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2013年1月9日 ザイ・オンライン編集部

「年収400万円・独身」が”老後も逃げ切れる”マネープランとは?

独身者が考えるべき「一生のお金」(2)

「年収400万円・独身」で"老後が逃げ切れる"マネープランとは?

 では、年収400万円やそれよりやや少なめの年収の場合、独身者が老後の生活に困らないマネープランとはどんなものなのか? 八ツ井さんにシミュレーションしてもらった。

 プランは、80歳までをメドとして、毎年の収入、支出、貯蓄額の3つを考えていく。独身者の特徴は、結婚、教育関連の大きな出費がないので基本的に貯蓄は60歳まで一直線に右肩上がりに増えていくこと。

 家を買う場合は、60歳前の貯蓄がいったんグッと減る部分が出てくるが、その分、60歳以降で貯蓄を取り崩すペースが緩やかになり、老後資金に余裕が出る。一方、賃貸の場合は、60歳以降も毎月の家賃が発生するので老後資金を取り崩すペースは速い。ただ、家を買っていない分を60歳までに貯金に回せるはずなので、準備できる老後資金そのものが多くなる。(「独身者は家をどうすべきか」については当特集第4回でさらに詳しく!)

 このキャッシュフローに沿って、年収400万円を前提に80歳まで貯蓄が尽きることなく「逃げ切れる」ように金額を当てはめていった場合、住居費や生活費、貯蓄額はどのような金額になるか。正社員の場合、非正規社員の場合、また、家を買った場合、実家の場合などいくつかのケースについて、具体的に見て行こう。

モデルケース(1)
年収400万円・正社員で賃貸暮らしのAさん

 まずは、【正社員・賃貸暮らしのAさん】の場合。Aさんの収入・貯蓄状況とキャッシュフローは以下の通り。

(※これ以降に紹介する生涯のキャッシュフローは、すべて現時点で34歳の人を想定。年収は60歳定年までの平均金額と考え、見た目上の変動はないものとする。生活費は、物価上昇や将来の負担増の影響を加味。また、その他の年間支出、家賃、保険料は生涯一定として試算)

■収入
*年収:400万円(60歳まで。61~65歳は再雇用でその半分。66~70歳はバイトで月5万円程度)

■支出
*家賃:7万円/月
*生活費:10万円/月
*保険料:約3000円/月
*貯蓄額:5~7万円/月
*贅沢費(家財買い替え、旅行など):約30~40万円/年

■34歳時点での貯蓄額:400万円
■60歳で退職金を700万円受け取るものとする。

 年収400万円で、家賃を7万円程度に抑え、生活費を10万円にして、そのほかに貯金もしたパターン。この場合、毎月5~7万円程度をコツコツ貯蓄し続けたおかげで、60歳時、退職金以外に2000万円強の貯金があり、退職金を合わせて約2900万円に。

 年金受給は65歳からで、60~65歳は同じ会社で半分程度の給与で働き66~70歳までは月5万円程度のアルバイト収入を得る前提としているが、老後も現役時代と同水準の支出が続く生活にもかかわらず70代半ばになっても、1000万円程度貯蓄を残すことができている。八ツ井さんは、次のように話す。

 「Aさんはずっと賃貸暮らしで家を買っていないため、キャッシュフローは60歳の定年まで一本調子の右肩上がり。着実な貯蓄と60歳のときに受け取った退職金で、老後の生活費や医療費などを用意することができると予想できます。

 ここで大事なのは、年収400万円台という決して高くない収入をしっかり自覚して、贅沢をせずに、毎月きちんと貯金をしていたこと。また、正社員であるため、60~65歳にある程度の収入が得られることも効いています。ですが、決してラクな生活とは言えません。逆に言えば、年収400万円なら、このくらいの水準で生活しつづけることを覚悟しないと、老後も家賃を支払い続ける貯蓄はできないともいえます」