先週、ワイオミング州ジャクソンホールで連邦準備制度理事会(FRB)のシンポジウムが開催されました。
イエレン議長は「雇用市場は引き続き改善しているし、経済活動や物価の見通しもしっかりしてきていることから、フェデラルファンズ・レートを引上げる必要が高まった」とコメントしました。
同様に、フィッシャー副議長も9月2日に発表される8月の雇用統計が良ければ9月21日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げすることになるだろうとほのめかしました。
今週金曜(9月2日)に発表される雇用統計は
「非農業部門雇用者数で+19万人」がカギ
このシンポジウムに出席していたウォールストリート・ジャーナルに所属するFEDウォッチャー、ジョン・ヒルゼンラースは「今週金曜日に発表される非農業部門雇用者数で+19万人以上であれば、利上げだろう」と語りました。
これを受けてCMEで取引されているフェデラルファンズ・レート先物価格から逆算される利上げ確率は、36%に増えています。
なお、投資家が注意すべき点は、今週金曜日の雇用統計の発表後、アメリカはレイバー・デーの3連休に入ってしまうという点です。
これは夏休み最後の週末ということもあり、休みを取るトレーダーも多いです。その関係で、ちょっとした拍子にボラティリティ(=相場のブレのこと)が跳ね上がるリスクもあります。
さらに言えば、レイバー・デー明けは、例年、夏休みの間、「お預け」になっていた新規株式公開や増資などの案件が一斉に動き始める時期でもあり、相場の需給関係が崩れやすいのです。
雇用統計が良ければ9月に利上げだが
前回の利上げ後は株式市場が3カ月間下落している
普通、政策金利がそれまでの緩和から引締めに転じる際は、それに敬意を表するカタチで、相場は一旦、下げます。
しかし一回利上げしてしまうと、二回目以降は、回数を重ねるごとに利上げの心理的プレッシャーは軽くなります。
今回の利上げサイクルは、2015年の12月から始まっています。つまり9月21日のFOMCでもし利上げされれば、それは二回目ということになります。
しかし前回の利上げからだいぶ時間が経ってしまっているので、今回、利上げということになると投資家は嫌気すると思います。
ちなみに2015年の12月に利上げが発表されたときは、それを嫌気してマーケットは2月まで下げ続けました。
それが再演されるリスクがあるのです。
雇用統計が悪かった場合は?
利上げは大統領選後の12月の可能性が大
さて、上に書いたのは9月2日に発表される非農業部門雇用者数が良かった場合、言い換えれば+19万人以上の場合のシナリオですが、逆にこの数字が弱かった場合は、どう対処すれば良いのでしょう?
その場合、FRBは利上げを引込めると思います。
そしてアメリカは11月の大統領選挙に向けて慌ただしくなります。
その場合、無理して利上げすることは、しないと思います。
だから次の利上げチャンスは大統領選挙後の12月ということになるでしょう。
そのシナリオでの株式市場の動きですが、やっぱり冴えないものになると思います。なぜなら今度は利上げが12月まで先延ばしになることから、FRBが「後手に回る」リスクが増大すると懸念されるからです。
【まとめ】
雇用統計が良くても悪くても米株は軟調に
つまり9月2日の雇用統計が良くても、悪くても、今週以降の米国株式市場は軟調な展開が予想されます。ひょっとすると、急落局面すらあるかも知れません。つまりリスク/リワードを勘案するとここからは慎重に行動した方が良いのです。
売れるものは処分し、ポートフォリオのキャッシュ比率を高くし、次の急落局面で買い出動できるように現金を作っておいてください。
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