「勝者のゲーム」と資産運用入門

去年波乱のジャクソンホール会議も今年は無事通過。米国のインフレ抑制進み、逆業績相場も最終盤へ。繰り返し助言する。来たるべき金融相場に備えよ!太田忠の勝者のポートフォリオ 第100回

2023年9月5日公開
太田 忠
facebook-share
x-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

去年のジャクソン会議はFRB議長発言で株価急落。今年も悪夢の再来か?

 パウエル議長の講演でNYダウは1008ドル安、9月も9%安と急落―。

 毎年8月下旬にカンザスシティ連銀の主催で3日間にわたって米国ワイオミング州のジャクソンホールでシンポジウムが開催される。各主要国の中央銀行総裁や幹部、経済学者らが集まり様々な議論が交わされる。ジャクソンホール会議と言われるもので、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の講演もおこなわれる。米連邦公開市場委員会(FOMC)と同様に世界中が注目するイベントである。

 冒頭の「パウエル議長の講演でNYダウは1008ドル安、9月も9%安と急落」は、実は1年前の2022年8月26日(金)に起きた出来事だ。わずか8分40秒の演説の中でパウエル議長は「やり遂げるまでやり続けなければならない」とインフレ退治を目的とした利上げを継続する決意を表明。2023年早々にも政策金利は低下するとのノーテンキな楽観相場に警鐘を鳴らし、タカ派的な姿勢を鮮明にしたことからマーケットは急落し、「逆金融相場」への流れが強まった瞬間である。

「今年はタカ派的な要素は乏しい」と私が予想した通り、波乱なく通過

 このような悪夢があったため、今年の8月25日(金)の23:05(日本時間)から始まるパウエル議長の講演を控えてマーケットには緊張感が走っていた。

 「今年のパウエル議長はタカ派的なサプライズ姿勢を見せる要素は乏しい」「従来通りインフレ抑制に対する姿勢を示しつつ“追加利上げの判断はデータ次第”、“会合ごとに決定する”との見解を繰り返す可能性が高い」「大きな波乱の可能性は小さい」と私は自身の投資助言業務で前もってレポートを出していたが、実際この日の米国市場は主要3指数揃って上昇し波乱はなかった。パウエル議長のコメントの骨子は「インフレ率は依然として高すぎる」「必要ならば追加利上げの用意がある」という2点であったが、いずれも想定内の発言である。

 債券市場では、もう一段の利上げに備えて長期金利は8月22日に4.36%をつけていた。これは2007年11月以来となる15年9ヶ月ぶりの高水準であり、昨年のジャクソンホール・ショック時を上回っていたのだ。それが8月31日時点では4.10%まで低下して落ち着きを取り戻している。

 冷静に考えれば、米国のインフレ率はピーク時9%超えの状態から現在は3%台まで低下しているため金利が一段と上昇するのはおかしいわけだが、マーケットはいろいろな思惑で動くため、ファンダメンタルズの実態とかけ離れたことがしばしば起こる。

米国の経済指標を総点検。インフレ抑制は進み、金融引き締め局面は終盤

 先週はいろいろと米国の重要な経済指標が発表されたので点検してみよう。まずは7月の雇用動態調査(JOLTS)である。全米での求人件数は予想の946.5万人を下回る882.7万人となり、2021年3月以来の低水準にまで低下した。8月のADP全米雇用リポートは+17.7万人と予想の+20万人を下回った。また8月の雇用統計では失業率が予想の3.5%より悪化して3.8%となり、平均時給の伸びは予想を下回った。労働需給が緩和しており、インフレ圧力の鈍化につながるとの見方が広がった。また、8月の消費者信頼感指数も106.1と予想の116.0を下回った。これによって、政策金利予想を示す民間調査のフェドウオッチでは9月と11月の政策金利据え置きの可能性が高まった。

 インフレ抑制に向けて正しい方向に進んでいるという感じであり、私の想定に沿った展開だ。パウエル議長は「あと1回の利上げの可能性」について言及しているが、再利上げの可能性はかなり小さくなっていると見るべきだ。仮に、もう一度利上げをするようなことがあれば「これが本当の最後」という明確なメッセージになると思う。要するにあと1回利上げがあろうがなかろうが、金融引き締めへの警戒をする局面はほぼ終わっているということになる。

