「進捗率が例年より高い」銘柄の中から、上方修正の
可能性が高い"お宝銘柄"を発掘! 第1四半期の進捗率
30.6%で好発進の「日立建機」の第2四半期に要注目
第1四半期の業績進捗率が過去3年の平均よりも高く、業績&株価アップが狙える銘柄ベスト10を公開!
ダイヤモンド・ザイの特集「最新決算でわかった! 好発進の上ブレ期待株」では、発表された3月期決算企業の第1四半期決算で、早くも上方修正した企業や、業績進捗率のいい企業を一挙公開している。
今回はその中から「業績進捗率が例年より高い銘柄」のランキングと、注目株を抜粋して紹介しよう!(銘柄分析は田代昌之さん[フィスコ]、和島英樹さん[ラジオNIKKEI]、西村公佑さん[クォンツ・リサーチ]、村瀬智一さん、若杉篤史さん[ともにRAKAN RICERCA])
第1四半期で進捗率が「30%以上」なら好発進
初速の好不調は「業績進捗率」からも読み取れる。第1四半期であれば、通期計画に対して売上高や利益が25%以上あればまずまずで、30%以上なら好発進といえる。
下の表は、2018年8月3日までに決算発表をした3月期決算企業で、第1四半期の進捗率が過去3年の平均よりも高い順にランキングにしたものだ。(ダイヤモンド・ザイでは30位まで掲載)
■例年よりも「業績進捗率が高い」3月期決算企業 ベスト10 | |||||
増加分 (1)-(2) |
第1四半期の進捗率 | 第1四半期 営業利益 ※百万円 |
最新の株価 | ||
(1)今期 | (2)過去 3年の平均 |
||||
1位 | ◆持田製薬(4534・東1) | ||||
28.2% | 88.1% | 59.9% | 6167 | ||
2位 | ◆日本金銭機械(6418・東1) | ||||
23.8% | 61.9% | 38.1% | 743 | ||
3位 | ◆東京産業(8070・東1) | ||||
20.1% | 36.3% | 16.2% | 872 | ||
4位 | ◆寺岡製作所(4987・東2) | ||||
19.7% | 44.5% | 24.8% | 578 | ||
5位 | ◆スター精密(7718・東1) | ||||
19.1% | 50.1% | 31.0% | 4006 | ||
増加分 (1)-(2) |
第1四半期の進捗率 | 第1四半期 営業利益 ※百万円 |
最新の株価 | ||
(1)今期 | (2)過去 3年の平均 |
||||
6位 | ◆テセック(6337・東J) | ||||
18.3% | 40.0% | 21.7% | 400 | ||
7位 | ◆アルパイン(6816・東1) | ||||
16.6% | 30.8% | 14.2% | 4008 | ||
8位 | ◆アドバンテスト(6857・東1) | ||||
14.9% | 45.8% | 30.9% | 15818 | ||
9位 | ◆ヤマタネ(9305・東1) | ||||
12.1% | 42.2% | 30.1% | 2273 | ||
10位 | ◆ノリタケカンパニーリミテド(5331・東1) | ||||
11.8% | 36.1% | 24.4% | 1915 | ||
2018年8月3日までに決算発表した3月期決算企業で、第1四半期の進捗率が過去3年の平均より高い順にランキング。対象企業は第1四半期が増収増益で、通期の営業利益見通し10億円以上、25日平均売買高1万株以上。 |
「2015~2017年の平均では、第1四半期に経常利益の進捗率が30%以上あった銘柄は、3カ月後の株価がTOPIX対比で5.6%上昇しました。さらに前期よりも5%以上改善した銘柄は7.3%上昇しています」(ニッセイ基礎研究所チーフ株式ストラテジスト・井出真吾さん)
今回も進捗率が45.8%と高かった8位の「アドバンテスト(6857)」の株価が跳ね上がった。
「アドバンテスト」は半導体検査装置の世界大手。半導体試験装置の需要が好調で、AI(人工知能)に使われるハイエンドICの試験装置にも引き合いが多い。第1四半期の営業利益は、前年同期比7倍の158億円で、進捗率46%と好発進している。
売上が下期偏重の企業や、季節性に気を付けよう

第1四半期は上方修正が少ないぶん、この進捗率こそが有力なモノサシになり得る。例えば、「日立建機(6305)」は上方修正していないが、この第1四半期の進捗率は30.6%と例年以上に高い点に注目。
ただし、「数字を見ただけで株を買うのはリスクがあります。決算短信の経営に関する説明などを見て好発進の材料を確認しましょう」(こころトレード研究所・坂本慎太郎さん)。
また、気を付けたいのは業界ごとの季節性だ。「建設やソフトウエア関連の企業は、12月や3月に売上が集中するので、第1四半期の進捗率は25%よりも低いことが常態化している場合もあります」(坂本さん)。
「進捗率に注目した投資が最も成功しやすいのは、第1四半期です。第2、第3四半期と後ろに行くほど、株価に期待が織り込まれており成功しにくくなります」(坂本さん)というから、今こそ実践したい。
ダイヤモンド・ザイでは、例年よりも業績進捗率が高い銘柄の中で、特に注目の銘柄を「アドバンテスト」以外に5銘柄、厳選して紹介しているので参考にしてほしい。
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