超成長株投資で資産10倍計画!

東京ドーム(9681)の株価は三井不動産によるTOBで急騰。長期投資家の視点に立ち、今回のTOBを評価してみた!対話を重ね価値向上に貢献する投資家を育成したい!山本潤の超成長株投資の真髄 第89回

2020年12月2日公開(2022年3月29日更新)
山本 潤
facebook-share
x-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事
  

三井不動産によるTOBで株価急騰の東京ドーム(9681)

 三井不動産(8801)は、11月27日、東京ドーム(9681)に対して株式公開買い付け(TOB)を行うと発表しました。買い付け価格は1株1300円で、買い付け総額は1205億円です。それを受けて、同社の株価は1440円(12月2日終値)と急騰しています。

 私は緊急事態宣言下にあった4月15日、DFR会員に向けて「東京2020一か八かファンド」を発表しました。このファンドは、通常の長期保有目的のDFRポートフォリオと異なり、コロナで大きな打撃を受けた企業の応援と、東京オリンピックの閉会式が終わる頃までの値上がり益を期待して組成したものです。

[参考記事]
●東京2020 一か八かファンドの助言銘柄を一挙公開
100万円コースが12銘柄、200万円コースが15銘柄
東京五輪終了までに短期キャピタルゲインを狙う

 東京ドームも同ファンドの組み入れ銘柄の1つです。ファンド発表当時の株価は741円(4月15日終値)でしたから、TOBで2倍近く上昇しました。短期トレードのパフォーマンスとしては上出来ではないでしょうか。

今回のTOBから学ぶべき、投資家と企業のあるべき緊張関係とは?

 さて、今日の本題は銘柄分析ではなく、今回のTOBを通じて、投資家と企業との対話はどうあるべきかを考えてみたいと思います。それにあたり、TOBまでの経緯を振り返りましょう。

 香港のアクティビストファンドであるオアシスが、同社株を大量保有したのが約1~2年前。オアシスは経営陣への友好的対話を通じて収益向上策を提案してきました。人気球団「読売ジャイアンツ」の積極的な活用、球場のネーミングライツやデジタルサイネージ広告の導入による収益向上です。さらに隣接するホテルや遊園地も含めて再開発を行い、日本有数のエンターテインメント施設にする構想も提案し、実行を促してきました。しかし、同社は対話に応じるものの、真剣に検討する気配はありません。

 その後、オアシスはしびれを切らし、株主総会で経営者解任の議案を提出。大株主とはいえ10%弱の保有にすぎないため、他の機関投資家にも賛成してもらうことで、改革路線への転換を迫りました。一方、同社は水面下でホワイトナイトを探し、三井不動産が名乗りを上げるに至ったのです。

 買い付け価格の1300円は、オアシス側に利益をもたらすものの様々な施策を打てば2000円になると想定していたはずですので、真意は定かではありませんが、及第点といったところでしょうか。一方、三井不動産側は上場企業であり割高な買収をすれば説明責任が生じるため、1300円はギリギリ出せる高値でしょう。

東京ドームとオアシスはなぜ「仲違い」したのか

 私は過去に東京ドームを取材したことがありますが、土地バブルの時代までさかのぼると、地方のリゾート会社を買収するなど経営拡大に積極的で、今と真逆でした。しかし、バブルが崩壊し、負の遺産処理に長年を費やし、今はその反省もあり安全運転の経営に徹し、冒険しない企業になったのでしょう。

 オアシスの提案も非現実的な面がありました。例えば、ドームと球団の関係です。両者の間には提案を実現できるような強固な関係はありません。ドームは球団に箱を貸すだけの関係にあり、例えば、ドームでグッズ販売を行っても球団の売り上げになり、ドームの利益にはなりません.

 提案の実現が難しいのは、ドームに公共的な性格が強いこともあります。ドームの使用料を需給で決められないのも一例です。例えば、有名アーティストのコンサート料を需給だけで決めれば高くできるでしょうが、現実は難しいでしょう。企業は営利を追求する存在と言えど、ESG(環境・社会・ガバナンス)や公共性も配慮しなければなりません。大規模開発の際は地域住民とのコンセンサスも不可欠です。ファンドが思うほど一足飛びに進めることは難しく、慎重に議論を進める必要があったのです。

三井不動産は最適なパートナーなのか?

 では、同社の長期の企業価値向上という視点に立って、三井不動産によるTOBを評価しましょう。それに当たり、私がまず思ったのは、本来タッグを組む最高のパートナーであるはずの読売グループの主力事業である新聞やテレビ事業が長期成長を描きにくく、大規模投資が期待できないことです。また、東京ドームが主体となる改革も期待できないのは前述のとおりです。

 その意味で、同社は買収されるべきと考えるのが適切でしょう。買収する企業は、事業の関連性で言えば、資金力がある球団や、オリエンタルランドなどのようなレジャー関連の大企業が買収するのがいいかもしれません。そう考えると、三井不動産は「最善の相手」ではないと言えるかもしれませんが、私は現実的なパートナーとして非常に期待しています。

 理由は、三井不動産は都心開発や大規模再開発のプロだからです。東京ドームは老朽化しており、建て替える必要があるでしょう。その際、例えば屋根を開閉式にして、夜空にボールが吸い込まれるようなナイターの醍醐味を味わえる、世界に誇るボールパークに建て替えてもらいたいものです。

 先日、日経新聞で三井不動産の社長が「東京ドーム建て替えも視野に入れている」とのコメントがあったので、実現が期待できるかもしれません。究極は三井不動産が球団を買収することでしょう。買収までいかずとも、三井不動産と読売グループが提携すると面白いでしょう。

