて、そのカネを他のところへ持ってゆこう)という横着者が出てきます。この現象を市場用語では「キャリートレード」と言います。

 そのようなキャリートレードはスイスのスキー小屋に投資するロシアの大富豪などの、国際金融に比較的明るい市場参加者のみならず、たとえばポーランドやハンガリーのマイホームのオーナーなどにまで蔓延しました。つまり彼らは住宅ローンを金利の安いスイスフラン建てで借りたのです。

 このような横着な借り方をすると、今回のようにスイスフランが急騰すると、突然、借金の返済負担が増えると、お金が返せないリスクが生じるわけです。

 このように人工的に固定されたレートは、邪道な借り方を助長するわけです。

証券会社(ネット証券)比較!売買手数料で比較ページへ
ネット証券会社(証券会社)比較!取引ツールで比較ページへ
 つみたてNISA(積立NISA)おすすめ比較&徹底解説ページへ
証券会社(ネット証券)比較!人気の証券会社で比較ページへ
ネット証券会社(証券会社)比較!株アプリで比較ページへ
 iDeCo(個人型確定拠出年金)おすすめ比較&徹底解説!詳しくはこちら!
ネット証券会社(証券会社)比較!最短で口座開設できる証券会社で比較ページへ
ネット証券会社(証券会社)比較!外国株で比較ページへ
桐谷さんの株主優待銘柄ページへ
証券会社(ネット証券)比較IPO(新規上場)比較ページへ
ネット証券会社(証券会社)比較!キャンペーンで比較ページへ
証券会社(ネット証券)比較!総合比較ページへ
【2020年4月1日時点】

「米国株」取扱数が多いおすすめ証券会社

◆マネックス証券 ⇒詳細情報ページへ
米国株の取扱銘柄数 取扱手数料(税抜)
3500銘柄以上 約定代金の0.45%
最低手数料0米ドル、上限手数料20米ドル
【マネックス証券のおすすめポイント】
米国株取引に力を入れており、取扱数5400銘柄以上! 成行注文や指値注文のほか、逆指値注文、連続注文、ツイン指値(OCO注文)など、多彩な注文方法が使えるのも魅力だ。取引手数料もお得で、米国株なら最低手数料0ドルから購入可能。さらに、外国株取引口座に初回入金した日から20日間は、米国株取引手数料(税抜)だ最大3万円がキャッシュバックされる。また、米国ETFの中で「USAプログラム」対象銘柄は実質手数料無料(キャッシュバック)で取引ができる。しかもNISA口座なら、日本株の売買手数料が無料なのに加え、外国株(海外ETF含む)の購入手数料も全額キャッシュバックされ、実質無料になるのもメリット!
【関連記事】
◆【マネックス証券おすすめのポイントは?】日本株手数料の低さ、ユニークな投資ツールが充実しているネット証券大手
【米国株投資おすすめ証券会社】マネックス証券の公式サイトはこちら
◆SBI証券 ⇒詳細情報ページへ
米国株の取扱銘柄数 取扱手数料(税抜)
3300銘柄以上 約定代金の0.45%
最低手数料0米ドル、上限手数料20米ドル
【SBI証券のおすすめポイント】
2019年7月の値下げにより、米国株は手数料が最低0米ドルから取引可能になった。また、一部の米国ETFは売買手数料が実質無料で取引できる。あらかじめ設定した金額か株数(口数)で定期的に買付する「米国株式・ETF定期買付サービス」が便利。 NISA口座なら、日本株の売買手数料だけでなく、海外ETF(米国・中国・韓国)の買付手数料も無料に。また、米国株の情報入手には、各企業情報が1ページにまとまったレポート「One Pager」、米国株・米国ETFをテーマで検索できる「米国テーマ・キーワード検索サービス」、さらに銘柄検索やソートができる「米国株式決算スケジュールページ」が使いやすい。
【関連記事】
◆【SBI証券のおすすめポイントは?】IPOの多さ&夜間取引、銀行との連携など独自サービスも充実!
◆「株初心者&株主優待初心者が口座開設するなら、おすすめのネット証券はどこですか?」桐谷さんのおすすめは松井、SBI、東海東京の3社!
【米国株投資おすすめ証券会社】SBI証券の公式サイトはこちら
◆楽天証券 ⇒詳細情報ページへ
米国株の取扱銘柄数 取扱手数料(税抜)
2600銘柄以上 約定代金の0.45%
最低手数料0米ドル、上限手数料20米ドル
【楽天証券おすすめポイント】
米国株だけではなく、中国(香港)やアセアン各国(シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア)の株もラインナップ。海外ETFの取り扱い数も、米国ETF約300本を含む、約360本と業界トップクラス! 2019年7月の値下げにより、米国株式の取引手数料は最低0米ドルからになった。米国株式の注文は、最大90日先まで指値注文が有効で、「約定通知メール」サービスとあわせて利用すると便利。NISA口座なら買付手数料が無料(売却時の手数料は必要)なのもメリットだ。また、取引から情報収集までできるトレードツールの元祖「マーケットスピード」が有名で、数多くのデイトレーダーも利用。ツール内では日経新聞の記事を無料で読むこともできる。
【関連記事】
【楽天証券おすすめのポイントは?】トレードツール「MARKETSPEED」がおすすめ!投資信託や米国や中国株などの海外株式も充実!
◆【楽天証券の株アプリ/iSPEEDを徹底研究!】ログインなしでも利用可能。個別銘柄情報が見やすい!
【米国株投資おすすめ証券会社】楽天証券の公式サイトはこちら
本記事の情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新の情報は各社の公式サイトでご確認ください。

