【第326回】 2014年8月4日 広瀬 隆雄
政策金利のベクトルが変わるときは「売り」だ!
【今回のまとめ】
1.米国市場は大幅安した
2.GDPは良かった
3.雇用統計もサプライズなし
4.FRBは今後インフレの兆候を監視する
5.政策金利の方向が変わるときは売り
米国株式市場は大幅安
先週の米国株式市場は大幅安しました。ダウ工業株価平均指数は-2.75%、S&P500指数は-2.69%、ナスダック総合指数が-2.18%でした。
GDPが良かったので、引締め観測が台頭
急落の背景には先週発表された第2四半期GDPが+4.0%と強かったことがあります。

第1四半期のGDPも、これまでの-2.9%から-2.1%に上方修正されました。
雇用統計もしっかり
先週金曜日に発表された7月の非農業部門雇用者数は20.9万人でした。これはコンセンサス予想よりわずかに低い数字でした。それでも5カ月連続して20万人を上回ったことで、アメリカ経済が安定的に雇用を生み出せるようになっていることが印象付けられました。

失業率は6.2%でした。

このため投資家の間には「アメリカ経済は思いのほか強いぞ」という新しい認識が生まれています。
FRBは、もうデフレ・リスクを心配していない
先週の連邦公開市場委員会(FOMC)では声明文の中からデフレ・リスクという表現が一掃されました。このことは米国連邦準備制度理事会(FRB)が、もはやデフレ・リスクを心配しておらず、逆に今後、インフレが加速する可能性に対して目を光らせ始めたことを示唆しています。