成長する米国&世界に投資する最強のFIRE計画(プロジェクト)

日本経済は麻酔が切れたまま手術するような状態へ!今まで超金融緩和策に守られてきた日本経済危うし!?個人ができる対策とは?

2022年12月29日公開(2022年12月26日更新)
ポール・サイ
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事
1

 黒田さんは金利変動幅を拡大しました。

 黒田さんというのは、みなさんご存じ、2期10年に渡って日銀総裁を務めてきた黒田東彦氏のことです。

黒田日銀総裁が金利変動幅を拡大した裏の理由とは?

 黒田さんが金利変動幅を拡大した理由は…

 「ロシアのウクライナ侵攻以降、資源価格の高騰や各国の金融政策の転換などさまざまな要因からボラティリティが高まっていた。一時的に収まったように見えたが、最近、また高まってきた。イールドカーブがゆがみ、企業金融などにマイナスの影響を与える恐れがあるので、市場機能の改善を図った」

 というものでした。

 これは表向きに言える公式な理由です。

 その裏の理由は円安。つまり、インフレです。

 日本の11月のコアCPI(消費者物価指数)は前年同月比で3.7%上昇しました。実に1981年12月以来という極めて高い水準です。

 日銀はマイナス金利政策で短期金利を抑え込み、さらにYCC(イールドカーブコントロール)によって長期金利(10年物国債利回り)も抑え込んできました。その状況で、インフレが加速していることになります。

 実質金利は名目金利からインフレ率を引いたものになりますが、このような状況だと、実質金利はマイナス圏でさらに落ち込んでいっていることになります。

 そして、日銀は日本国債全体の50%を保有しています。次に保有量が多いのは生保、その次は銀行です。

国債が売られ、通貨が売られ、株も売られたイギリスの例が日本の参考に…

 今後の日本の金融市場を考えるうえで、参考になる国があります。イギリスです。イギリスで起こったことを振り返ってみましょう。

 イギリスの中央銀行、イングランド銀行は2021年末にイギリス国債全体の50%を保有していました。その後は徐々に減らそうとしています。

 リズ・トラス前政権は景気対策のため、財政出動をして、財政収支がマイナスになる政策を打ち出しました。これを見た市場で、国債は売られ、金利は上昇し、英ポンド安、英国株安が起こりました。

 この市場の動揺は、イングランド銀行が緊急措置として国債を買うことで落ち着きました。そして、首相は代わりました。

日本経済は麻酔が切れたまま手術するような状態へ向かっている!!

 イギリスで起こったことの教訓は、日本政府は国債をいつまでも大量に発行し、それを日銀に買ってもらって、財政出動できるわけではないということです。

 前述したとおり、日銀はすでに50%の日本国債を保有していて、それを増やすことの限界が近づいていると思います。

 日銀は国債だけでなく、ETF(上場投資信託)購入を通じて、実質的に株式もかなりの量、保有しています。日本株式市場の6.7%ぐらい保有していることになります。平常の状態とは言えません。

 本来は日銀が金融緩和をしている間に、政府が構造改革するのが良かったのです。これは病人が手術台に乗っている間に、麻酔を打つのと同じです。麻酔は金融緩和で、手術は構造改革です。しかし、日本は麻酔だけして、手術はしていない状況です。

 そして、その麻酔はもうすぐ切れそうです。市場はそれを受けて動き始めました。

※メルマガ「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」募集中! 米国株&世界の株分析毎週届き、珠玉のポートフォリオの提示も! 登録から10日以内の解約無料。


ダイヤモンド・ザイ 2024年12月号好評発売中!
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2021年の最強クレジットカード(全8部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

お金が減らない高配当株
NISAお悩み相談室
株トレ

12月号10月21日発売
定価780円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[お金が減らない高配当株78銘柄]
◎第1特集
死ぬまで使える資産がつくれる!
お金が減らない高配当株 厳選78

●武藤十夢と一緒にマスター!高配当株なら資産がつくれてお金が減らない!
●優良高配当株を持ちっぱなしで増やす

・勝ち組のワザ!
立川一さん
「増配傾向の株に投資」
なのなのさん「利回り4%以上に注目」
・10年以上増配が続く株
・配当がド安定の株
・増益基調の増配株

●割な安高配当株を売買しながら増やす
・勝ち組のワザ!
御発注さん
「高配当株の人気化を待つ」
配当鳥さん「高配当株を逆バリで買う」
・高利回りの景気敏感株
・成長期待の高ROE株
・キャッシュリッチな中小型株


◎第2特集
オルカン積立続行でOK?
持ち株をズバリ診断!
NISAのお悩み相談室

●NISA人気NO.1投信「オルカン」積立て続けても大丈夫?
●NISAの使い方&投信お悩み相談
●アナタの持ち株ズバリ診断!
●今さら聞けないNISAのギモン14にすべて答えます


◎第3特集
NISAで買えて長く持てる!
注目テーマの好成績投信27

●テーマを選ぶコツ&注意点
●テーマ別好成績投信
ハイテク全般/半導体/インフラ・製造業/エコ・ESG/AI(人工知能)/ロボット・クラウド

 

◎第4特集
円安も円高もビッグチャンスに!
今すぐ儲ける!FX入門

●マンガでFXの魅力を理解!
●儲かる仕組み:為替差益/レバレッジ
●儲けるコツ:チャート/政策・指標
●FX口座の選び方


【別冊付録】
累計15万部のベストセラー
一問一答の株ドリル!買っちゃダメな株がスグわかる!

株トレ出張版 ファンダメンタルズ編

 

◎連載も充実!

◆NEWS:東京メトロが10月23日に上場!これから買うならいつが正解?
◆連載3回目:ZAi編集部の新人・ザイゼンがチャレンジ!目指せ!お金名人
「年金だけで老後暮らせる? 老後にもらえる年金額を知ろう!」
◆10倍株を探せ!IPO株研究所「上場日集中で買いが分散!銘柄により明暗!」
◆マンガ恋する株式相場「大谷翔平銘柄!株価もSHO-TIME!」
◆マンガ「収入減の心配は無用!男性こそ育休を取ろう」
◆人気毎月分配型投信100本の「分配金」速報データ!
「9月も低調が続き100本中4本の分配金がダウン!」

 

>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2023】 クレジットカードの専門家が選んだ 2023年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報