【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2020年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2020年の最強クレジットカード(全8部門)を公開!
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2020年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2020年の最強クレジットカード(全8部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードは、 本当は“ゴールド”ではなく“プラチナ”だった!? 日本初のゴールドカードの最高水準の付帯特典とは? 高いスペック&ステータスを徹底解説!アメリカン・エキスプレスおすすめ比較 おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」付帯サービスはプラチナカード顔負け!最強ゴールドカード 実力を徹底検証 最強のマイル系クレジットカードはこれだ!専門家2人がおすすめするクレジットカード SPGアメリカン・エキスプレス・カード 楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! ANAアメックスならANAマイルが無期限で貯められて還元率アップ! じっくり貯めて長距離航空券との交換を目指せ!
「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」付帯サービスはプラチナカード顔負け!最強ゴールドカード 実力を徹底検証 最強のマイル系クレジットカードはこれだ!専門家2人がおすすめするクレジットカード 楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! ANAアメックスならANAマイルが無期限で貯められて還元率アップ! じっくり貯めて長距離航空券との交換を目指せ!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

どうなる!?日本株
日経平均の新予測
株500激辛診断

5月号3月21日発売
定価730円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

どうなる!? 日本株

プロ68人に緊急アンケート!どうなる!?日本株
日経平均の新予測
楽観派VS悲観派の主張を比べてみよう
「SARS」vs「新型コロナ」相場の違いはどこ?
セクター別の打撃度チェック
DAIBOUCHOUさんWWW9945さんなど
億り人はこう動いた
新型コロナをモノともしない
「追い風」「克服」「ノーダメージ」の株を探せ!

人気の買っていい10万円株は99銘柄!
株500+Jリート14激辛診断
儲かる株の見つけ方
コロナショックの下落幅が小さい株
・来期も配当を増やす連続増配株
・いよいよスタート! 5G関連の株

2020年春のイチオシ株
10万円株/高配当株/株主優待株/Jリート/人気株

●みんな持ってる人気20銘柄の通信簿
・最新決算&アナリスト予想でわかった
来期も絶好調な株28銘柄

今が買いチャンス? 米国株100銘柄
・米国株の5つの心配をプロが解答
・増配し続けているスゴイ株「10年増配株」
・知る人ぞ知るスゴイ成長株「オススメ10倍株」
コロナショックで上がる株

●株入門マンガ/恋する株式相場! 
●AKB48武藤十夢のわくわくFX生活! ライフ

別冊付録
●来期業績を先回り!

上場全3761銘柄の最新理論株価

>>「最新号蔵出し記事」はこちら!

「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!

【重要なお知らせ】
>>定期購読の価格改定について


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2020】 クレジットカードの専門家が選んだ 2020年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 山本潤の超成長株投資の真髄で、成長株投資をはじめよう!(ザイ投資戦略メルマガ)

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報