DFRでは、長期目線で投資先企業と対話できる投資家を育成する

 いずれにせよ、ファンドと上場企業との緊張関係は悪いものではありません。なぜなら、こうした対話や議論を通じて、企業価値の向上が望めるからです。日本の機関投資家はもっと汗をかいて企業と対話するべきでしょう。私も多くの上場企業の社長にお会いしますが、社員の女性比率に応じて女性取締役数を増やして欲しいとか、DOE(株主資本配当率)の採用などを働きかけています。こうした対話や提案は長期投資家が果たすべき役割です。ただ株を保有していればよいわけではありません。

 DFR(ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ)も長期投資ファンドとして企業経営を応援し、必要な対話を行なっています。日本企業がガバナンスを強化し、投資家との対話のプロセスを重視する。投資家は短期視点ではなく、全てのステークホルダーの長期利益追求のための良き相談相手となる。企業の社会性や永続性が高まり、国民に支持されてこその上場企業です。株式市場は健全化し、短期需給で振り回されることが少なくなる。短期株価に一喜一憂しない長期投資家を育成することが、DFRの目指す世界です。

(DFR投資助言者 山本潤)

 この連載は、長期投資で資産10倍を目指す個人のための資産運用メルマガ『山本潤の超成長株投資の真髄』で配信された内容の一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガに登録すると、週2回のメルマガの他、無料期間終了後には会員専用ページでさらに詳しい銘柄分析や、資産10倍を目指すポートフォリオの提案と売買アドバイスもご覧いただけます。山本潤氏の新刊が発売『初心者でも勝率99%の株ポートフォリオ戦略』

東京ドーム(9681)/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)


三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の魅力を徹底解説!NISAは全商品が手数料無料!「クレカ積立で最大3%還元!」「普通預金金利が大幅アップ!」などメリット多数!
年200万円利用で高級ホテル宿泊券がもらえる!最強ゴールドカードを検証! ダイヤモンド・ザイのウェブ会員登録はコチラから 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
ゴールド・プリファード・カードの公式サイトはこちら moomoo証券は「米国株」投資におすすめの証券会社! 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の公式サイトはこちら! 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の魅力を徹底解説!NISAは全商品が手数料無料!「クレカ積立で最大3%還元!」「普通預金金利が大幅アップ!」などメリット多数! 楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ゴールド・プリファード・カードの公式サイトはこちら moomoo証券は「米国株」投資におすすめの証券会社! 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の公式サイトはこちら! 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の魅力を徹底解説!NISAは全商品が手数料無料!「クレカ積立で最大3%還元!」「普通預金金利が大幅アップ!」などメリット多数! 楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

インフレ&金利のある
世界の新常識と処方箋
人気の株500激辛診断

5月号3月21日発売
定価950円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[インフレ&金利のある世界の新常識]
◎第1特集
デフレ思考は転換が必要!
インフレ&金利のある世界の新常識と処方箋
●インフレと金利の基礎を知る
●人生計画の練り直しが必須!新ライフプラン
●収入源を複数確保せよ!老後のおカネ
●維持費アップから家計を守ろう!住まい&住宅ローン

●預金や投資先まで見直しを!貯蓄&投資
●昔の契約のままだと危険!保険
●日々の家計を守る!買物・食費・生活費の“おトク&節約”処方箋

◎第2特集
買っていい高配当株は97銘柄!
[2026春]人気の株500+Jリート14激辛診断

●投資判断に異変アリ
買いに躍進!》
エーザイ、LINEヤフー、コマツ、サンリオなど
強気に転換!》三井物産、JR東日本、東レ、オービックなど
●旬の3大テーマ
利益が高進捗で上ブレ期待の株/前期・今期に続き来期も増配の株/需要拡大が必至のAIを支える株
●2026年春のイチオシ株
10万円株/高配当株/株主優待株/Jリート
●気になる人気株
大型株/新興株/Jリート

◎第3特集
いつ、いくらで買える?何日に積立てるとトク?
NISAで勝つ!投資信託再入門

●AI相場&政局不安を攻略!4つの儲け方
買い時/AI株/業種/IPO株
●GAFAM+α定点観測
●買いの優良成長株9&高配当株9

●人気の124銘柄買い売り診断
●株価数倍が狙える逆襲のIT株

◎第4特集
AI株は明暗がわかれる!
人気の米国株150激辛診断

●信託報酬は売る時に引かれるの?
●為替ヘッジのあり・なしはどっちがいい?

◎別冊付録
増益予想で割安な株は1582銘柄
上場全3856社の最新理論株価

◎ZAi NEWS CHANNEL
●退職金専用定期預金の金利がアップ!
「最高は3カ月・3%の西京銀行!期間終了後は他行に預け替えも」

◎いつもの連載も充実!
●10倍株を探せ!IPO株研究所2026年2月編
「2026年IPOの出だしは不調!異例の公開価格割れ続きに」
●ZAiのザイゼンがチャレンジ!目指せ!お金名人Vol.20
「賃上げってどんな仕組み?」
●17億円トレーダー・ジュンのFX成り上がり戦略Vol.15
「価格の動きを細かく分析する」
●おカネの本音!VOL.45 杉村太蔵さん
「派遣・議員・タレント…国策に乗ったら不安定人生が大逆転!」
●株入門マンガ恋する株式相場!VOL.113
「色恋と相場を揺らす消費税」
●マンガどこから来てどこへ行くのか日本国
「分断と階層化が進行中!“普通の人”が東京に住めなくなる危機」
●人気毎月分配型100本の「分配金」速報データ
「2月末までは相場堅調で利回り2ケタが続出!」
●ZAiクラブ拡大版! 1カ月で1番上がる株を当てろ!
「ザイ“10倍株候補”のKudanが46%上昇!」

>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報