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【1】今日の株式相場早わかり!
中国恒大の米破産申請、人民元・中国株相場にらみ
日経平均株価は3日続落! 17日の米国市場では主要株価指数がそろって3日続落した。週間の新規失業保険申請件数が大幅に減少し、日本の20年物国債入札が低調だったこともあって、長期金利の上昇が続いた。これがハイテク株の売りを誘った上、決算発表したウォルマートが先行きへの慎重姿勢を示し、小売株なども売られた。また、中国の不動産大手、中国恒大集団が米国で破産法の適用を申請したと伝わり、今日の日経平均株価は続落してスタート。中国で人民元安の一服とともに上海総合指数が上昇して始まると、日経平均株価も下げ渋る場面があったが、日中で株価の戻りは限られた。
米アプライド・マテリアルズが決算を受けて時間外取引で上昇し、アドバンテストや東京エレクトロンなど半導体関連株の一角は堅調だった。来週は米経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が注目イベントとなるが、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は25日に講演すると伝わった。
【日経平均】31450.76円↓(-175.24円)
【マザーズ指数】714.39↓(-6.73)
【NYダウ】 34474.83ドル↓(-290.91ドル、17日)
【ナスダック】13316.932↓↓(-157.696、17日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
不安定感の強まる市場、「自社株買い銘柄」に注目!
今日は4~6月期の決算発表と同時に(または前後して)自社株買いの実施を発表した銘柄に注目したい。中国恒大の米破産申請など中国をめぐる懸念がクローズアップされているが、金融市場を見渡すとほかにも脆弱性を抱える資産で変調の兆しが見られる。こうした環境で、自社株買いによる需給(売りと買いのバランス)面の下支えが期待できる大型株は安心感がありそうだ。
日本郵船は3日、発行済株式(自己株式を除く、以下同じ)の16.7%に相当する8500万株、2000億円を上限とする大規模な自社株買いの実施を発表。取得した自己株式は全株消却する予定だ。3月公表の中期経営計画では、自社株買いの実施を通じて資本効率を向上する方針を掲げている。また、海運セクターでは川崎汽船も発行済株式の4.7%相当を上限に自社株買いを実施。「物言う株主(アクティビスト)」として知られるエフィッシモ・キャピタル・マネージメントに加え、川崎重工業やみずほ銀行から4日に立会外で620万株あまりを取得した。ただ、取得枠の上限に達していないため、今後も市場での自社株買いを継続する予定だ。
取得割合6.1%のINPEXや、4.7%の日本特殊陶業も比較的、規模の大きい自社株買いと言える。これら銘柄の直近1カ月の株価パフォーマンスは日経平均株価(-3.21%)と比べ良好だ。不安定感の強まる市場環境でも底堅く推移することを期待したい。
■日本郵船株価チャート/日足・6カ月
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【3】金曜連載「ザイアナリスト小林大純『ホットなテーマ!』」
バフェット氏の住宅株取得、日本株にも物色波及!
著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハサウェイは14日、米証券取引委員会(SEC)に報告書を提出し、6月末時点の保有銘柄が明らかになった。日本の大手商社株も保有し、今年4月の来日で日本株ブームの火付け役となったバフェット氏。当コラムではこれまでバークシャーの売買動向をお伝えしてきたが(直近では5月19日号)、今回の報告書も株式市場に影響を与えているため、その内容を確認しておこう。
4~6月期の新規取得が判明したのはDRホートン、レナー、NVRといった住宅メーカー株だ。米国では16日発表の7月住宅着工件数が前月比3.9%増えた。一方、連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)が17日発表した30年物固定住宅ローン金利はおよそ21年ぶりの水準に上昇。先行きを不安視する声もあるが、長期保有スタンスのバフェット氏の新規取得は注目に値する。また、関連銘柄の物色は日本株にも波及。16日には住友林業の株価が+4.36%となった。同社以外にも大和ハウス工業、積水ハウスといった日本の大手ハウスメーカーが米事業を展開している。さらにクボタやマキタなど、米住宅関連の需要獲得が期待できる銘柄は多い。
クレジットカードに強い金融のキャピタル・ワンや、石油・ガスのオキシデンタル・ペトロリアムは追加取得。もっともシェブロンは保有減少、ヴィテス・エナジーは全株売却と、エネルギー関連銘柄に関しては選別姿勢が見られる。自動車のゼネラル・モーターズ(GM)や、マイクロソフトによる買収手続きが遅れているゲームのアクティビジョン・ブリザードも保有減少。また、ヴィテスのほかに保険のマーシュ・アンド・マクレナン、医薬品卸のマッケソンを全株売却した。
小林大純
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
早稲田大学法学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科(現経営管理研究科)修了(MBA)。金融情報サービス会社のフィスコなどを経て現職。日本株アナリストとして各種メディアで活動中。
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