 私がしばしば議論するマーケットサイクル。株式市場は「金融相場」「業績相場」「逆金融相場」「逆業績相場」の4つの局面がグルグル回りながら展開していくわけであるが、今我々がいる場所は「逆業績相場」である。金利引き上げのメインストーリーが終わったものの、高い金利水準で景気が減速し、企業業績も悪化するというのが「逆業績相場」である。

 今の米国の経済状況は非常に強い。これだけ金利を引き上げても多くの主要企業の業績は堅調であり、経済指標も腰折れすることなく、株式市場も底堅い動きを見せている。

逆業績相場もそろそろ最終盤。来たるべき金融相場に備えることが大切

 一方、日本においては4~6月期の国内総生産(GDP)の速報値において、物価変動の影響を除いた実質ベースで前期比1.5%増、年率換算で6.0%増となった。プラス成長は3四半期連続であり、事前の民間予測の年率換算GDPの伸び率3.1%増を大幅に上回った。内需がマイナス1.2ポイント、外需がプラス7.2ポイントの寄与度。個人消費が弱含む一方、輸出の復調が全体を押し上げた。GDP実額は実質年換算で560.7兆円と過去最高。コロナ前のピークの2019年7~9月期の557.4兆円を超えた。これは喜ばしいことである。また、上場企業の2024年3月期の純利益は前期比6%増え、3期連続で最高益になる見通しとなっており、日本も非常に好調だ。

 「逆業績相場」では通常、景気減速や企業業績悪化に身構えて株式市場は冴えない展開となるがそうはなっていない。今考えるべきことは「高水準に引き上げられた政策金利(米国を中心として)がいつ引き下げに転じるか」である。そもそもインフレ退治のための金融引き締めであり、インフレが鈍化すれば金融引き締めは副作用が大きい。そのあたりのことを考えなければならないのだ。ということで、今の私の頭の中は「逆業績相場もそろそろ最終盤へ」というシナリオになっており、「来たるべき金融相場に備えてどうすべきか?」に移行している。皆さんは今の株式市場をどう捉えているだろうか?

「勝者のポートフォリオ」は過去最高値更新。9月は更なる飛躍を期待!

  さて、太田忠投資評価研究所とダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(DFR)がコラボレーションして投資助言をおこなっている「勝者のポートフォリオ」。先週は1か月ぶりに過去最高値を更新、年初来高値8銘柄と大きく躍進した。8月は米金利上昇と中国景気減速懸念でマーケットは停滞気味であったが、9月は期待したい。

 9月6日(水)20時より毎月恒例のWebセミナーを開催する。今回のテーマは『逆業績相場もそろそろ最終盤へ』。マーケットはどんどん進んでいる。来たるべき金融相場に向け「勝者のポートフォリオ」ではテンバガー候補銘柄への投資を開始。テンバガーが生まれるロジックや銘柄発掘法のスペシャル講義もスタート。コラムでは個別銘柄の話はなかなかできないが、セミナーでは今後大きく上昇が期待できる銘柄も存分にお話する予定だ。会員限定だが、10日間無料お試し期間中でも参加可能。セミナー当日14時までのお申込み(15時URL配信)。誰でも参加できるのでぜひどうぞ。なお、会員の方は後日アーカイブでの視聴ならびにプレゼンテーションPDFもご利用いただけるようになっている。

●太田 忠 DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもメルマガ配信などで活躍。

 

国内外で6年連続アナリストランキング1位を獲得した、
トップアナリスト&ファンドマネジャーが
個人投資家だからこそ勝てる

「勝者のポートフォリオ」を提示する、
資産運用メルマガ&サロンが登場!

老後を不安なく過ごすための資産を自助努力で作らざるを得ない時代には資産運用の知識は不可欠。「勝者のポートフォリオ」は、投資の考え方とポートフォリオの提案を行なうメルマガ&会員サービス。週1回程度のメルマガ配信+ポートフォリオ提案とQ&Aも。登録後10日間は無料!

