節約の達人が伝授!ゼロから貯める節約術
【第8回】 2015年9月30日 風呂内亜矢

「生命保険」の賢い選び方&見直し術を伝授!
満期までずっと高額な保障が続く保険に騙されるな!
「本当に必要な保障額」を算出して保険料を節約せよ

 過去2回の記事で「医療保険」や「がん保険」「三大疾病保険」の必要性や賢い選び方を解説してきましたが、今回は「生命保険」について解説します。
(関連記事⇒「医療保険」は健康保険や労災保険があれば不要!? 保険商品や保障内容を見直して、高額な保険料を大幅にカットする「保険料」の節約術を伝授!
(関連記事⇒「がん保険」や「三大疾病保険」は必要なのか?死因のトップ3「がん」「心筋梗塞」「脳卒中」の「三大疾病」を保障する保険の必要性と選び方を解説

 あまり考えたくないことですが、人はいつ死ぬかわかりません。若くて元気な人が、突然事故で急逝することもあります。その人が急に亡くなったとき、遺族が経済的に困窮する場合は、死亡時にまとまった保険金が出る「生命保険」に加入しておくことも重要です。

 遺族が経済的に困窮するのは、たとえば妻が専業主婦、子どもがまだ小さい家庭で、夫が死亡した場合などです。妻が就職するにしても、子どもが小さいと思うように働けず、生活費に困る恐れがあります。

 親に仕送りなどの経済的な援助をしていたり、病気の家族を支えていたり、あるいは本人に住宅ローン以外の借金があったりする場合にも、ある程度の蓄えを残さずにその人が亡くなると、遺族はたちまち生活費に困ることになります。何千万円という単位の貯金があれば別ですが、そうでなければ「生命保険」も選択肢として検討する必要があります。

貯蓄目的でも使えることで人気だった「養老保険」だが
現在では利回りが悪化しているので魅力がない!

 一方で「生命保険」には貯蓄目的で使えるものもあって、それらは“貯蓄型”の保険と呼ばれています。昔、人気だった「養老保険」はその代表格です。

「養老保険」は、満期(通常は60歳前後)まで保険料を支払い続けると「満期保険金」を受け取れ、満期より前に被保険者が亡くなったときには「死亡保険金」が出ます。その際、「満期保険金」と「死亡保険金」は同額になるという特殊な仕組みです。

 支払った保険料は保険会社によって運用されるので、中途解約をしなければ、原則として受け取れる保険金は払い込んだ保険料よりも多くなります。利回りが変動するタイプの保険以外では、あらかじめ契約時に運用利回りが約束されており、これを「予定利率」と呼びます。

「予定利率」が高ければ戻ってくる保険金は増えますが、今はどの保険会社でも「予定利率」が低水準になっています。今より「予定利率」がよかった時代には、「養老保険」を使って死亡時の備えをしつつ、満期になれば支払った保険料を大きく上回る「満期保険金」を受け取ることができたので人気でしたが、ここ最近は「特約」などが原因で元本割れする例も増えているため、「養老保険」は不人気になっています。

「養老保険」以外に貯蓄目的で使えるのは、生命保険の中でも「終身保険」と呼ばれるものです。「終身保険」は一生涯保障が続き、何歳であれ、亡くなったときには「死亡保険金」が出ます。一生涯保障を維持しなくても、どこかで中途解約をすれば、「解約返戻金」を受け取れます。

 たとえば、若いときから保険料を支払い続け、60歳で払い済みになった「終身保険」を70歳くらいで解約すれば、まとまった「解約返戻金」がドーンと入ってきます。若いときに貯金のような感覚で保険料を払うことにより、老後の蓄えができるわけです。

 ここまで駆け足で説明してきましたが、このように「死亡保障の生命保険」には「保障」と「貯蓄」という2つの機能があるということはおわかりいただけたでしょう。

更新型の「定期保険」と「定期付き終身保険」はNG!
おすすめは合理的な「逓減定期保険」や「収入保障保険」

 さて、「生命保険」には種類があります。どれも「保障」の機能があるのは当然ですが、「貯蓄」の機能に関しては、あるものとないものがあります。

 一部例外はあるものの、基本的に「定期保険」のくくりに入っている保険は、保険料が掛け捨てとなるので貯蓄性はありません。「終身保険」のほうは、保険料が掛け捨てではないので貯蓄性があります。そのため、「保険は保険、貯蓄は貯蓄で分けたい人」は「定期保険」を、「保険で貯蓄もしたい人」は「終身保険」を選ぶのが原則です。

 ただし、「定期保険」「終身保険」にもいくつかの種類があり、下の表のようにわけることができます。

■生命保険は大きく分けて3タイプある。それぞれの特長は?
各保険の種類 概要
 【定期保険】(一部の例外を除き 貯蓄機能なし)
 定期保険 契約期間があらかじめ決まっている保険。5~10年程度の短期型と、数十年保障が続く長期型がある。前者は原則掛け捨て。更新型だと保険料がどんどん上がっていくので注意が必要。後者はあまり個人向けには利用されない
 逓減定期保険 年を負うごとに保険金が減少していくタイプの定期保険。保険料は、保険金が変わらない定期保険よりも安い
 収入保障保険 被保険者が亡くなると、遺族に対して一定期間毎月、もしくは一時金で保険金が支給される。毎月保険金が出る点が最大の特徴。掛け捨て型が多く保険料は安い
 【終身保険】(一部の例外を除き 貯蓄機能あり)
 終身保険 被保険者が亡くなるまで、一生涯死亡保障が続く。保険料は高い。中途解約すると解約返戻金がもらえる
 定期付き終身保険 終身保険に定期保険が特約として上乗せされている。昔、加入した保険だとこの商品であることも多い。保障される金額を誤認しやすく注意が必要
 低解約返戻金型
 終身保険
契約当初の一定期間の間に解約すると、解約返戻金が大幅に安くなり、損をしてしまう。その代わり保険料が安いので、しばらく解約しない自信がある人向け
 【養老保険】(貯蓄機能あり)
 養老保険 満期まで保険料を支払い続けると、満期保険金が受け取れる。満期を前に被保険者が亡くなったときには、死亡保険金が出る。保険料は高め
 その他 医療保険や三大疾病保険などにも死亡保障付きのものがある

 「保険料はあまり払えない」「死亡保障は、子どもを養っている間だけあればよい」と考えるなら、おすすめは「定期保険」の「逓減定期保険」か「収入保障保険」です。

 逆に「家計は余裕があるから、多少保険料はかかっても、掛け捨てより後で取り戻せるほうがいい」「保障も用意しつつ、保険で貯蓄もしたい」と考える人であれば、「終身保険」の「低解約返戻金型終身保険」などを選択しましょう。

 そのどちらでもなく、「大きな保障はいらないけど、死んだときに誰にも迷惑をかけないように、お葬式代くらいは出るようにしておきたい」というような人は、保険金を200万~300万円程度(=お葬式代)に設定した「終身保険」に加入するのがベストです。これなら保険料はそうかかりません。

 ただ、「定期保険」にしろ「終身保険」にしろ、中にはあまりおすすめできない商品があります。特に注意したいのが次の2つです。

◆NG保険①「定期保険(保障期間中は保険金が一定。更新型)」
◆NG保険②「定期付き終身保険」


 順に解説していきましょう。