FP花輪陽子のシンガポール移住日記
【第28回】 2017年12月15日 花輪陽子

シンガポールの富裕層が実践する「お金のルール」!
教育やバカンスにお金をかける一方、ムダなものに
一切お金を使わない、メリハリあるマネー習慣とは?

 ファイナンシャル・プランナー(FP)の花輪陽子です。

セントーサ島に自宅を持つのは富裕層の証セントーサ島の居住者のみが利用できるプライベートビーチにて。

 子どもがインターナショナルスクールに通うようになり、超高級住宅地であるセントーサ島に一軒家を所有するような、お金持ちの方々と仲良くする機会が増えました。意外なようですが、海外の富裕層の方々はごく気軽に自宅にも招いてくれ、食事を共にしたり、泊まらせてくれたりすることも。

 一緒にいる時間が長くなると、その人のマネー習慣が見えてきます。海外の富裕層には、日本人とは違うユニークな「お金のルール」が多々ありますが、今回は私たちも真似したい習慣をいくつか紹介させていただきます。

【富裕層のお金のルール(1)】
資産になるもの以外にはお金をかけない

 富裕層のお金のルールで、最も特徴的なのがこの点だと思います。友人の一人の特徴ではなく、複数の富裕層の友人が、資産になるもの以外にお金をかけない、というポリシーを持ってお金を使っているように見受けられます。以下、具体例を挙げていきましょう。

●ちょっとした食べ物や飲み物に浪費をしない
 富裕層のなかには、フェラーリなどの高級車を何台も所有していたり、高級ブランド品を山ほど所有していたりする人も大勢います。一見、華やかに見えますが、実は彼らが所有しているものは、不動産などを筆頭に、多くが転売価値のあるものです。

 必要なもの、ほしいものには惜しまずお金をかけているようですが、実のところ毎日の暮らしは質素そのもので、彼らがお金を使っているところ自体、あまり見たことがありません。

 出かけるときは、必ず水筒持参。あるいは極力自宅で飲食するようで、コンビニやコーヒーショップ、雑貨屋などで、飲み物やちょっとしたものを買うことも、基本的にはないようです。

●ものは簡単に捨てず、売ってお金にする
 彼らは簡単にものを捨てません。少しでも転売価値のある不要品は、SNSなどを利用して売却しています。自分のバッグなどを示しながら、「これは友達が中古で買ったのをもらったから、中古の中古なのよ」などと言っていることもあり、よいものであれば、中古でも気にしないようです。

 やみくもにものを買わず、不要品は売る、という習慣が定着しているためか、何人かの富裕層のお宅を訪問しましたが、どのお宅もものが少なく、きれいに整理整頓されていました。

●ポリシーが固まっているので、買い物に迷いがない
 富裕層の友人と一緒に買い物に行くこともありますが、彼らは予算とほしいものが明確なため、即決で買うものを決めており、常に迷いもムダもない印象です。買い物の所要時間の短さ、意思決定の早さは見習いたいといつも思います(ただ、自宅で試着をして、サイズが合わないなどの不具合があれば、よく交換しているイメージもありますが)。

●食事は美食よりもヘルシー志向
 食事は、ヘルシーで質のよいものを少量取る人が多い印象です。私がお付き合いしている方々は、一様に美食とはほど遠く、普段は野菜たっぷりなスープやサラダをたくさん食べます。もちろん、記念日などに外食をする際には、よいレストランにも行く、とのことですが、基本的には家で食事を取るようです。

●教育にはお金も時間もかける!
 富裕層の最大の投資先は子どもで、教育費にはしっかりお金を使っています。しかし、習い事などにお金をかけまくるというよりは、しっかりとした生活習慣を身につけさせている印象です。海外の富裕層は、一様に子どもを寝かせる時間が早く、幼稚園くらいの年齢の子どもは19時頃就寝させます。小学生でも19時~20時には寝かせている家庭が多いようです。

 また、時間をかけて読み聞かせをしたり、子どもの質問に対して丁寧に答えたり、いけないことは理由付けをしながら説明をしたりと、しつけがしっかりしています。私も見習おうと思って真似をしたら1週間でクタクタに疲れてしまいました。

 富裕層は子どもにかけることができる資源が豊富で、ヘルパーを何人も雇っている人も多く、子育てと家事と仕事で常にクタクタ、ということはありません。そのため、一般人は無理をしてはいけないと実感しました。それでも、余裕がある時は見習いたい、と常々思います。

【富裕層のお金のルール(2)】
「買い物」<「クオリティーオブライフ」

 日本人や中華系の人々には、買い物を大いに楽しむ文化がある一方で、欧米系やインド系の富裕層の人々は、買い物は抑えて毎日の生活をより豊かにさせたり、バカンスにお金をかけたりする傾向があります。

 日本人の感覚だと、ヘルパーを雇うお金を節約して、その分買い物をしたいと考える人も多いと思います。ところが、欧米系・インド系には、あまりそういった感覚がないよう。また、バケーションは年2~3回行くのも当たり前。日数は1~2週間と長く、お金をかなりかけるようです。

 日本では、2018年度から夏休みを短縮しようという自治体が出てきていますが、海外の学校はとにかく休みが多く、1年のうち3カ月以上休みなのが一般的です(夏休み2カ月、冬休み1カ月、秋春の休みがそれぞれ1週間程度)。子どもの学校の休みに合わせて、家族でバケーションに出かける感じです。一般的に、日本の企業よりも外資系のほうが、休みは長くとりやすいため、それが可能になるのでしょう。

【富裕層のお金のルール(3)】
「おもてなし」は無理をしない

 富裕層にとっても、最高のおもてなしは自宅に招いて料理を振る舞うことです。といっても、日本人のように、「できる限りのことを完璧にしなければ!」という感じではありません。突然人が来ることになっても慌てることはなく、その時点で家にあるもので歓待してくれる感じです。よって、常に豪華なおもてなしを受けられるわけではありません。

 彼らは頻繁に友人を自宅に招くので、私もお茶や夕食などを振る舞ってもらったことが何度もあります。どの家庭にも、基本的にヘルパーがいるので、お茶菓子や料理なども彼らに作らせています。パーティーの準備もヘルパーの仕事です。ヘルパーの存在があるからこそ、富裕層は気軽に人を家に呼ぶ、と言ってもいいかもしれません。

 さて、富裕層の「お金のルール」の一端が見えてきたでしょうか。彼らは意外と庶民感覚も持ち合わせており、付き合いやすい人たちなのです。

 私も当初は、富裕層が一般人と付き合ってくれるのか少し心配でした。ただ、わが家はシンガポールにおいては、日本人であることにより、かなり助けられています。皆、日本には興味があり、日本のちょっとした物(食品や日用品、家電など)が大好きだからです。

 英語もままならない私は、会話についていくのに精一杯ですが、言語以上に声のトーンや聞く姿勢を工夫して、コミュニケーションを取るようにしています。海外の富裕層は、お金の使い方に限らず、一緒にいるだけで学ぶことが多いので、これからもよい関係を築き、よい情報をシェアできればと思っています。