フィデリティ創業家のネッド・ジョンソン氏、突然現る
中国に3年ぐらい滞在したあと、日本に戻りました。今度は日本のアナリストのマネジメントとパイロットファンド(会社自己資金・商品開発のためのファンド)の運用をやっていました。
その時期、ボストンで学生の最終面接に携わったことがありました。学生にストックピッチ(短時間での銘柄推奨)をやってもらっていたのです。
すると、急に人事部の担当が部屋に入ってきて、「スペシャルゲストが来ました!」と告げられました。トビラが開くと、フィデリティ創業家のネッド・ジョンソン氏が現れました。みんな、びっくりしました。
実はジョンソン氏はリハビリで、彼が所有しているそのホテルを散歩していたのです。すると、日本のフィデリティが面接しているという案内板が見えました。そこで、面接の場へ行ってみようと思ったというのです。
学生はとても緊張していましたが、幸い、ジョンソン氏が入ってきたのはすでに面接の終わりに近い頃でした。ジョンソン氏はその学生に人生のアドバイスを与えて、また散歩に戻りました。
そのアドバイスは、次のようなものでした。
「金融業界はいい業界です。富がたくさん得られて、勉強もできます。しっかり自分に投資して、貯金し、投資すれば、あなたにはこれから明るい未来が待っていますよ」
フィデリティを辞めてFIREを実現
調査部長を3年ほどした後、FIREできることが視野に入ってきて、子供たちにアメリカの生活を体験させるため、シアトルに移住しました。
その後、フィデリティを辞めて、今まで投資してきた戸建て住宅の管理と自己資金の運用をするようになりました。
その際、今まで経験したフレームワーク、日本株の経験、中国株の経験を米国株に当てはめました。今のところ、自分の資産では米国株と米国資産が割合として一番大きいです。会社訪問をあまりしない今、情報開示が進んでいる米国株の方が安心して投資できると判断しました。
日本株も保有していますが、主に国際競争力がある会社を中心にしています。
中国株も競争力があり、ガバナンスがしっかりしている大きめの会社を中心に持っています。
中年になると、人生はもう後半に入った、命は限られているということをとても感じるようになりました。人生の中で何が重要か、生きがいは何か、もっとじっくりと考えるようになりました。
私が出した結論は、子供といっしょに時間を過ごすこと、友だちと交流すること、社会に、そして、自分が所属するコミュニティに貢献することが大事ということです。
人生の前半は、お金を儲けることに重心を置きましたが、後半は他者とのつながり、他の人たちへプラスになるようなことを中心にしようと考えています。
なので、本連載やメルマガ「米国株&世界の株に投資しよう!」の執筆のほか、シアトルのロータリークラブに参加し、ワシントン大学ビジネスコンサルティングセンターの授業のアドバイザーを務め、日本の障害者アートNPO「Art of The Rough Diamonds」の主要メンバーとなり、日本の難民支援NPO「WELgee」の国際募金について援助をしています。
本連載やメルマガ「米国株&世界の株に投資しよう!」を通じて、みなさんの幸せ・投資の成功に貢献できれば…と思っています。
●ポール・サイ ストラテジスト。外資系資産運用会社・フィデリティ投信にて株式アナリストとして活躍。上海オフィスの立ち上げ、中国株調査部長、日本株調査部長として株式調査を12年以上携わった後、2017年に独立。40代でFIREし、現在は、不動産投資と米国株式を中心に運用。UCLA機械工学部卒、カーネギーメロン大学MBA修了。台湾系アメリカ人、中国語、英語、日本語堪能。米国株などでの資産運用を助言するメルマガを配信中。
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