【今回のまとめ】
1.米国株式市場は足踏み
2.決算はおおむね良好
3.フェイスブックは再びとても良い決算を発表
4.アマゾンの赤字体質に投資家は苛立ち
5.水曜日の第2四半期GDPはFRBの今後の方針にとり重要
米国株式市場は足踏み
先週の米国株式市場は、ウクライナ、ガザなどの地政学的なニュースが一段落したにもかかわらず足踏みしました。ダウ工業株価平均指数は-0.83%、S&P500指数は±0%、ナスダック総合指数が+0.39%でした。
先週の決算のハイライト
火曜日に発表されたマクドナルド(ティッカーシンボル:MCD)の第2四半期決算はEPS(一株当たり利益)が予想$1.44に対し$1.40、売上高が予想72.9億ドルに対し71.8億ドル(+1.4%)と悪かったです。既存店売上比較は予想の+0.9%に対し±0%に終わりました。食材を仕入れる際の品質管理に投資家の不安が出て、7月に入ってからの既存店売上比較は前年比マイナスで推移しています。
アップル(ティッカーシンボル:AAPL)の第3四半期(6月期)決算はEPSが予想$1.24に対し$1.28、売上高が予想380.4億ドルに対し374億ドルでした。注目されたiPhonesの販売台数は予想3600万台に対し3520万台でした。消費者は既に今年の秋、iPhone6が出ることを見越して買い控えが出始めているという説明がありました。
マイクロソフト(ティッカーシンボル:MSFT)の第4四半期(6月期)決算はEPSが予想60¢に対し55¢、売上高が予想229.9億ドルに対し233.8億ドルでした。なおEPSには特殊要因が含まれているので、それを除いた数字は58¢でした。企業向けの製品やサービスはいずれも好調で、先のインテル(ティッカーシンボル:INTC)の決算同様、企業の購買意欲に改善が見られました。
フェイスブック(ティッカーシンボル:FB)の第2四半期(6月期)決算はEPSが予想32¢に対し42¢、売上高が予想28.06億ドルに対し29.1億ドル、DAU(デイリー・アクティブ・ユーザー)が予想8.26億に対し、8.29億、MAU(マンスリー・アクティブ・ユーザー)が予想13.18億に対し、結果13.2億、モバイルMAUが予想10.54億に対し10.7億でした。
スターバックス(ティッカーシンボル:SBUX)の決算はEPSが予想66¢に対し67¢、売上高が予想41.4億ドルに対し41.5億ドルでした。既存店売上比較は+6%でした。
アマゾン(ティッカーシンボル:AMZN)の第2四半期決算はEPSが予想-15¢に対し-27¢、売上高が予想193.3億ドルに対し193.4億ドルでした。ユニット成長は+23%でした。これは第1四半期と同じで、落胆すべき数字でした。

また営業マージンはだんだん悪化しています。

このような中、投資家はいつまでも薄利多売戦略を続けるアマゾンに不安を感じ、金曜日の立会では-9.65%と大幅安しました。
水曜日のGDPがFRBの方針に大影響を与える
今週のスケジュールで最も大事なのは水曜日に発表される第2四半期GDPです。コンセンサスは+2.9%です。ちなみに第1四半期は-2.9%でした。

この第2四半期GDPも重要ですが、この発表に合わせて過去3年に遡り数字が見直されることになっています。第1四半期の-2.9%という悪い数字に首を傾げる投資家が多かったので、この数字に訂正が入るかどうか大いに注目されます。
もしこれらの数字が全般的に強かった場合、米国の利上げのタイミングに関する議論ならびに現在、連邦準備制度理事会(FRB)が在庫にしている4.1兆ドルの債券類をいつ、どのような方法で減らしてゆくのか? という問題に対し議論が活発化すると思われます。
既に量的緩和政策は10月をもって終了させるということが発表されています。それに引き続き、フェデラルファンズ・レートの引き上げのタイミングとして、多くの投資家は2015年6月前後を予想しています。
フェデラルファンズ・レートは2008年末以来、かれこれ5年半も限りなくゼロに近い水準に留め置かれています。これは下のグラフからもわかる通り、極めて異例で、不規則な政策です。

既に大半の経済指標は景気がノーマルな状態に戻っていることを示しており、今回の決算発表に際するカンファレンス・コールでも不景気を訴える企業は皆無でした。
これらのことから、FRBの利上げのタイミングが早まる可能性も高いと思います。それは別の言い方をすれば、既にFRBは取り返しがつかないほど後手に回っているということです。
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