太田忠の勝者のポートフォリオ

10日間無料 詳細はこちら※外部サイトに移動します


三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の魅力を徹底解説!日本株の売買手数料が完全無料(0円)に! クレカ積立の還元率が業界トップクラスなのも魅力!
年200万円利用で高級ホテル宿泊券がもらえる!最強ゴールドカードを検証! ダイヤモンド・ZAi無料会員登録はコチラから 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の公式サイトはこちら! 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の魅力を徹底解説!日本株の売買手数料が完全無料(0円)に! クレカ積立の還元率が業界トップクラスなのも魅力! 楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の公式サイトはこちら! 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の魅力を徹底解説!日本株の売買手数料が完全無料(0円)に! クレカ積立の還元率が業界トップクラスなのも魅力! 楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

株で1億円を作るワザ
家計を救う!株主優待
iDeCo入門


12月号10月21日発売
定価950円(税込)
楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[株で1億円を作るワザ]
◎巻頭インタビュー
橘玲が教える!「プアジャパン」時代のお金の守り方・増やし方
◎巻頭企画
ZAiの最新理論株価で判明!
増益割安&高配当の2大割安株ランキング

●人気20銘柄の最新割安度・割高度を公開
●割安株ランキング&プロの注目銘柄

◎第1特集
30代で達成も!最高10億円!
株で1億円を作るワザ

●[手法1]株ノートに記録
リョウジさん/株億太郎さん
●[手法2]高配当株に投資
配当君さん/かげやまさん
●[手法3]投信・優待株を売買
株_熱中症さん
●[手法4]割安・成長株を売買
のぶのぶ野郎さん/シンさん
●[手法5]順バリスイング
りんたんさん
●[Column]達人3人の座談会
ちょる子さん・桶井道さん・たぱぞうさんは
AI・半導体株にどう向き合う!?

◎第2特集
プロがガチ選出!
家計を救う!株主優待ベスト72

●優待名人・桐谷さんが力説!株主優待の底力
「ドン底の私を救ったのは株主優待でした」

●おトクで儲かる!株主優待神7
●予算別 インフレに勝てる!最強の優待株
●どんどん利回りアップ!長期で増える優待株
●新設優待利回りランキング

◎第3特集
保有株の見直し・余った枠の使い方など
NISAの年末駆け込み"ToDoやることリスト"

●保有株と投信は必要に応じて売却・乗換えを
●余剰資金があるなら株を購入&積立を増額

●金融機関の変更手続きは12月中旬まで
●旧NISAで買った株や投信を整理
●ザイ読者のリアルなNISA年末戦略

◎別冊付録
iDeCo入門第4回
「どこで始める?ネット証券&銀行のサービス比較」

●マンガで理解
口座選びで差がつく!3つのポイントを比較

●iDeCo口座の選び方 ネット証券5社/銀行6行
●口座開設の実践編
マイナカードを手元に総合口座を解説
審査完了後に手続きを開始

◎短期集中連載
株好きアイドル[ラフ×ラフ]高梨結VSザイ部員
スイングトレード株バトル最終回
トレード振り返り!勝敗のターニングポイントは?

◎いつもの連載も充実!​
●ZAiのザイゼンがチャレンジ!目指せ!お金名人Vol.27
「大雨被害にどう備える?」
●17億円トレーダー・ジュンのFX成り上がり戦略Vol.22
「細かく積上げるのがスキャル流」
●おカネの本音!VOL.52 西野亮廣さん
「お笑いも映画も舞台も!大きな夢をかなえる“稼ぐ力”のつくり方」
●10倍株を探せ!IPO株研究所2026年9月編
「半導体株が失速する中で中小型株に注目が!」
●株入門マンガ恋する株式相場!VOL.120
「国債は満期まで?恋はどこまで!?」
●マンガどこから来てどこへ行くのか日本国
「地価と物価高騰で大打撃!老人ホーム費用が高騰!入居先の選び方と落とし穴」
●人気毎月分配型100本の「分配金」速報データ!
「100本中10本が減配し利回りもダウントレンド!」
●ザイクラブ拡大版!1カ月で1番上がる株を当てろ!
「9月後半はAI・半導体株の復調機運が追い風に!」


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


ザイクラブ・アンケートはこちら!

>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報