【1】今日の株式相場早わかり!
一時450円近く下落も反発、米長期金利は低下
日経平均株価は4日ぶり反発! 23日の米国市場ではNYダウが終値で約5カ月ぶりの安値を付ける一方、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は5日ぶりに反発した。著名投資家が米国債に対する慎重姿勢を転換したことなどが伝わり、長期金利が低下(債券価格は上昇)。決算発表を控えた主要ハイテク株を中心に買いが入る一方、リスク回避ムードは払しょくされず、売りに押される銘柄もあった。米国の金利低下やハイテク株高が好感され、今日の日経平均株価は反発スタート。前日に決算発表したニデックの急落で投資家心理が悪化し、前場には一転450円近く下落する場面もあったが、下値では押し目買いが入り値を戻した。
ニデックに加え川崎汽船の軟調ぶりも目立ったが、日経平均株価への影響が大きいソフトバンクグループやファーストリテイリングは堅調だった。今日はS&Pグローバルなどが世界の購買担当者景気指数(PMI)を発表。また、米国ではアルファベットやマイクロソフトが決算発表する。
【日経平均】31062.35円↑(+62.80円)
【マザーズ指数】651.09↑↑(+15.69)
【NYダウ】32936.41ドル↓(-190.87ドル、23日)
【ナスダック】13018.329↑(+34.522、23日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
業績関連リリースと株価反応まとめ、ニデックなど!
23日の取引終了後、ニデックが決算を発表。また、注目度の高い企業で、いくつか業績予想の修正が発表された。これらの内容と株価反応について下表にまとめる。今後決算を控える企業の投資にあたって、参考にしてほしい。
ニデックの株価は-10.52%と急落。2024年3月期上期(4~9月)営業利益は前年同期比20.1%増の1157億円で市場予想並みだった。ただ、注目される車載部門の利益水準と利益率が第1四半期から大きく低下。全社利益も市場予想を大幅に上回った第1四半期から伸びが鈍化した。変化の速い中国市場の動向に合わせた開発費の増加が主な背景。通期計画は据え置かれたが、注目のEV(電気自動車)駆動用のトラクションモータシステム(E-Axle)の販売見通しは第1四半期に続いて下方修正された。株価はすでに年初来安値圏にあったが、成長のけん引役として期待される車載部門の想定以上の悪化を受けて、先行き不透明感から急落を余儀なくされた。
コーエーテクモホールディングスは営業利益予想を下方修正した一方、投資運用成果により経常利益予想を上方修正した。ただ、本業の下振れに加え、修正後の利益予想が市場予想を下回ったことから売りが出た。
上期業績予想を上方修正した寿スピリッツと富士急行は、ともに修正後の営業利益が市場予想を上回ったが、株価反応で明暗が分かれた。前日株価が年初来安値で、昨年末比マイナス圏にあった富士急行は素直に好感された一方、昨年末比でまだ30%超のプラス圏にあった寿スピリッツは、材料出尽くし感から売りが強まった。決算に臨むにあたっては、前回決算からの株価推移や位置を見極めておく必要がありそうだ。
■ニデック株価チャート/日足・6カ月
【3】火曜連載「ザイ編集部発! 週イチ『投資信託ニュース』」
新NISAで買える! インド株投信10年成績ランキング
新NISAをにらんで、今年は低コストのインデックス型が相次いで登場しているインド株投信。インド株はこの10年で3倍超に上昇しており、米国や日本をはるかに超える勢いとあって、非常に注目度が高い。市場全体が上昇傾向にあるので、市場平均を狙えるインデックス型もいいのだが、今回はさらに成績を大きく上回るアクティブ型に注目したい。本日時点で、新NISAの対象になっているアクティブ型インド株投信の10年成績ランキングを紹介しよう。
上の表で紹介している投資信託はいずれもインドを代表するSENSEX指数を大きく上回っている。成績トップは「高成長インド・中型株式ファンド」。10年で約4.5倍になっている。注目の投資信託だが、そのせいで資産の大幅流入が続き、残念ながら9月11日から新規受付は停止中だ。2位の「SBI・UTIインドファンド」は、他の投資信託に比べ組入れ銘柄がやや多く、金融株の比率が高いのが特徴。これまで新生インベスト・マネジメントが運用していたが、SBIアセットマネジメントの合併を受けて、投資信託の名前が「新生・UTI」から変更になっている。
4位の「HSBCインド・インフラ株式オープン」と5位の「イーストスプリング・インド・インフラ株式ファンド」はインフラ関連株に投資する。年初来の成績を見ても、インフラに投資するタイプは好調に推移している。ちなみに、前者は集中投資しているのに対し、後者は比較的銘柄を分散しており、運用方針も異なる。インド株投信といっても、アクティブ型の投資信託はそれぞれ内容が異なるので、じっくり比較検討してみよう。
なお、今発売中のダイヤモンド・ザイ12月号では、インド株投信の特集を組んでいる。各投資信託の組入上位銘柄や基準価額の推移などの情報はもちろんのこと、インド経済がこれからも好調を続ける3つの理由なども解説しているので、ぜひ参考にしていただきたい。
石川絵美
ダイヤモンド・ザイ編集部 副編集長
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