オーストラリア人が茨城の民家を競売で購入。17万5000ドルで、すばらしい家と広い庭を手に入れた
アメリカでは、日本の空き家が注目されています。
こういった空き家は、問題とみなされるよりも、むしろ宝物として評価すべきです。少し郊外であれば、このような安い住宅を手に入れることによって、都会に住むよりもいいライフスタイルを実現できます。投資によって不労収入を得るか、リモートワークで収入を得て、大都市以外のところに住めば、若いうちからFIREの生活が実現できます。
ニューヨークタイズにこんな記事が出ていました。
あるオーストラリア人が茨城の民家を競売で購入したのです。価格は2万5000ドルでした。取り壊すのではなく、リフォームすることにしました。リフォームに15万ドルをかけました。あわせて17万5000ドルで、すばらしい家と広い庭を手に入れました。これは海外の高い不動産価格と比較すると、とても安いです。
アメリカでは実施するのが当然で重要なインスペクションが、日本ではまだあまり一般的ではない
海外では家は消費財ではなく、資産になっています。住宅取引のシステムは、考え方の違いにより、日本と海外で大きく異なっている点がいくつかあります。
(1)海外、特にアメリカでは、家は資産として長持ちさせるためにしっかりと建てられ、購入後もメンテナンスが十分行われます。一方、日本では、戦後しばらくは資金不足のため、住宅があまり頑丈には作られていなかったのです。家は値下がりするので、メンテナンスをそこまで念入りにしない傾向があります。しかし、逆にもっと古い民家は昔ながらの作りで頑丈だったりします。
(2)私が初めて日本で家を買った時、驚いたのは、家の取引をする際に、インスペクション(専門家による住宅の状況調査)があまり一般的ではなかったことです。素人の目でみて判断するのが一般的なのです。住宅にはいろいろと問題が潜んでいる可能性が十分あるため、取り壊す前提でなければ、インスペクションは重要です。買い手はこのリスクを負うため、価格を安くしないと、取引が成立しません。
(3)アメリカのインスペクションでは、電気、水道、構造など、細かく100ページぐらいのレポートが作成されます。そして、そのインスペクションをもとに価格交渉に入るのが普通です。インスペクションがあるので、売り手も家をちゃんと整備してから売らざるを得ないです。そのため、普段からある程度、家の整備をしておくのです。
海外の人から見ると、日本人がもはや住めないと考えるような住宅にお買い得な住宅がある
海外の投資家が日本の不動産を評価する観点には独特なものがあります。海外の不動産市場とは異なっている面があるのです。
海外の人から見ると、日本人がもはや住めないと考えるような住宅にお買い得な住宅があります。最近、海外では日本文化や建築に対する関心が高まっており、日本的な雰囲気がある古い民家が特に好まれているのです。
しかし、外国人にとって、日本に住むことは容易ではありません。そのため、好きであっても、安くても、買えない、住めないのです。そのため、日本の民家を購入できる人は限られています。
そこで日本の方々に気づいてもらいたいのは、日本人であることで、海外の人々が欲しくても手に入れづらい住宅・ライフスタイルを手に入れることができるということです。
アメリカだと、郊外でも、田舎でも、一戸建ての家は30万ドルぐらいかかります。アメリカ全土の住宅取引価格の中央値は44万ドルほどです。日本円に換算すれば、約6000万円です!
日本には割安に放置されている民家がたくさん潜んでいる。日本の田舎や少し郊外に住むライフスタイルにすばらしい可能性あり
不動産の世界で、住宅のインスペクションをしないのは、株式投資で会社の調査をしないのと同じです。
日本には割安に放置されている民家がたくさん潜んでいると思います。
自分で勉強してインスペクション、鑑定を行うか、日本でもインスペクションの専門家が出てきているので、彼らに頼んでインスペクションを行うことによって、割安に売り出されている物件を購入できると思います。ちゃんと調べることによって、不動産もいい買い物ができることでしょう。
日本の都会で暮らす場合、生活費は海外の主要都市とほとんど変わりませんが、日本の田舎や少し郊外に住むことを考えると、ライフスタイル、生活の質は大幅に向上するでしょう。これを実現するためには、投資することによって不労収入を得るか、リモートワークをすることです。
デフレの中で、日本の生活コストはかなり下がってきました。しかし、値段が安くなっている割に、質は悪化していないです。
考え方を変えれば、選択肢は一気に増えます。しかし、自分たちが慣れ親しんでいる生活習慣の中にいると、他のライフスタイルに気づくことはなかなか難しい。そこで、いったん海外の人たちの視点から日本のライフスタイルを見てみると、新たな発想が生まれるかもしれません。
海外で投資したり、リモートワークを活用して収入を得て、日本の郊外や田舎に暮らすことはすばらしいライフスタイルだと思います。
●ポール・サイ ストラテジスト。外資系資産運用会社・フィデリティ投信にて株式アナリストとして活躍。上海オフィスの立ち上げ、中国株調査部長、日本株調査部長として株式調査を12年以上携わった後、2017年に独立。40代でFIREし、現在は、不動産投資と米国株式を中心に運用。UCLA機械工学部卒、カーネギーメロン大学MBA修了。台湾系アメリカ人、中国語、英語、日本語堪能。米国株などでの資産運用を助言するメルマガを配信中。
※メルマガ「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」募集中! 米国株&世界の株の分析が毎週届き、珠玉のポートフォリオの提示も! 登録から10日以内の解約無料。