闇株新聞[2018年]
2018年6月22日 闇株新聞編集部

VW排ガス不正事件で子会社アウディの社長を逮捕。
欧州が隠す不都合な真実はどこまで暴かれるか!?

闇株新聞が怪しむ「欧州車排ガス不正事件の新展開」

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2年前に発覚した排ガス不正問題でVW子会社アウディの現社長が逮捕されました。米国では2兆円もの制裁金が科されると目される企業事件ですが、欧州ではなぜか大問題にならずに来ました。現社長逮捕で風向きが変わるのか!? 刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』が欧州自動車メーカーの闇に斬り込みます。

VW排ガス不正事件で子会社アウディの社長を逮捕。欧州が隠す不都合な真実はどこまで暴かれるか!? 闇株新聞が怪しむ「欧州車排ガス不正事件の新展開」

10億ユーロの罰金受入れ表明も、
検察は会社ぐるみの不正捜査に着手

 2015年9月に発覚した独フォルクスワーゲン(以下、VW)のディーゼル車排ガス不正について独ミュンヘン検察(以下、検察)は18日、VW子会社であるアウディのルパート・シュタートラー社長を逮捕しました。同氏はVW本社の取締役も兼ねています。

 検察はこれに先立つこと11日に、シュタートラー社長を不正に関わった詐欺容疑で捜査対象に加えると発表していました。それに対しVWは慌てて「責任を認め10億ユーロ(約1300億円)の罰金を受け入れる」と表明していたのですが“効き目”がなかったようです。

 VWではすでに10名近い幹部社員らが逮捕されていますが、主要子会社の現職社長が逮捕されたとなると、「会社ぐるみの犯罪」に踏み込んで捜査がなされることになります。

他メーカーも不正をしたが
なぜVWだけが捜査されるのか

 そもそもこの事件は、VWが環境基準検査を逃れるために「検査時だけ窒素酸化物が基準内に収まるような不正プログラム」を搭載し、通常走行時には基準値を遥かに超える(10~40倍だそうです)排ガスを吐き出すディーゼル車を、全世界で1100万台も販売していたというものです。

 事件は2015年9月に発覚しマルティン・ヴィンターコーン社長が辞任しましたが、後に米国で起訴されています。問題のディーゼル車が米国でも48万台ほど販売されていたからですが、米国当局は今後VWに2兆円以上という巨額の罰金を課すと言われています。

 問題はVWだけでは済みません。不正ソフトを搭載したディーゼル車は他メーカーも販売していたのです。例えばダイムラーは100万台以上の不正ベンツを販売し、ルノーに至っては1990年頃から経営陣全体が「不正な戦略」を進めていたと言われています。

 しかし、ダイムラーもルノーもこの問題を追及されたことはありません。穿った見方をすれば、ルノーの主要株主はフランス政府、ダイムラーは高級車(VWは大衆車)を扱うメーカーであるがゆえの「特別扱い」であると言わざるを得ません。

 同じ粉飾決算でもオリンパスは刑事事件化して逮捕者が出るのに、東芝は刑事事件化すらされないのと同じようなものです。

欧州の政財界が隠蔽に動いている
独検察はどこまで闇に踏み込めるか

 今回の不正ソフト搭載は米環境団体の依頼を受けたウエストバージニア大学工学部がVWのディーゼル車の排ガスを測定して発見しました。米国より遥かに多くのディーゼル車が走っている欧州で、同様の測定が全く行われていなかったのであれば大変に違和感があります。

 また、欧州自動車各社が急にEV(電気自動車)開発に舵を切ったのにも、排ガス不正問題から世間の目を逸らそうとする意図が見えます。欧州全体で隠蔽に動いているという見方が拭えませんでしたが、今回のアウディ現社長逮捕で事件は新たな段階に入ったと言えそうです。

 ちょうど米国と欧州(EU)の間で通商問題が波乱含みとなっており、この問題も新たに蒸し返されることになるでしょう。

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