就職や異動、進学、引っ越しなどで新生活を迎える人も多く、なにかと忙しい4月の年度初め。しかし、この時期だからこそ、やっておかねばならないお金に関する手続きや、知っておきたいお得な情報がたくさんあります。忙しさにかまけてそれらを見落とすと、後悔することになるかもしれません。
そこで今回は、こういった「うっかり損」を防ぐために、新年度を迎える今こそ押さえておきたい、お金に関する制度の変更やサービスなどについて、例を挙げながら紹介したいと思います。
4月からは勤務先の「扶養手当」が変更になるケースも!
お得な行政サービス情報は、専門サイトでチェック
まずは、4月から始まる新年度に、絶対押さえておきたいお金に関する手続きや、お得な情報をゲットする方法を紹介します。
■勤務先の各種「手当」に新年度からの変更がないか確認する
税制改革によって、2018年1月から配偶者控除や配偶者特別控除の仕組みが一部変更されたことは、すでにお伝えした通りです。
(※関連記事はこちら!)
⇒「配偶者控除」と「配偶者特別控除」は2018年にどう変わったのかをわかりやすく解説! 大幅な改正で得する人、損する人を世帯主・配偶者の年収別に紹介
なお、企業の「配偶者扶養手当」を受けられる配偶者の所得の上限も、この配偶者控除や配偶者特別控除と同水準で設定されていることが多いようです。会社によっては、控除の変更に伴って、新年度から手当の基準を変更するところも出てくるかもしれません。配偶者がどのくらいまで働けるかなど、家計に影響のあることなので、勤務先の制度変更の有無やその内容を確認しておきたいところです。
■地域の行政サービスの開始や変更は、ポータルサイトやタウン誌で見逃さない
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行政サービスや補助制度は、新年度に新たなサービスが始まったり、補助金を受ける条件が変わったりします。こうした情報をつかむには、専用のポータルサイトを利用すると効率的です。
たとえば、地方自治体の発行する広報紙や行政情報を確認できる「マチイロ」や、東京23区の行政サービスを知ることのできる「ほじょナビ」などがあります。
また、住んでいる自治体のホームページのほか、タウン誌をチェックするのもおすすめです。行政に関すること以外にも、防災など地域についての情報や、格安で受けられるカルチャー教室、地元のお店のクーポン券など、お得な情報が掲載されています。行政情報を確認するついでに、こういったお得な情報が載っていないかも併せてチェックしてみてください。
■民間保険会社の「生命保険料」が安くなるケースも
2018年4月からは、原則的に「生命保険料」の掛け金は安く、「医療保険料」の掛け金は高くなります。これは、平均寿命が延びたり、高齢化社会が進行したりしている社会状況を反映して、2017年8月に日本アクチュアリー協会が作成している「標準生命表」が変更されたためです。
生命保険への加入を検討している人には好機と言えます。ただし、細かい条件などは会社により異なりますので、公式サイトなどでよく比較して決めてください。
「銀行口座」の開設や「語学教室」「ジム」への入会は、
キャンペーンを活用するのが絶対にお得!
春先は、さまざまな無料・割引キャンペーンが多くなるシーズン。特に金融機関やクレジットカード会社などは、新社会人などをターゲットとしたキャンペーンを多数打ち出すので、チェックするようにしておきましょう。
■金融機関の新生活キャンペーンでは「金利優遇」や「ポイント贈呈」などのサービスも!
たとえば銀行では、口座開設や預金預け入れの促進キャンペーンを行います。なかにはポイントをもらえたり、ギフトセットが抽選で当たったりするものもあります。
2018年3月時点で発表されている主要な銀行のキャンペーンの一例を挙げてみましょう。
◆三井住友信託銀行「春の円貨定期預金 金利優遇キャンペーン」
2018年3月12日(月)~2018年5月11日(金)までに、新型定期預金「グッドセレクト(固定型)」へ1契約 300万円以上を新たな資金で預け入れると、金利が優遇される。たとえば預入期間2年の場合、1000万円までは年0.12%、1000万円以上は年0.22%。5年の場合、1000万円までは年0.17%、1000万円以上は年0.27%。
◆イオン銀行「口座開設キャンペーン」
2018年2月9日(金)~2018年4月30日(月)までに、イオン銀行の口座を開設(またはイオンカードなど指定カードからの切り替え)するなどの条件を満たすと、「ときめきポイント」500円相当分がプレゼントされる。
(※関連記事はこちら!)
⇒【イオン銀行の金利・手数料・メリットは?】イオン銀行利用者は「イオンカードセレクト」が必須! 簡単に普通預金が定期預金並みの金利0.1%にアップ!
ただ、こうした金融機関のキャンペーンの中には、投資信託と定期預金の抱き合わせ商品(定期預金の金利をアップする代わりに、所定の投資信託を購入しなければならない)などもあるので、自分にとって本当に必要かどうか内容をよく検討してから申し込みましょう。
■語学教室などの習い事やトレーニングジムのキャンペーンも多数!
金融機関以外でも、トレーニングジムや語学教室などが「入会金・会費3カ月分無料!」といったキャンペーンを打ち出しています。これらに挑戦してみたい人は、この時期を狙ってスタートすると、お得に始められます。ただし、その際に注意すべきことがあります。それは、多くの場合、「最低6ヶ月以上の契約が必要」といった付帯条件がついてくる点です。契約するときは、案内書や契約書のチェックを細部まで怠らないでください。
キャンペーン時に契約した人からよく聞くのが、気前のいい文言にテンションが上がり、必要ないものにまで気まぐれに飛びついてしまうという失敗です。衝動買いを防ぐ心得は、「キャンペーンは定期的に行われるもの」と知っておくこと。チラシやCMを目にしたら、まず「今、本当に必要か」と問いかけてから判断してください。来年も、きっと同様のキャンペーンは開催されるはずですから、今年契約をしなかったとしてもあまり後悔する必要はないでしょう。
ちなみに、資格取得の勉強を始めたいと考えていて、この4月から社会人2年目になる人は、「教育訓練給付制度」を受けられるようになりますので、活用するととてもお得です。「教育訓練給付制度」とは、一定の条件を満たせば、厚生労働大臣の指定する講座を受講し修了した場合に学費の20%(上限10万円)が支給される制度です。
この制度を初めて利用する場合、「雇用保険の被保険者であった期間が通算1年以上」という条件があるため、社会人になりたてでは利用できません。該当する人は、民間の教室について調べる前に、まずはこの制度についてチェックしてみるといいでしょう。
いずれにせよ、春は物事を始めるのにとても良い季節です。年度の切り替わる4月や9月に昇級・昇給する人も多いと思いますが、給与のベース金額が変わるこのタイミングで家計の見直しを行なっておきたいところです。また、ライフスタイルの変化に合わせて、利用する銀行やクレジットカードを見直したり、家計簿をつけてみたりと、マネープランを改めるタイミングとしても最適です。
ぜひ新年度を迎える今こそ、家計の見直しやお得な制度を活用して、節約にはずみをつけましょう。
(取材/麻宮しま)
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